発達障害の一種「ADHD」とはどのような障害なのか?調査したので、ADHDの症状や原因について解説します。
ADHDの主要な3つの症状
1「集中力」が低い
ADHDの主要な症状であり、興味の対象がめまぐるしく変化するため、1つの物事に長時間集中することが難しい。
こうした集中力の低さは「多動性」と表現され、多動性によって1カ所にじっと座っていることができなかったり、常に貧乏揺すりのようなことや指で机をリズミカルに叩き続けるようなことをしてしまう。
2「衝動性」が高い
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衝動的に行動してしまうので、たとえば対人コミュニケーションでかんしゃくを起こしやすかったり、思った事をすぐに口に出しやすくなる。
衝動買いをしやすくなったり、計画立てた行動が難しい、といったデメリットも出てくる。
3「注意力」が低い
ADHDの最もやっかいな症状で、「やるべき物事をすぐに忘れてしまう」「ケアレスミスが非常に多い」「物をすぐに無くす」「順序立てた行動が難しい」といったことを起こす。
参考:「ADHD」とは
ADHDはAttention Deficit / Hyperactivity Disorderの頭文字を取られた呼称で、日本語での正式名称は「注意欠陥・多動性障害」。
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ADHDを抱えている人は、上記の解説のように、「集中力」「衝動性」「注意力」に問題を抱えている。
ADHDの症状の中の多動性(Hyperactivity)が無いバージョンの「ADD(注意欠如障害)」も存在する。
平成24年の文部科学省の調査では、小学生の6.5%が発達障害を抱えている可能性があると示された。
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「発達障害」とは、頭脳や精神のどこか一部が、発達が不可能もしくは年齢の割に発達が緩慢である状態を意味する。ADHDの他の発達障害として、「アスペルガー症候群」「学習障害」が挙げられる。
ネット上で語られる、ADHDでいて困るポイント
そのせいで、同時に複数のことをやるという行為が無理。
10秒前に言われたこと・考えたことをもう忘れてしまっている。
自身が無自覚だと、周りが振り回されて周りが苦しい。
常に興味があっちこっちへ向くせいで無駄に時間が過ぎていく。
コレが毎日際限無く続く。
一貫した行動が不可能。
複数のアイデアが求められる仕事やシーンでは活躍できるかもしれない。
というADHDの症状が、ぐちゃぐちゃに散らかった部屋の状態にそのまま表れている。
「よし、注意するぞ!」というところで意識が止まってしまって、その先の具体的な注意行動が無理。
ADHDの原因は、「脳が部分的に縮小」している可能性が濃厚
- 「右前頭前皮質」:注意をそらさずに我慢し続けること・時間の感覚や自意識に関連する部位
- 「大脳基底核の尾状核と淡蒼球」:反射的反応をおさえることに関連する部位
- 「小脳虫部」:動機付けに関連する部位
ADHDを抱えている子ども達は、脳の「右前頭前皮質」「大脳基底核の尾状核と淡蒼球」「小脳虫部」が有意に縮小していることが確認されています。
一卵性双生児の間で極めて高い頻度でADHDが発症し、血縁者にもADHDを抱える人間が多い事実から、遺伝によってADHDを抱えるようになると推定されています。
ADHDは、専門の薬で症状緩和が可能
コンサータ
コンサータの薬効があるうちは、ADHDの「集中力の低さ」「多動性」「不注意」の症状が大きく緩和されます。
コンサータは、脳の神経細胞に作用し、神経伝達物質・ドーパミンの再取り込みを阻害するため、ドーパミンの効果が持続しやすくなって、その結果集中力が保たれやすくなります。
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ストラテラ
ストラテラの薬効があるうちは、ADHDの「集中力の低さ」「多動性」「不注意」の症状が大きく緩和されます。
ストラテラは、神経伝達物質・ノルアドレナリンの再取り込みを行うトランスポーターの働きを阻害します。このトランスポーターはドーパミンの再取り込みも同時に行っているので、ドーパミンの再取り込みが阻害されることでドーパミンの効果が持続しやすくなって、その結果集中力が保たれやすくなります。
発達障害を取り扱うタイプの心療内科を受診し、発達障害を抱えていると認められれば、上記の「コンサータ」「ストラテラ」を処方してもらうことができます。
コンサータは中枢神経に直接作用する強い薬剤なので、すぐに効果が実感できますが、服用しすぎると依存を引き起こす危険があります。
ストラテラは神経を刺激せずにトランスポーターに働きかけるので、効果が出てくるのには数週間がかかります。そのぶん、神経への刺激や副作用の危険が少ない薬剤です。
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