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感動や活力の源になる良い創作物と、現実逃避用の作品の境界線

 

「感動したり、明日への活力がわいてくる、良い創作物」と、「現実を忘れて、ただただ良い気分になるためだけの、現実逃避の作品」の違いについて調査したので、分かったことを報告します。

 

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キャラクターの苦労度の違い

 

良い創作物の場合

上手く行かない現実を前にして歯がみしたり、葛藤する描写がなされている。物語当初の期間は人生の辛い状況に苦しんでいたり、業界の下積み(他人に使われているだけだったり、能力が認められずに活躍できない状況)のような境遇であることも多い。

最後はなんだかんだで成功するものの、成功に至るまでには相応の傷つきや消耗をしている場合が多い。

 

 

現実逃避の作品の場合




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最初から成功したり、成功までの期間が上記の「良い創作物」のそれよりも圧倒的に短い。

苦労する描写はゼロに近い。

創作物のジャンルによっては「苦戦NG」「主人公側の敗北NG」といった制限が設けられている場合さえある。

 

 

 

本項目での、良い創作物と現実逃避の作品の境界線
苦労している期間の長さがそれなりに長いか、極端に短いか。

 




キャラクターの人間関係の違い

 

良い創作物の場合

性格・物事のとらえ方・主張の違いから、仲違いするシーンも多い。




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相手との心理的距離やみぞや対立という展開を経て、ようやく深い信頼関係を築くことができる。

 

 

現実逃避の作品の場合

周りのキャラクターは主人公を賞賛したりちやほやするだけの存在。キャラクターというよりも「主人公をひたすら御輿に担ぎ上げるだけの装置」といったものに近い。




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主人公が5人~10人の女性を従えるハーレムのような、現実離れした恋愛関係も頻発する。

 

 

 

本項目での、良い創作物と現実逃避の作品の境界線
「なまなましい人間関係のトラブル」が在るか無いか。

 

作中で「教育性が在るか無いか」の違い

 

良い創作物の場合

「努力しなければ、良い結果は手に入らない」

「悪いことをすれば、相応の報いを受ける」

「自分の問題行動のせいで、周囲との人間関係が悪化した」

といった現実の事情に準拠した因果応報展開があるため、その創作物を見た人は何らかの教訓を学ぶことができる。

 

 

現実逃避の作品の場合




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一例として、主人公が皮肉屋で、やたらと偉そうだったりことあるごとに「やれやれ」と肩をすくめるような性格であったとしても、周りの人間達にちやほやされ続ける。

人間的に軽蔑する言動が多すぎるにも関わらずひたすらいい目にあい続けるせいで、「主人公に似た性格の消費者達を慰めるための物語展開では?」と疑念を抱いてしまう場合がある。

消費者を教育することに貢献するどころか、わざと堕落する方向へ誘導するような内容の作品も珍しくない。

 

 

 

本項目での、良い創作物と現実逃避の作品の境界線
あえて憂うつ展開を描写してでも、消費者に教えるべき事・伝えるべき事を表現する姿勢があるかないか。

 

物語の世界構造の違い

 

良い創作物の場合

主人公は物語世界のかたすみにいるちっぽけな存在に過ぎず、世界の既存構造は強固であり主人公の前に立ちふさがる圧倒的な壁として機能している。

そのせいで、その創作物のストーリーは地方で起きた小さな事件でしかなかったり、世界そのものを変革する場合には大量のストーリー描写が必要になる。

 

 

現実逃避の作品の場合

敵対勢力があまりにもぜい弱だったり、既存の体制がお粗末なものであるせいで、チート能力をもつ主人公が無双したり一気に成り上がったりするための引き立て役・舞台装置でしかない。

上記の構造を取っていることから、現実逃避作品の登場人物や社会構造は「バカっぽい」と感じられることが非常に多くなる。

 

 

 

本項目での、良い創作物と現実逃避の作品の境界線
物語世界が主人公側へあまりにも都合良くできているか、そうでないか。

 

キャラクターの成功度の違い

 

良い創作物の場合




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成功度はほどほどであり、まだまだ上には上がいる・まだまだ世界は広い、という発展途上感を匂わせて物語が終幕することが多い。(巻数が多かったり尺が長い創作物の場合は、時間をかけて頂点を目指すというパターンも多い)

成功度がほどほどであるからこそ現実味があって親近感があり、消費者側はキャラクターの成功に「夢を見ること」ができる。

 

 

現実逃避の作品の場合

その世界の王様・神様のような存在になるなど、青天井の成功となる。

客観的に現実逃避作品を眺めると、あまりにも出来過ぎのサクセスストーリーなので「嘘っぽさ」「安っぽさ」を感じてしまう。

 

 

 

本項目での、良い創作物と現実逃避の作品の境界線
物語のストーリーの方向性がエンターテイメントの方向へ向いているか、消費者の慰撫・現実逃避の方向へ向いているか。

 




その創作物を見終わった後の感覚の違い

 

良い創作物の場合

「自分も、もうちょっとだけ頑張ってみよう」と向上心が高まってきたり、以前は自分が知らなかったり気づかなかった新しい世界・価値観を知って視野が広まったり、見終わってからしばらくの間は余韻で活力をもらうことができる。

 

 

現実逃避の作品の場合

居心地が良かった現実逃避用の物語世界とのギャップのせいで、自身の現実の辛い状況がよりいっそう酷く感じられるようになる。

ある種の虚脱症状。




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本項目での、良い創作物と現実逃避の作品の境界線
その創作物の物語構成やテーマが秀逸な場合は見終わった後は良い結果が残り、その創作物が「非常に甘くて美味しいけれど、代わりに健康への悪影響が著しい」というようなタイプの場合は見終わった後に悪い結果が残る。

 

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