普通の高校生・大学生はあまり縁がなく、どんなものなのか知り得ない「芸術大学(通称、芸大)」の内情について調査したので分かったことを報告します。
芸術大学とは?芸術大学で学べること
「芸術大学」は、絵画のような美術、彫刻や立体制作のような造形、版画、陶芸、映像制作、写真などを、実習と座学で学ぶことができます。
選んだ学科によって、学べる芸術内容が違ってきます。
芸術大学の中でも、美術に特化した芸術大学に「美術大学(略して美大、びだい)」、音楽に特化した芸術大学に「音楽大学(略して音大、おんだい)」があります。
中高の美術の授業で、美術制作や美術の歴史のさわりを学びますが、美術大学ではより深い専門的内容を学び、作品制作に打ち込むことになります。
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才能豊かで個性的な人や、お金持ちの子息が大学に集まってくる傾向が強いので、刺激的で、多くのインスピレーションがわく大学生活を送ることができます。
音大生になるためには膨大な額のお金がかかる
個人レッスン代
- 毎月、10万円から18万円程度かかる
- 講師がマンツーマンで生徒を指導し、その生徒特有の悪い部分を直したり個性を伸ばす必要があるため、講師を長時間拘束してしまうことの見返りとして、どうしてもレッスン費用は高額になる
楽器代
- バイオリンの場合、音大へ行きたいのなら最低300万円の価格のバイオリンが必要となり、実際には600万円以上の価格のバイオリンが推奨される
- バイオリンを弾くための「弓」も100万円から300万円のものが必要
- 楽器を調律する、定期的なメンテナンス費も必要
音大入学後
- 初年度の入学費は、だいたいの音大で250万円前後
- 2年目からは、毎年200万円程度の学費がかかる
音大生が語る、音大へ行って良かったこと・悪かったこと
良かったこと
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- 音楽を学びたい人に、それ専用の環境が用意されている
- 将来、音楽の仕事をするうえで不可欠の経歴と、人脈を築くことができる
- 著名な先生のレッスンを受けることができる など
悪かったこと
- 音大を出たからといって稼げるわけではなく、むしろ年収は低い
- 就職口が少なく、なかなか仕事にありつけない
- 会社へ入ると、音大出身は使えないと見なされてしまうことが多い
- 音大生は視野が狭くなりがちで、大学の世界と仲間内にこもり、世間からズレてしまうことが多い など
想像を絶する入学難易度を誇る、芸大の頂点「東京藝術大学」
東京藝術大学(とうきょうげいじゅつだいがく)は、日本の美術大学・音楽大学の中で頂点に位置する国立大学とされています。
国内外を問わずに活躍している、著名な芸術家・作曲家・演奏家・教育者を多数輩出していて、入学倍率は学科ごとに10倍から25倍と非常に高いです。
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実際に絵を描いたり楽器を演奏する実技試験があるので、東京大学よりも入試合格は難しい。日本一、入学するのが難しい大学とされています。
東京藝術大学の学科編成
芸術学部
- 芸術学科
- デザイン科
- 絵画科
- 建築科
- 先端芸術表現科
- 彫刻科
- 工芸科
音楽学部
- 作曲科
- 声楽科
- 指揮科
- 器楽科
- 楽理科
- 邦楽科
- 音楽環境創造科
大学院
- 美術研究科
- 音楽研究科
- 映像研究科
東京藝術大学の入学試験で、たった6時間で描かれたという「合格の絵」
東京藝術大学の現役合格は極度に難しく、浪人、しかも3浪や5浪のような多浪が当たり前の厳しい世界のようです。東京藝術大学は国立大学なので、センター試験対策も必要。
ここまで来ると、高倍率で多浪が当たり前と言われる医学部受験とほとんど変わらないような気がしてきます。
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そこまで苦労して芸大に入っても卒業後の就職先は少ない
- 美術系の中で、デザイン系の需要は高く会社就職は容易。ファイン系は就職が難しい
- 広告系企業やIT企業へ就職するなど、専攻とは無関係な進路も多い
- 美術や音楽の教師になる人もいる
- 楽団に空席が無いと音大を出ていても音楽家にはなれず、空席の数と需要は少ない
- 絵画や彫刻一本で稼いでいく、生粋の芸術家になれる人はほとんどいない
- 進路不明(おそらくニート)の数がかなり多い
絵画・彫刻家などの本物の芸術家として活動していけるのはごくごく一握りで、卒業後に就職せずにニートになる人も多いと聞きます。
芸大全般が、就職するために通う場所ではないように感じます。芸術系の中でも特にお金のかかる音楽系の芸大は、お金持ちの子息のための「高尚な趣味を洗練させる場」、と表現するのが良いのかも知れません。
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