ネット通販が利用されすぎているせいで、トラックで商品を運搬する物流業者に負担が集中し、業者達の労働環境が急速に悪化しているという問題について解説します。
ネット通販による負担がトラック運転手達に集中
年々拡大する、ネット通販の市場規模
「○○○○円以上の買い物で、送料無料!」というネット通販が急速に普及したせいで、ネット通販された品物を運ぶ運送業界へ負担が集中しています。
ネット通販の普及で、運送業界が苦しめられる理由
- 荷物の量が多すぎて、どうしても長時間労働を強いられる
- 荷物の単価が安くて、儲からない
- 昼間は不在の家が多く、再配達が必要になるので作業効率が低下する
- 配達先から、夜の7時に「再配達して欲しい」という連絡があり、労働基準を守れなくなる
- 低賃金なので会社を辞めてしまう人が多く、人手不足で会社が立ち行かなくなる
運送大手の佐川・ヤマトがそろってAmazonとの取引から撤退
2013年
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運送業界の大手・「佐川急便」が、最大顧客である「Amazonジャパン」との契約を解消した。
運賃下落に苦しむ佐川急便が値上げを打診したが、Amazon側と折り合わなかったため。
2017年4月
運送業界の大手・「ヤマト運輸」が、最大顧客である「Amazonジャパン」からの「当日配送サービス」の受託から撤退した。
運送業界の大手・「ヤマト運輸」が、最大顧客である「Amazonジャパン」からの「当日配送サービス」の受託から撤退した。
当日配送サービスではない、通常配送は引き続き受託している。
なぜ「佐川急便」はAmazonジャパンから手を引いたのか?
- Amazonジャパンから佐川急便へ回される膨大な数の荷物は「まとめて仕事を契約する代わりに、荷物1つあたりの運賃は安くする」という取り決めがされていた↓
- 末期には荷物の運賃単価が相当に安くなっていて、荷物の量が膨大で業務を圧迫する割には儲けが少ない状況になっていた↓
- 佐川急便は、Amazonジャパンに運賃単価の引き上げを交渉したが、Amazonジャパンは了承せずに交渉決裂。佐川急便はAmazonジャパンとの取引から撤退することとなった。
Amazonジャパンから撤退した佐川急便だけでなく、「ヤマト運輸」の方でも、ネット通販の荷物を運び続ける負荷から問題が浮上してきています。
個人宅への配送は「下請け業者」に任せているのですが、荷物の量が膨大すぎると、確保できる下請け業者の数も限界に達してしまい、さらには居眠り運転などの運送事故も多発するようになります。
ヤマト運輸は、一般利用者から取る運賃の値上げ・配達する時間帯を従来よりも短縮するなど、荷物配送量への制限を課すことで、ドライバーが過労状態に追い込まれることを阻止しようとしています。
トラック運送業のキツいところ
トラック運送業のキツいところ
- トラックへの荷物の積み込み・トラックからの荷物降ろしが重労働
- 道路を走行している時間が長ければ長いほど、交通事故を起こす・交通事故に遭うリスクが大きくなっていく
- 高速道路での単調・長時間の運転は、催眠効果があるので危険で恐怖
- 上下関係に厳しい「体育会系」の社会なので、それに適応できない性格の人には辛い
- 仮に、運送中に事故を起こしてトラックを破損させた場合、修理代を会社から請求される。
一般人を死傷させた事故の場合は、ドライバーは会社から訴訟を起こされる。
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運送業界は「危険、きつい、帰れない」の新3K業界へ
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運送業界は「危険、きつい、帰れない」の新3K業界
- 円安が進んだことによるトラック燃料価格の上昇で、運送業界の採算が悪化してしまった
- 「1日の休息時間は8時間以上を連続させること」「時速90km以上は出せないようにスピードリミッターの装着義務」など、近年の長距離トラックの事故多発を受けて規制が強化された
- 昔は「高速道路を時速150kmで飛ばして、合間に2時間の仮眠を取る」などの強引なやり方で大きな儲けが出た。
しかし、現代では規制強化のせいで無茶が出来なくなったので、いくら運送業界がネット通販のおかげで成長産業といっても、昔のようには儲からない。 - 「儲からないうえに、労働はキツい」ということで、運送業界は若者達に見捨てられつつあり、人手が集まらない
トラック運転手が高給取りだったのは、もはやただの昔話。
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安全を確保するための、運送業界への規制が進み、ネット通販が大普及したことで薄利多売を選択した運送業界は「激務薄給」そのものの状態へと追い込まれ、若者達には「運送業界は危険だし、儲からないからやめとけ」と避けられるようになってしまっています。
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