食材としてのタケノコや、工芸品用の素材としていろいろと応用できる「竹」は有用な植物ですが、あまりに高すぎる繁殖力ゆえに、一度根付くとあっと言う間に竹林が周囲に広がっていく、危険植物としての側面をもっています。
竹の増殖力のあれこれについて調査したので、分かったことを報告します。
他の迷惑植物達を超越した、悪魔の繁殖スピードをもつ竹
- 植物は「成長点」というものがあり、茎の先端の成長点がさかんに細胞分裂が行われて生長していくが、竹は節に成長点が連なった「成長帯」があり、竹がもつ60個程度の節にそれぞれある成長帯が60箇所でいっせいに細胞分裂を行い、竹全体がどんどん伸びていく
- 竹は地下茎同士でつながっていて、成熟して養分が余っている竹から地下茎を通して未熟な竹へ養分が供給されるので、竹全体としては効率的に成長する
竹の成長ピーク時には1日に80cmから100cmも生長し、たった2ヶ月程度で20メートルもの長さへと伸びてしまいます。
竹が繁殖することによる、人間側の4種類の被害
1.住居が破壊される
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地中に張り巡らされた地下茎から生えてきた竹が、住居の木造床を突き破って成長することが多い。住居の主はいちじるしく不便な生活を強いられる。
新築や家の購入を検討している方は、近くに竹林が無いかをしっかり確認することをおすすめします。
2.地滑りが起こりやすくなる
竹の地下茎が地中に網状に張り巡らされることで、土壌がほぐされて固さを失ってしまう。
その結果、雨の日などに大規模な地滑りが起きることがあり、死人・けが人・住居の崩壊などが発生する。
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3.畑や森へ侵入して荒らし尽くす
個人が所有している畑・森へと地下茎を伸ばし、竹が増殖し始めると、畑の土壌の養分が竹に奪われて野菜が育たなくなったり、森の植物が竹ばかりになって景観がいちじるしく損なわれる、という被害を受ける。
4.竹の除去は困難を極める
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竹の本体は、地上に生えている部分ではなく、地下に張り巡らされた地下茎。なので、いくら地上の竹を伐採し続けても、際限なく生えてくる。かといって、地上からは目視できない地中の地下茎を全て掘り起こすのも極めて難しい。
竹を除去するには、「地上の竹同士は地下茎で繋がり合っている」という生体構造を利用し、竹の各所へ強力な除草剤を直接注入し続けること。除草剤が地下茎を通して全体へ浸透すれば、いずれ枯れる。
危険植物ランキングでも竹は堂々の最高ランク
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Aランク:悪魔の破壊兵器。厳重な管理下でも制御不能。
Bランク:堅牢な施設内(鉢植え)でのみ取り扱い可能。施設外持ち出し厳禁。
Cランク:ここから制御可能。しかし地域内汚染を招く可能性が高く油断大敵。
Dランク:危険物であるという認識さえあれば問題ない。むしろ管理が容易。
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1.爆発物 ・・・ 恐ろしい繁殖力でひたすら増殖
A:竹&笹、ワルナスビ
B:ミント、 ドクダミ、オキザリス
C:ナガミヒナゲシ、ツルニチニチソウ、カンナ、アイビー&ヘデラ、トケイソウ
菊類、宿根朝顔、シャガ、ツユクサ、ケナフ、シソ、キバナコスモス、ラズベリー
D:藤、キウィ、ノウゼンカズラ、イチジク、ビワ、フサスグリ
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2.生物兵器 ・・・ チャドクガ、イラガやアブラーを召喚
C:椿、サザンカ、モチノキ、クチナシ、桜、マサキ、柿
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3.武装集団 (実は薬草もある) ・・・ 毒をもった過激テロリスト
C:夾竹桃
D:ピラカンサ、水仙関係(水仙・すずらん・彼岸花等)
竹は他の植物を全て駆逐し、竹一強状態を作り上げる
- 竹が急激に生長することで、その土地の土壌の栄養素をどんどん吸い上げ、他の植物たちが栄養を得られなくなって枯死する
- 竹が繁殖して空が竹の葉で覆われると、日光が竹に独占されて、背の低い植物たちが光合成ができなくなり枯死する
- 竹は常緑のため、他の植物が冬の間に葉を落としていても、竹は冬の間も葉で光合成を続けて栄養を蓄え続け、他の植物よりも成長しやすい
- ある程度成長した竹の茎は固く分厚くなり、非常に頑丈なので、動物に食害されたり、人間に除去されることが少なくなり、竹の増殖に歯止めがかからない
ただし、竹は素材や食材としてとても役に立つ
工芸品・日用品の素材
- ざる
- 籠
- 花入・花籠・花生け
- 虫籠
- 箸・菜箸
- 楊枝
- 耳掻き
- 串(焼き鳥の串などに利用されている)
- 茶筅(ちゃせん、抹茶を泡立てる道具)
- 茶杓(ちゃしゃく、緑茶をたてる道具)
- 柄杓(ひしゃく)
- 竹ナイフ
- 竹箒(たけぼうき)・熊手
- 箕(み、穀物を殻やごみとふるい分ける農具)
- 易の筮竹(占いの道具)
- 孫の手
- 青竹踏み
食材
- 筍(たけのこ)
- メンマ(たけのこを乳酸発酵させた食品。シナチクともいう)
- 実の栄養価は小麦に匹敵するともいわれ、救荒食物として飢饉を救った逸話もあるが、むしろ野ネズミの大発生による飢饉を招いた例が多く、このことが竹の開花を凶事とする根拠になっている。
材木
- 竹小舞:和風建築の塗り壁の素地
- 竹筋コンクリート:鉄が不足していた時期に鉄筋の代用として竹の骨組を配したコンクリート工法
- 床材
- すだれ
- 建築外部足場:日本ではあまり見ないが、香港や台湾、中国、東南アジアでは、比較的高いビルの建築現場でも足場材として使われる
- 冬囲いの材料
- 竹垣
- 竹シーツ:小さく切った竹片に隙間を設けながらつづり合わせてシート状にしたもの。暑い時期に体を冷やしてくれる冷却寝具として使用されている。
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