FXトレードで追証(おいしょう、借金の事)を背負ったら、その後どうなるのかを調査したので、分かったことを報告します。
追証金が発生すると、証券会社は一括返済を要求してくる
FXや、株式取引の場合でも同様に、全ての建て玉を強制決済してもマイナス金額を埋めるには足りない場合「追証(おいしょう)」が発生します。
追証が発生した場合、証券会社は「一括返済」を求めてきます。たとえ、その人の年収額を大幅に上回るような大金であろうと、分割返済や、支払いの猶予は認められません。
具体的な、追証金についての連絡方法
- 証券会社に登録してある、自身のメールアドレス宛に「追証が発生したこと」「○日までに、不足分の金額を証券口座に入金すること」を伝える趣旨のメールが送られてくる
- 証券会社のオペレーターから電話がかかってくる。「追証が発生が発生しました。証券口座の口座残高分では足りないので、追加のお金を証券口座に入金して下さい」といった内容。
ネット上の「FXの断末魔コピペ」にあった内容で、300万円近い追証金が発生し、証券会社に電話をした際には、業者の対応は以下の通りだった。
- 証券口座開設の際に、約款に記してある内容の通りに、追証金を証券口座に入金してもらう、という一点張り
- 「まさか、お客様は利用規約を読んでいないわけはありませんよね?」
- 「明日のNY市場終了までに、入金をお願いいたします」
払えない追証金の場合、どうなるか
ハイレバレッジ状態でのトレードで追証金が発生した場合、その金額は100万円を超える大金になることが多いと考えられます。
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そのため、その大金を肩代わりしている証券会社も回収に必死になります。
連日の電話連絡をはじめとして、いつまでも支払いがなされない場合は、弁護士を通して自宅に督促状を送りつけてきます。
それでも支払いがなされない場合は、民事裁判に踏み切るような法的措置を取ることもあります。
FXの追証金の回収は債権回収業者に回されるのか?
結論から先に言うと、FXの追証金の債権を証券会社が債権回収業者に売り払うことは、法律で禁止されているので、債権回収業者が関わってくることはありません。
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貸し金の回収に限定されるので、貸し金に該当する「株式取引の中の、信用取引によって発生した追証金のみ」。
FX取引の「金融派生商品取引」は貸し金には該当しないので、サービサーは債権の買い取りができない。
株の信用取引で発生した追証金には、債権回収業者が関わってくることになります。
債権回収業者は借金取り立てのプロであり、合法の範囲内で、ありとあらゆる方法で債務者の心を折るように働きかけてきます。株の信用取引は危険なので、よほどの熟練トレーダー以外は手を出してはいけません。
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FXでの多額の借金には「裁量免責での自己破産」が有効
結論から言うと、FXでできた多額の追証金を、自己破産でチャラにすることは、「ほぼ確実に可能」です。FXでの失敗でも、自己破産可能です。
ネット上では、「FXや不動産などの投資」は「免責不許可事由(免責が認められない場合)」に該当するとまことしやかに言われています。
破産法第252条第1項には、株取引・FX取引・先物取引などの射幸行為によって財産をいちじるしく減らした場合は自己破産は認められない、といった内容が含まれているので、破産法第252条第1項だけを見て、勘違いした人達がFXは自己破産ができない、と言っているようです。
しかし、破産法第252条第2項では「裁量免責」について記述されていて、裁量免責とは、「借金ができた理由・経緯を裁判所が考慮して免責にすることができる」ことです。
前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。
裁判官に、面談や文面で次のようなことを真摯に訴えかければ、ほぼ裁量免責を認めてもらえるようです。
- コツコツと堅実にFX取引をしていたので、決して「射幸行為」ではないこと
- 為替相場があまりにも急変して、自分が設定していたロストカットが作動できなかったので、多額の追証金が発生したことは不可抗力であったこと
- 自分の見通しの甘さを深く反省していること
- これからは真面目に働いていく所存であること
重要ポイントは、「しっかりと反省すること」です。その意志を、きちんと言葉と態度で裁判官に見せることです。そうすれば裁判官から温情をもらうことができます。
首相官邸公表の、免責申立の結果
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ギャンブルなどが理由で「多重債務状態」に陥った人達が自己破産を申立した結果、2011年度では96.67%という非常に高い割合で「許可」とされています。ほぼ100%の割合で自己破産が認められた、ということです。
FXの追証金に苦しんで自己破産を申し立てをしても、同じように非常に高い割合で自己破産が認められるでしょう。
また、仮に自己破産が認められなくても、裁判所や弁護士を通して、借金の額を大きく減額させる方法が色々とあります。
- 「任意整理」:貸し手と借り手が返済方法・返済額を話し合う。弁護士・司法書士に依頼することもできる。
- 「特定調停」:裁判所が間に入り、返済条件の変更も含めた話し合いをする。破産せずに済む方法。
- 「個人再生」:今後の収入を考慮した再生計画案を裁判所に提出し、その計画案が認められれば債務額が1/5に減額される。任意整理と自己破産の中間的な手段。
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スイスフランショックで追証組の顧客達と共にFX業者までいっしょに破産
- 2015年1月15日の「スイスフラン」相場の急変の影響を受けて、イギリスに拠点を置くFX取引業者・アルパリが同年1月16日に破綻した
- 金融庁は16日、FX取引業者の日本法人アルパリジャパンに、資産流出を防止する目的で国内保有命令を出した
- 同業者の、ニュージーランドのエクセル・マーケッツも経営の継続が困難となった
- アメリカのFX取引業者「FXCM」は15日の時点で、顧客の取引損失分である約260億円を肩代わりしていると説明。顧客の多くが、損失を支払えない。
2015年1月15日に起きたスイスフランショックで破産者が大量発生した
なぜFX業者が追証組の道連れにされたのか?
例えば、顧客が100万円を原資としてレバレッジ10倍の設定でPC上やスマホ上で1000万円のお金を動かしている時、FX業者は実際に1000万円のお金を出して為替取引処理をしている。
スイスフランショックのような相場の大異変で、この1000万円が全て吹っ飛び、顧客が900万円の追証を抱えれば、FX業者は900万円の口座入金を求める。この900万円が回収できないうちは、FX業者は900万円の損失を肩代わりした状態を強いられる。
スイスフランショックで、数千万円の追証を抱えた顧客があまりに大量に出たために(1発で破産や、「もともとのロスカット設定をちゃんと発動させなかった業者側が悪い」、などと責任転嫁して追証金を支払わない人が大多数)、FX業者は追証金回収まで会社の体力が持たず、資金繰りが不可になって破綻した。
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