世界人口が激減し、ゆるやかに文明が衰退して人類が滅びに向かっていく夕凪(ゆうなぎ)の時代。
そんな悲しい世界なのに、人間と区別のつかない精巧なアンドロイドが気ままに暮らしていたりして、不思議と悲壮感がないスローライフの極みともいえるのんびり漫画「ヨコハマ買い出し紀行」。
ヨコハマ買い出し紀行の魅力をお伝えします。
漫画「ヨコハマ買い出し紀行」のストーリー
のちに「夕凪(ゆうなぎ)の時代」と呼ばれる未来の時代。
夕凪の時代では人間と見分けがつかないほど精巧で自律するロボットが活動しているが、地球の人口は減り続け、人間はゆっくりと滅亡へ向かっている。お祭り騒ぎだったような人の世が、落ち着きを取り戻し、少しずつ衰退していくような世界の状況だった。
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そんな世界で、主人公のロボット「アルファ」が、人がたまに来店する喫茶店を経営する日々がずっと続いていた。
ヨコハマ買い出し紀行に登場する、魅力的なロボット達
アルファ
漫画「ヨコハマ買い出し紀行」の主人公である、女性型アンドロイド。
アンドロイドであるアルファのオーナー(所有者)に、旅の間の留守中に喫茶店「カフェ・アルファ」を任せられている。
オーナーはどこかへ行ったきりずっと帰ってきていないが、アルファはずっと喫茶店を経営し続けている。
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ココネ
アルファと同じく、女性型アンドロイド。
淡い紫色の髪・瞳は緑色と目立つ容姿で、女性的でしとやかな性格なので、勤めている運送会社とその取引先でココネのファンがたくさんいる。
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同じアンドロイドのアルファを慕っていて、彼女が大好き。昔は内向的だったが、アルファと交流するうちに感化されて、スクーターを購入して外出するようになり活動的になった。
子海石アルファ(こうみいし-)
アルファと同じ系列のアンドロイドで、アルファより前の時代に作られた。アルファと顔や雰囲気が似ている。
地球上の空をずっと周回している「ターポン」という名前の大型飛行機に搭乗していて、ターポンはもう地上に降りることはないと言われている。
ターポンの中から、人が減っていく地上をたびたび見下ろしている。
ミサゴ
入り江に裸で住んでいる、謎の女性。子どもの前にしか姿を見せず、言葉をしゃべらない。ほとんど野生動物と同じ生活をしている。
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その正体はアンドロイドであり、どうして上記のようなスタイルの生活をしているのかは作中では明らかにされていない。
ヨコハマ買い出し紀行の世界
- 昔の時代よりも、人間の人口が激減していて、人がまばらになっている
- このような人類が滅亡に近い状況であるにも関わらず、人々の間に悲壮感・絶望感は無い
- 本物の人間と見分けがつかないほど精巧なアンドロイドが、人間といっしょに日常生活を送っている
- アンドロイドと人間に身分差のようなものは無く、対等の存在
- 機械文明・産業が衰退して、20世紀末程度の文明にまで退行している
- 天然のものか、それとも人の手による人工物か、そのどちらか判別がつかない不思議な存在が世界のあちこちに在る
- 地球温暖化が進行していて、海面上昇により、海に近い地域は海中に水没してきている
漫画「ヨコハマ買い出し紀行」の楽しみ方
- 主人公のアルファが送る、ゆったりとしたスローライフを見て癒される
- 一見するとのんびりした世界に見えて、実はかなり悲しい状況の作中世界にあれこれ思いをはせる
- 作中の「懐かしさ」「寂しさ」「平和の日々の大切さ」などが組み合わさった独特の空気感を味わって楽しむ
- 人が少なくなっていく世界でずっとカフェを続けているアルファの心情をあれこれ想像する
漫画「ヨコハマ買い出し紀行」は、ゆっくりと滅んでいく世界を舞台にした作品です。
のんびりとした作品雰囲気の裏に隠された滅亡しつつある世界という二重構造の本作は、読む人にとっていろいろな感じ方をすると思います。
作中世界はその後、「人の夜」へ
漫画本編の「夕凪の時代」から時が進み、その後にさらに人口が減少して人類がほぼ滅亡状態になったことが、本作の小説版「小説ヨコハマ買い出し紀行 見て、歩き、よろこぶ者」にて語られます。
この滅亡状態は「人の夜」という時代と名付けられています。
悲しい結末ですが、ヨコハマ買い出し紀行の世界の事情としては必然のなりゆきですし、この終わり方は味わい深いものだと感じられます。
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