アニメや漫画が一般的な娯楽として受け入れられてきたのに、同じオタク系文化のライトノベルはネット上で叩かれる事が多いようです。
なぜライトノベルは容易に叩かれてしまうのか?ライトノベル愛好家同士の世代間闘争までからんでくる、ライトノベルが叩かれやすい理由を調査したので、報告します。
今のライトノベルが叩かれやすい4つの理由
1.中高生の子ども向け分野なので大人には合わない
ライトノベルはそもそも中高生向きの小説。それなので、文章が子どもでも読みやすいようなくだけた感じであったり、中高生の願望を満たすような「主人公が最強」「異性にモテまくる」「世に仇なす謎の組織」といった要素が物語に頻出する。
大人の読者にとっては、ライトノベルに付随する上記の設定が鼻につくようになるため、低俗だと叩くようになってしまう。
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2.売れ筋のライトノベルは叩かれる余地が多い
売上を伸ばすためには、どうしてもその時その時の売れ筋を追求していく必要がある。
2019年の現在では、努力しないでチート能力、ハーレム、強めのお色気要素、異世界転生、ネット上での流行語の採用などなど。
売上増のためにこれらの要素を積極的に作品に取り込んでいく事は、商業戦略として至極まっとうで、利潤追求の姿勢はまったくもって正しい。
ただし、努力に否定的な10代向けに作られた上記のようなライトノベルは、努力を信じている人が多い30代や40代にはどうしても反感を抱かれることが多くなってしまう。
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3.叩きの流行に乗じて叩く人が続出
物語設定が重厚でストーリーが面白い「知る人ぞ知る名作ライトノベル」は多いが、アニメ化されたり売上ランキング上位に入って表舞台に出てくるライトノベル作品は「売れ筋をなぞった、いわゆるテンプレ作品」であることが多い。
そして表舞台に立つ故に目につく事が多くなり、「最近のラノベはテンプレばっかりだ」とネット上で叩かれることが増えてくる。
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そうなると「叩きの流行」が生まれる。ネット上では叩きの流行に乗じて現代のライトノベルを批判する記事が増え(一部の問題作だけを取り上げてラノベ分野全体を批判するような印象操作をする記事が多い)、
それを閲覧する人達もつられてライトノベルを叩くようになっていくという負の連鎖が起こっている。
4.世代間論争が果てしなく続く
ライトノベルの歴史はまだ浅く、ジャンルの方向性と伝統が未確定のままで、今の30代が子どもの頃に読み親しんだ「キノの旅」「イリヤの空、UFOの夏」「スレイヤーズ」のような古典的名作ラノベと、現代のライトノベルはずいぶん毛色と方向性が違っている。
その時代その時代に合わせて柔軟に方向性を変えられる適応力の高さは強みであるが、同時に弱みにもなってしまっている。
今の30代の懐古主義者達にとっては現代のライトノベルは受け入れがたいので、どうしても批判に走ってしまいがち。
近年発表されたライトノベルが、叩かれやすい理由とは?
「多くの人の反感を買う部分がラノベに多いから、叩かれている派」のネット意見
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多くの人から偏見の目で見られるのは仕方がない。
そういうラノベが出版され続ける限り、ラノベが叩かれるのは止まらないと思う。
自分が巻き込まれた不幸な人間だと延々嘆いていて、無気力で責任感も感じられず、人間的に軽蔑する部分があまりにも多すぎる。
状況を的確に表現するために主人公の性格は「理屈屋」になりやすい。
主人公の理屈っぽい言動がイラつく人も相当いると思う。
ラノベの表紙絵が美少女ばかりで、しかもエ口漫画の表紙みたいな構図だから叩かれもする。
そういう要素が今よりも格段に低ければ、こんなにも叩かれはしない。
しかし、面白い作品の割合が非常に低いので、
大部分のつまらないラノベがみんなの目に留まって、結果的にラノベが叩かれることが多くなる、ということ。
萌え小説とか、中高生向け官/能/小説、とでもジャンル名を変えた方が良いような状況だろ。
みんなもラノベという分野を認めざるを得なくなる。
現状、ラノベ分野がほとんど認められていなくて、それどころかこぞって叩かれているということは、つまり、そういうことなんだろう。
「ラノベが叩きやすいから、叩かれている派」のネット意見
叩きやすいからみんな叩いているんじゃないの?
ただ、叩きやすいってだけの理由。
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時間が経てば、今度は別の何かを叩いているはず。
「ラノベを取り巻く環境に問題があるから、ラノベが叩かれている派」のネット意見
読者層が求める内容のラノベが大量に供給され続けた結果、ラノベ自体もダメになっているけど。
テンプレ内容&テンプレヒロイン&ハーレムモノの作品ばかりなんだから、
そりゃあ視聴者もラノベという分野を小馬鹿にするだろう。
「主人公最強」「俺TUEEEEE」「テンプレ展開」「敵は雑魚」「ハーレム」「苦戦や努力は無し」「過激なエ口」は、
読者側がそれを望んでいるから、要望に応える形でラノベに出てくる。
ラノベ作者と読者のどちらが悪いかといえば、因果関係でそもそもの原因になっている読者側。
ネット上のニュースサイトなんかが、ラノベの中でも特にひどい下限レベルの作品ばかりを取り上げられるから、ラノベに対する偏見がどんどん生まれてしまう。
ニュースサイト側の責任だろう。
シリアス・哲学・考察系・実験作などなど、それらの要素を含めた「消費者の理解力に期待する作品」がそれなりにあった。
ネットの発達で作者が批判に怯えて冒険できなくなったり、
日本の労働環境の悪化でみんな疲れてしまって「頭空っぽで楽しめる幼稚な作品」しかウケなくなってしまったのが、低レベル化の原因だろうな。
市民権が無いと考える人が多く、そのせいでラノベが叩かれやすい。
そのことに不信感を抱く人が多いと思う。
ラノベには当然良い面があるので、一概には批判できない
現代のラノベを擁護する、ネットの意見
いっしょくたにして叩いている奴が多すぎる。
それを子どもっぽいとか低俗とか叩かれても、「当たり前だろ」としか返しようがない。
「テンプレハーレム&どん引きする非常識キャラ達で構成された、アニメ化したライトノベル作品」なんだよ。
それはラノベ全体のほんの一部でしかないし、良いラノベはちゃんとあることに気づいてくれ。
それでドヤ顔で叩いている人が多いだろう。
しかし、残念ながらそういう良い作品はラノベ購買層になかなか売れず、全然話題にならず、表舞台に出てこないので、みんなの目に触れない。
ラノベ業界は、作者が作中で挫折とか葛藤とか書こうとすると、編集者からダメ出しを食らうこともある業界なんだよ。
角川社長が語る今のラノベの主人公像が物議を醸す
- 売れるラノベの3つの要素は「ライトノベルの主人公は努力してはダメ」「ヒロインは都合良く向こうからやってくる」「能力は、勝手に身についている」
- 今のライトノベルの多くが、そのような要素を含めて書かれている
- 努力できる立派な主人公だと、読者が気後れして感情移入できない
- ライトノベルだけでなく、文学の分野でも、読者は「主人公に都合の良い物語」を求める傾向が進んできている
カドカワ株式会社代表取締役社長の川上量生氏へのインタビュー内容を要約
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