失敗することや、他人との人間関係を深くすることや、責任を負うことを極端に恐れ、物事から逃げることが習慣化している「回避性人格障害」の症状の特徴と治療方法について調査したので分かったことを報告します。
回避性人格障害とはどういう病気か
回避性人格障害を一言で言い表すなら「極度に自信がもてず、あらゆる人間関係から逃げてしまう病気」。
自分に自信が無いので、恥をかいたり、嫌われたり、笑われたりすることを極度に恐怖し、結果的に他人との交流を避け続けてしまう。
そのような行動によって、「自分は孤独だ」「みんなと距離がある」という感覚を抱くようになる。
回避性人格障害の具体的な症状
回避性人格障害の具体的な症状
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- 失敗したら恥をかくので、恥が恐くて新しいことに挑戦できない
- 恥をかくこと・拒絶されることへの不安が、常に頭のどこかを占めている
- 「どうせ自分なんか…」という自尊心の低さ・無さ・劣等感の強さ
- 「自分は他人からどのように見られているのか?」が常に気になっている、自意識過剰状態
- 拒絶されるのが恐いので、親密な関係へと踏み込むことができない
- 人間関係を築くことが難しいせいで、自ら進んで孤独状態を選んでしまう
- 以上の精神状態から、極度の引っ込み思案や臆病さが発現している
- そして、その引っ込み思案・臆病さから、
最終的に「進学・就職・結婚のような大きな選択を回避したり、最初から諦めて自分からチャンスをつぶす」という行動的特徴が発現している
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回避性人格障害であるかの簡単チェック
以下の7つの項目のうち、4つ以上当てはまるなら回避性人格障害である疑いが強い。
- 他人に拒絶されたり批判されることへの強い恐怖から、人と接触する職業行動を割けてしまう
- たくさんの人が集まる社会的な場で、自分が批判・否定されることへの不安にとらわれている
- 他人に対して強い劣等感、自分は社会不適合者である、長所がないと思っている
- 恥をかくのを異常に恐れ、挑戦や新しいことを始めるのに極めて消極的である
- 相手が自分のことを好きでいるのを確信できない限り、他人と関係をもちたいとは思えない
- 「どうせ自分なんて、他人と上手くつきあえない」という感覚で、新しい人間関係を作ることができない
- たとえ相手が親密な相手だとしても、恥をかかされるかもしれない・バカにされるかもしれないという不安のせいで相手と距離をとってしまう
回避性人格障害で困っている人達の声
とにかく逃げたい、とにかく人間関係を避けたい、って気持ちが強すぎる。
とりあえず、履歴書作成から逃げて手が着かない。
でも、その方法が分からない。
何の努力もできないゴミみたいな人間になった。
「負担は、未来の自分が背負うから、今の自分は逃げても大丈夫」
っていうのが人生でずっと続いている。
そもそも「人格障害」って何?うつ病とかとは違うの?
人格障害(別名を「パーソナリティー障害」)は、その人の性格が、特定の「問題がある性格」にかたよってしまい、そのせいで社会生活を送るのが困難になっている精神疾患です。
例えば、ナルシスト気味な性格だけなら、他人から少々奇異の目で見られるだけですが、このナルシストな性格が度を超して強くなると、情緒不安定で対人関係に支障をきたし、社会生活を送るのが困難になります。この、度を超した性格状態が人格障害とされます。
- A群(風変わりな発言・行動が多いタイプの人格障害)
- B群(ナルシスト的で、演技のような行動が多いタイプの人格障害)
- C群(抑鬱的な思考・行動傾向が多いタイプの人格障害。回避性人格障害はここに含まれる)
「回避性人格障害」は、人格障害のC群に分類されます。
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C群の中には「回避性タイプ」「依存性タイプ」「強迫性タイプ」の3種類があり、回避性人格障害=「回避性タイプ(拒絶されることを恐れ、人との接触が困難になってしまうタイプ)」となっています。
回避性人格障害の治療方法
まず、自分が「回避性人格障害」であることに気づく
本ページでの回避性人格障害の解説を読んで、心当たりがあったならば、回避性人格障害である可能性が高いです。
自分が人格障害であるにも関わらず、その人格障害を放置していたり、否定していても、現状は悪いままです。
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回避性人格障害を自覚したのち、カウンセリング治療や、投薬治療を受けると、だんだん現状が改善させていきます。
心療内科で適切な治療を受ける
心療内科を受診して、精神科医のカウンセリング治療を受けましょう。カウンセリングによって「物事からすぐに逃げてしまう脳の癖」を修正する行動療法を取ることにより、逃げ癖が解消されていきます。
回避性人格障害の治療はカウンセリング治療が主で、投薬は補助的なものです。
問題行動が収まるまでにだいたい半年~1年、回避性人格障害の治療が終わるまでには2から3年程度かかるといわれています。
努力できない病・逃げ癖・先延ばし癖は生来の性格が原因ということもありますが、それと同時に、これらの逃げ癖系はかなり高い確率で回避性人格障害が原因とされています。
努力出来なくて本当に困っている人、目の前の困難からすぐに逃げてしまう逃げ癖のある人は回避性人格障害の可能性を疑って、一度医療機関での受診をおすすめします。
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