各種のSNSや動画投稿サイトを使って手軽に情報発信できるようになった現代では、
承認欲求が強い人達が目立つために過激な行為を公開して炎上しやすい、という問題について調査したので分かったことを報告します。
投稿動画でコメントシャワーを浴びると病みつきになる
「コメントシャワー」とは、ニコニコ動画を代表として、動画に閲覧者のコメントが流れて表示されるタイプの動画投稿サイトで、一気に大量のコメントが動画を流れる現象です。
動画投稿者がコメントシャワーを浴びると病みつきになってしまう3つの理由
1「現実世界では自分が大勢に注目されることがない」
非ネット世界である現実世界では、100人も200人も自分の話に耳を傾けてくれる機会はまずありません。しかし、動画投稿サイト…特にリアルタイムで動画を放映する生放送系動画ではその不可能が可能になります。
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有名人が壇上に立って講演会をしているような状況を実際に味わうことができてしまいます。
2「大勢にちやほやされる」
生放送系動画では、自分が発言をするたびにリアルタイムで大量のコメントが返ってくる。昨日アップロードしておいた動画に、今日はコメントが200個も残されている。そしてそのコメントの多くは、投稿者である自分を賞賛するタイプのものです。
まるで芸能人や、業界の著名人にでもなったようなちやほやされる状況に、多くの動画投稿者は病みつきになってしまいます。
3「日常に、コメントシャワー以上の快感が存在しない」
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数百人もの視聴者に求められ、賞賛され、自分の発言にコメントシャワーを浴びせられる。一般人には、これを上回る快感は日常の中には存在しないといっても過言ではありません。
投稿するネタが枯渇したり、仕事が忙しくなったりで、引退宣言をしても、「またあのコメントシャワーの快感を味わいたい」「満員放送になった時の最高の気分をまた味わいたい」とうずうずして、結局は復帰してしまう投稿者は多いようです。コメントシャワーの快感の中毒状態になってしまっています。
承認欲求の危険な面がよく分かる、ネット上の有用なコメント
しかもそれだけにとどまらず、写真やコメントで毎日幸福アピールして、他人よりも幸せです!と自慢せずにはいられなくなっている。
その欲求が強すぎて自己顕示欲に振り回されながら生きている人がいる。
そういう人達が注目されようとして過激な行為をして他人に迷惑をかけるから、自己顕示欲の強い人全般が嫌われる。
常に「もっともっと認めて欲しい!」って現状以上の評価を求めてしまうから、
一生満たされることはないよ。
「俺はこんなことをしているんだ!さあ、注目しろ!」って常に頭がなっているから非常に疲れる。
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強い承認欲求と、そこから生じる俺すごいアピールははしたないと否定されるし、否定されるからネットでさらし者にされやすくなる。
だから、日本文化での強い承認欲求は危険。
「今起きた」とか「今昼食」とか絶望的につまらない。
なぜなら日常が充実しているから、わざわざSNSでウケをとって承認欲求を満たす必要がない。
それに対して、日常がつまらない人のツイートはこっていて面白い。
面白いツイートをして承認欲求を満たす行為に、人生の時間の大部分を奪われてしまっている感じ。
才能が無いからつまらないことをして他人に迷惑をかけてばかりだし、完全に自己顕示欲に呪われているような人生。
次に当たり障りの無いほんわかしたコメントや写真(風景とか食事とか猫とか)をアップして、「いいね」をたくさん押されて、承認欲求を満たされて良い気分になる、
という一連の行為を取り憑かれたように続けている人が多い。
いいねを稼ぐためだけに心にもないコメントや写真をアップし続けて、それって本当に楽しいか?
わざわざ他人に認めてもらう必要が無い。自分で自分を認めることができているから。
それに対して、未成熟な人間は自分の中身が無いから、
空っぽの中身を他人からの評価で補填しようとして、他人に認められること・他人を見下すこと(=承認欲求を満たすこと)だけが人生の指針になってしまう。
承認欲求が強い人の特徴
承認欲求が強い人の特徴
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- 重度の目立ちたがり(注目されたい、他人とは違う特別な自分という感覚)
- 他人に嫉妬しやすい(他人の長所を過度にうらやみ、劣等感から嫉妬する)
- 自分語りが多い(自身のプライベートや自慢話を一方的に話し続ける)
- さびしがり屋(独りでいるのが苦手で、いつも群れていたい)
- 他人からの目と評価を気にしすぎる(過度のかまってちゃん行為)
「承認欲求」と「自己顕示欲」の違いって何?
心理学者のアブラハム・マズローは、人間がもつ五段階欲求のうちの、上から二番目に「承認欲求」を置き、承認欲求は人間なら誰しも本能的にもっている欲求だとしました。
そのため、承認欲求自体は悪いものではないのですが、根源的な承認欲求から生じて過度な自己アピールをしたいという欲が表出することがあります。この欲が「自己顕示欲」です。
強すぎる自己顕示欲は、注目を集めたくて空気を読めない自慢話を始めてしまうような数々のかまってちゃん行為を引き起こすので、他人から迷惑だと思われることが多くなってしまいます。
情報リテラシーの欠如×強い承認欲求の組み合わせで大惨事が起こる
ホームページ→ブログ→SNSと、高度なWeb知識が必要で敷居が高かったホームページ時代から、ネットに繋がるスマホを持っていてアカウント作成さえできる程度の技術があれば誰でも参入できるSNS時代へと移り変わり、インターネットで情報発信するための敷居は確実に低くなってきている。
つまり、情報リテラシー(情報を取り扱う技術)が低かったり、「こうすると、次にコレが起きる」という事が予測できないような人達でもSNSを利用できるという状況になってしまっている。
twitterやfacebookのようなSNSでは、面白くて過激な写真やコメントほど、そのSNS内でどんどん拡散されて目立つことができる、というルールがある。
そのせいで、普段の生活で目立てない平凡な人ほど、過激な写真やハデなコメントをSNSで発信して承認欲求を満たそうと躍起になる。
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コンビニバイトや飲食店バイトが、業務用冷蔵庫に入っている写真をtwitterにアップしたり、厨房で自ら不衛生行為をしている様子を写真でアップして大炎上する事件は定期的に起こっている。彼らは雇用側から訴訟を起こされたり、通っている学校を退学せざるを無くなったりして、悲惨な末路をたどることが極めて多い。
承認欲求に突き動かされて、SNSで過激な自家撮り写真をアップして堕ちていく女の子の漫画が、SNSの承認欲求問題を分かりやすく面白く描いているので、ぜひ読んでもらいたい。
自己顕示欲が強い人達同士の自慢合戦に参加すると危険
- 友達が、自分を誘わずにパーティーやイベントへ参加しているのを見た(59%)
- 結婚・旅行・子どもなどの写真で、他人が自分よりも幸せな人生を送っているのを見た(57%)
- 友達が休日を楽しく送っている写真を見た(45%)
- 友達削除された(61%)
2017年1月、カスペルスキー・ラボが日本を含む世界18ヵ国1万6750人の男女を対象に「ソーシャルメディアが人々に及ぼす影響」を調査した結果
上記の大規模な調査では、ソーシャルメディアの利用者の約半分(45%から59%)が、「SNSでの他人の幸せ自慢に精神的被害を受けている」という事実が明らかになりました。
SNSでは、自己顕示欲の強い利用者同士が「幸せ自慢」をし合って、いかに自分が目立てるかを競うという文化があります。
そのような文化があるSNSへ突撃するということは、つまり、他人の幸せ自慢を目の当たりにして不幸になり、自分自身も応戦して幸せ自慢をして、果てしなく戦い続けることを意味しています。そのような自慢の応酬の果てにあるものは、疲れ切った精神のみでしょう。
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