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1年間は国へ帰れない、遠洋マグロ漁の4つの超ブラック要素

 

いったん海へ出たら、約1年間もひたすら船の上でマグロ漁を続けるという「遠洋マグロ漁」の激務さ・ブラックさについて調査したので分かったことを報告します。

 

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遠洋マグロ漁の、4つの超ブラック要素

1「マグロ漁のためにいったん海へ出たら、1年間は陸へ帰れない」

  • 大西洋
  • 地中海
  • オーストラリア沖
  • ニュージーランド沖
  • 南アフリカ沖

などが、遠洋延縄マグロ漁での主な漁場

遠洋延縄マグロ漁では、船で世界中の海を移動しながら、各地でマグロ漁を行います。

遠洋延縄マグロ漁は、1回の航海日数が平均して380日であり、

航海中、約3ヶ月に一度の外国の港への寄港(船の燃料補給と、船員の休養が目的)を除いて、

いったんマグロ漁のために出港すると約1年は本国へ帰ることができません。




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2「船上でのマグロ漁の労働は、過酷を極める」

  • 海中のマグロを捕獲するための延縄(はえなわ、1条の長い幹縄に、適当な間隔を置いて多くの釣糸を取り付け、それぞれに鉤(はり)をつけたもの)は、
    それにエサを仕掛けて海中に仕込むまでに、約5時間はかかる
  • 海中に仕込んでおいた延縄を回収して、延縄にかかったマグロを確保して冷凍保存するまでに、約12時間はかかる
    • かかったマグロのそれぞれの体長を測り、そのデータを記録し、
      マグロのエラ・尾・ヒレ・ハラワタの切除と、マグロを冷凍庫へ搬入することが、主な作業
  • 以上のことがらから、1日の労働時間が15時間~20時間程度に達することが普通

参考:延縄マグロ漁の図

 

 

 

 

3「マグロ漁の労働内容も非常に危険」

  • 「超高重量の、海中の延縄」を回収するためにウィンチ(巻き揚げ機)を利用するが、
    高速で巻き上げられる縄にうっかり巻き込まれると、指や手足を切断されることがある
  • 延縄に多量に仕掛けられた太くて鋭い鉤(はり)が、延縄を海に落とす際に乗組員の身体に刺さることが多く、
    運悪く首などに刺さると致命傷を負うし、そうでなくても軽傷・重傷を負う
  • 急速冷凍用の冷凍庫から保存用冷凍庫へマグロを移動させる際に、
    船が波で大きく揺れることなどが原因で、積み上げていたガチガチに凍ったマグロ(100kg以上)が自分の方へ崩れ落ちてくる場合がある
  • マグロというなまものを取り扱う業務上、解体中にひんぱんに血しぶきを浴びるので、
    作業環境はかなり不潔であり、そのせいで乗組員達が感染症にかかることも少なくないと考えられる
  • 延縄に、マグロに混ざって、
    体長1m以上のサメ(ヨシキリザメやシュモクザメなど)や、神経毒を持つエイなどの危険生物がかかることも多く、慎重に扱わないと負傷する

基本的に、遠洋マグロ漁船には船医は乗り合わせていません。

しかも、船員が重傷を負ったとしても、時間や燃料のロスを理由にして、わざわざ治療のために陸へと寄港することもありません。

医療の素人である乗組員達が、自己責任のもとに傷を治療するしかありません。

 




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4「たとえ恐くても逃げ出しようが無い、ストレスフルな仕事環境」

  • マグロ漁の航海中の、「はるか沖合のうえで、四方を見渡してもどこにも陸が見えない」という状況は、
    恐くなったり嫌になっても決して陸へ逃げ出せないので、独特の強い圧迫感と恐怖感をひんぱんに覚えることになる
  • 大波によって船全体が激しく上下することが非常に多く、船が転覆しないか不安になる
  • 船内では、
    借金などで生活が困窮してマグロ漁船で働かざるを得なくなったアウトロー系の人達や、
    ろくに日本語を話せない外国人の人達が多い傾向にあるので、人間関係で辛い思いをすることが非常に多くなる

 




遠洋マグロ漁における作業と、遠洋マグロ漁の年収

 

 

遠洋延縄マグロ漁の、主な作業

「投縄(なげなわ)作業」

100キロメートル~200キロメートル程度の長さ(メートルではなく、キロメートル)の幹縄から枝分かれしている、約3000本の大型の釣り針に、それぞれ手作業でエサを仕掛けます。

  • イワシ
  • ムロアジ
  • イカ

などが、代表的なエサです。

投縄作業には、約5時間かかります。




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投縄作業は当番制であり、約3日に1回のペースで自分に順番が回ってきます。

 

 

 

「揚縄(あげなわ)作業」

投縄作業をして海中に延縄を仕掛けた後、3~4時間程度待ってから、揚縄作業を作業員総出で行います。

  1. 船に搭載されているウィンチで、海中から延縄を巻き上げる↓
  2. 釣り針にかかっているマグロを、船員が手作業で針から外す↓
  3. それぞれのマグロの体長を測定し、数字を記録する↓
  4. マグロのエラ・尾・ヒレ・ハラワタを切除する↓
  5. マグロの脊髄に長めの鉄製ピンを刺し、確実に絶命させる↓
  6. 船に搭載されている冷凍庫(約-60℃)へマグロを搬入し、鮮度を保つために急速冷凍する
  7. (急速冷凍後は、別の冷凍庫(約-55℃)へマグロを移し、長期的に冷凍保存する)

揚縄作業は10時間~15時間程度もかかる、過酷な労働です。

延縄漁でクロマグロを漁獲する動画

 

参考:遠洋延縄マグロ漁で主に採れる、マグロの種類

  • クロマグロ(別名ホンマグロ)
    • 高級マグロの中で、代表的な種類がクロマグロ。
      大トロ部分が多く、身に適度な酸味があり旨みが強いことが特徴。
  • ミナミマグロ
    • 高級マグロであり、甘みが強く、万人受けする味をしているマグロ
  • メバチマグロ
    • さっぱりした味をしているマグロ
  • キハダマグロ
    • 上品でクセが無い味わいの赤身が人気を博すマグロ

 

 

 

 

遠洋延縄マグロ漁の年収

船員の種類遠洋延縄マグロ漁の年収
員級B(だいたいの船員がこの種類)288万円~360万円程度
員級A360万円~432万円程度
一等航海士426万円~504万円程度
船長522万円~720万円程度
漁労長648万円~960万円程度

 

 

過去、遠洋延縄マグロ漁は、1年間で1000万円以上稼ぐことができるハイリスクハイリターンの仕事として有名でした。




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しかし、現代では遠洋延縄マグロ漁の年収額は大きく低下しています。

 

その理由は、

  1. 現代ではマグロの養殖技術が発展し、市場でのマグロの流通量が増えたせいで、「マグロ漁」の価値が大きく下落したから
  2. 現代では海外の国でも積極的にマグロ漁を行うようになり、安価な輸入モノのマグロが日本にも普通に流通するようになったから
  3. 低賃金で働く外国人労働者が遠洋延縄マグロ漁に参入するようになったため、日本でのマグロ漁の賃金額が押し下げられるようになったから

の3つが主な理由です。

 

 

 

本記事の遠洋延縄マグロ漁と内容が酷似している漁に、

「ベーリング海でのカニ漁」

があります。

 

ベーリング海でのカニ漁の特徴

  • ベーリング海でのカニ漁は期間が約40日であり、遠洋延縄マグロ漁よりも期間がずっと短い
  • 年収は1500万円以上に達することが多い
  • ただし、
    「低気圧の墓場」と呼ばれるベーリング海で、強風と大波によって荒れ狂った極寒の海で、
    一回につき40時間程度をぶっ通しでカニを取り続けるため、カニ漁に従事する人間達の消耗率と死亡率が高すぎる

 

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