重厚なSFストーリーと高画力で知られている、知る人ぞ知る実力派の漫画家「弐瓶勉(にへい つとむ)」の作品の魅力を解説します。
漫画家・弐瓶勉(にへい つとむ)の作品の魅力
良くも悪くも難解で、玄人受けする作風
- 弐瓶勉の作品は、初回の読了時には「意味がよく分からない」と感じる場合がほとんど
- 初期に発表された「BLAME!」「ABARA」「BIOMEGA」でこの傾向が特に顕著であり、後期に発表された「シドニアの騎士」「人形の国」では内容がかなり分かりやすいように調整されている
- いずれの作品もSF(科学的な空想にもとづいたフィクション)を扱っていて読者に科学方面の素養が求められるうえに、
弐瓶勉作品では作中での重要な用語・現象・作戦上の目的などの解説がごくあっさりとしていて、話がどんどん先へ進んでしまうので読者が置いてけぼりにされやすいから
- 弐瓶勉の作品は、初回の読了後に「考察サイト」「Wikipedia」などを参考にして理解を深めるか、2度3度と読み返して初回時には見逃していた伏線や話の流れなどを再発見する方法がおすすめ
スポンサーリンク
本項目の具体例:漫画「BLAME!(ブラム!)」
世界を統べる超巨大ネットワーク「ネットスフィア」に接続するすべを人類は失い、
都市の治安維持を目的とする自律型兵器群「セーフガード」に人類は不法居住者として認識され、一方的に狩られ続けている。
主人公・霧亥(きりい)は、「ネットスフィア」に正規ユーザーとして接続するための鍵となる生体認証要素・ネット端末遺伝子を保持する人間を探して、広大な都市を何年・何十年・何百年と放浪し続けている。
作中世界の成り立ちや歴史的背景、ストーリー上でキャラ達がどうして今の状況になったのかなどの文章説明が極端に少ないため、非常に分かりにくいのが本作の特徴。
その反面、世界観がとても重厚であり、2度3度と読み返すたびに新しい発見と新たな理解を得られる楽しさが備わっている。
後述する弐瓶勉作品の人気兵器「重力子放射線射出装置」は、本作で霧亥が所持する兵器として初登場した。
劇場版・BLAME!
スポンサーリンク
複数の弐瓶勉作品にまたがって登場する、強い求心力をもつ兵器・存在・物質
- 重力子放射線射出装置(じゅうりょくしほうしゃせんしゃしゅつそうち)
- 弐瓶勉作品の中でも特に人気が高い、作中で最強の威力をもつ究極兵器。
詳しい動作原理はどの作品でも明かされていないが、本兵器から放たれた赤い光線が、射出線上の敵・建物ごと数十kmもの範囲を消滅させる。
- 弐瓶勉作品の中でも特に人気が高い、作中で最強の威力をもつ究極兵器。
- 超構造体
- 極めて硬く、何をしても傷一つつかない物質であり、突破不能の障壁・隔壁として機能する。
唯一、重力子放射線射出装置でのみ破壊することができる。
- 極めて硬く、何をしても傷一つつかない物質であり、突破不能の障壁・隔壁として機能する。
- 奇居子(ガウナ)
- 正体不明の、極めて強靱な生命体。
真空の宇宙空間でも何の問題もなく活動でき、人類文明をたやすく崩壊させるだけの破壊力をもつ宇宙生物。
- 正体不明の、極めて強靱な生命体。
本項目の具体例:漫画「シドニアの騎士」
スポンサーリンク
本作「シドニアの騎士」は弐瓶勉作品の中でも特に有名で人気が高く、また、弐瓶勉作品にまたがって登場する兵器・敵が多い作品。
西暦2371年に奇居子(ガウナ)の群れに地球を惑星規模で壊滅させられて以来、
約1000年もの間、人類の生き残りが地球の代替となる植民星を探して宇宙を旅している、という壮大なストーリー。
ガウナは宇宙の広域にわたって生息しているため、主人公達が搭乗する巨大宇宙船「シドニア」が行く先々でガウナとの交戦になる。
本作では、「理論上では可能かも知れないが、あくまで机上の空論の兵器」とされていて数百年間も研究を続けても実現できなかった夢の兵器・重力子放射線射出装置を、敵であるガウナの生態を応用することでついに完成させ、
ガウナとの最終決戦で重力子放射線射出装置がキーアイテムとなる。
アニメ版・シドニアの騎士
2期までアニメ化され、さらには劇場版によって原作ストーリーを最後まで完走しました。
CGアニメのお手本と呼ぶべきなのが本作で、数少ないCGアニメの大成功作の1つです。
スポンサーリンク
本ブログ推奨の、アニメ見放題サービス
コメント