現代のライトノベル・漫画などのコンテンツから、「ストレス展開」が減ってきている現象の理由を解説します。
ラノベ系コンテンツを筆頭にして、各作品分野からストレス展開が減少している理由
1「作品を売って生き残るために、手段を選んでいられないという状況」
現代ではラノベ・漫画の競合相手がたくさんあり、かなり厳しい
- ソーシャルゲーム
- 動画系サブスクリプションサービス(高品質な深夜アニメが見放題)
- 「YouTuber」「VTuber」が配信する動画
- これらに時間を割いたりお金を落とす消費者が多く、
市場規模が小さいライトノベル系コンテンツ(ラノベ原作の漫画も含む)は、作家側・出版社側共にもはや手段を選んでいられない状況にある
- これらに時間を割いたりお金を落とす消費者が多く、
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昔と今とでは、「読者達が作品に求める要素」が全く違っている
- わかりやすさ
- 読んでいて、手軽に気分良くなれること(たとえば日常系作品のように、頭を使わずにぼんやりと眺めているだけで簡単に癒やされる・気分が良くなること)
- 現代ではこれらの要素が強く求められ、
「独創的な世界観」「いくつもの伏線を張り巡らせた複雑なストーリー」などはあまり求められていない- この理由として、「近年、若者の読解力が低下傾向にある(国際的な学力調査(PISA)でこの傾向が判明している)」「近年、オタク文化が一般化した結果、理解力が低い層もオタク系コンテンツを消費するようになった」などが挙げられる
- 極めて重大な事実として、今の時代の一般的な読者には「ストレス展開」の中で最たるものである鬱展開はほとんど求められていない
- 現代ではこれらの要素が強く求められ、
今は「快勝展開」「わかりやすさ」がウケるのだから、作品でそれを使わない手は無い
- 主人公およびその仲間達が、快勝に次ぐ快勝でどんどん成り上がっていくこと(ストレス展開とはほぼ無縁というストーリー傾向)
- 「よく知られているテンプレ展開・テンプレ設定」が組み合わさった、スムーズに理解できるストーリー内容
- 現代では、ライトノベル系コンテンツ(特に、なろう小説系)では上記のリストのような特徴が備わった作品がウケるため、
小説およびそれが原作の漫画を売れるようにするために、作中からストレス要素(不快な展開や悪い意味での難解さ)を排除することは、至極当然の戦略- ラノベ関連以外の分野でも、現代の一部の漫画分野(モテないオタク男性・人生が上手く行っていない女性を慰撫するタイプの作品分野)では、
すでにストレス展開は極力排除されて、徹底的に主人公を持ち上げるような内容になっている
- ラノベ関連以外の分野でも、現代の一部の漫画分野(モテないオタク男性・人生が上手く行っていない女性を慰撫するタイプの作品分野)では、
- 現代では、ライトノベル系コンテンツ(特に、なろう小説系)では上記のリストのような特徴が備わった作品がウケるため、
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2「現実での生活」が苦しくなっている人が増えており、精神的余裕が少ない状況
- 「雇用の安定性」が失われ、正社員になれずに非正規雇用者にしかなれない人が多くなっていること
- 相次ぐ増税
- 各先進国の中で、日本経済の成長率が群を抜いて低いこと
- 日本で少子高齢化が進行し続け、これからの日本の展望に希望が持てないこと
- たとえば、これらの事情により精神的余裕が少ないため、漫画やアニメでのストレス展開に強い嫌悪感をもよおしやすい
- かつての日本の高度成長期(日本の経済力が右肩上がりだった時期)では「熱血モノ」「根性モノ」の漫画がもてはやされ、
その時々での世相と創作物の内容は、ほぼ連動している
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