サンゴ礁を食害して死滅させてしまう、大型かつ有毒の「オニヒトデ」の特徴を解説します。
「オニヒトデ」が、害悪・やっかいである理由
1「オニヒトデはサンゴを食害し、そのせいで海の生態系に大きな悪影響を及ぼす」
あらゆる種類のサンゴを食害し、サンゴ礁を砂漠化させる
- サンゴの「ポリプ」と呼ばれる柔らかい部分を好んで食べて、それによってサンゴを殺してしまう
- 少数のオニヒトデならば悪影響は小さいものの、何らかの理由でオニヒトデが大発生した場合、サンゴ礁が広範にわたって死滅してしまう
サンゴ礁は海洋生物に不可欠の存在であるため、オニヒトデは駆除対象になっている
- 海水魚の産卵場
- 稚魚が捕食者から身を隠すための、隠れ家
- サンゴ礁はこれらの重要な役割を担っており、大量のオニヒトデによってサンゴ礁が白化(サンゴが骨だけになり、瀕死状態になること)することは海の生態系に非常に大きな悪影響を及ぼしてしまう
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2「大型」かつ「有毒」という生態のせいで、捕食されにくく生存率が高い
オニヒトデの成体は、幅が15~30cmもある
- この大きなサイズのせいで、海中で魚などに捕食されにくく、数が減りにくい
非常に強い毒針で、身体の表面をガードしている
- 海洋生物にも有効の毒針が身体の表側をびっしりと覆っており、そのせいでオニヒトデは捕食されにくい
- 人間がオニヒトデの毒針に触れてしまった場合、(スキューバダイビングなどの際に、オニヒトデと接触する可能性がある)
毒の効果で激痛を覚え、さらにアナフィラキシーショック(抗原抗体反応による急激なショック症状で、血液循環障害・呼吸困難などを起こす)が起こる場合があるため、
そういった意味でもオニヒトデは非常に危険
オニヒトデ対策の、主な駆除の方法
人力による手作業での駆除
オニヒトデにとっての毒物を、ダイバーが手作業でオニヒトデに打ち込む
- 15~18%希酢酸(90%の酢酸を5~6倍に希釈したもの)を海中でオニヒトデに10ml以上注射すれば、オニヒトデの神経が害されてほぼ100%の確率で死ぬため、
オニヒトデの駆除は主にこの手法が用いられている- ハサミなどで身体を切断する方法もあるが、オニヒトデを含むヒトデ類には再生能力があり、半端な切断の仕方では再生してしまうため、この方法は確実ではない
- 「海中でオニヒトデを捕獲して陸揚げし、土に埋めて殺す・畑の土中に埋めて肥料にする」という旧来の高負担の駆除方法よりも、はるかに低コストで駆除できる
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オニヒトデに、海中で希釈酢酸を打ち込んで駆除する様子
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