海中や浜辺で青白く幻想的に発光する「ウミホタル」という微小生物について解説します。
ウミホタルが光る仕組みと、発光する理由
ウミホタルが光る仕組み
ルシフェラーゼ
- ルシフェラーゼとは酵素(こうそ)の一種であり、「ルシフェリン」と酸素を化合させることを大幅に促進させる効果がある
- 酵素とは、生物の細胞内で合成され、消化・呼吸など生体内で行われるほとんどすべての化学反応の触媒となる高分子化合物の総称
- ウミホタルはルシフェラーゼを体内で分泌し、海水中にルシフェラーゼを放出する
ルシフェリン
- ルシフェリンはウミホタルが分泌する発光物質であり、海水中の酸素によってルシフェリンが酸化されることで青白く発光する
- 上記の「ルシフェラーゼ」によって、ルシフェリンの酸化が促進される
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発光する理由は、捕食者への威嚇がメイン
- ウミホタルを捕食しようとする海洋生物を、発光現象によって驚かせて退かせる
- この威嚇行為が、ウミホタルが発光することの主な理由とされている
- 発光することによって、同種のウミホタルに「捕食者が近くにいること」を知らせる効果がある
- オスのウミホタルが発光することが、メスのウミホタルへの求愛行動になっている
ウミホタルの観察動画
参考:「ウミホタル」という生物の概要
ウミホタルの、主な生態
- 成虫は3.2~3.5mmであり、それなりに大きくて肉眼ではっきりと確認できる
(ミジンコを巨大化させたような見た目をしている) - 本記事で解説したように、ウミホタルはルシフェリン-ルシフェラーゼ反応で海水中で青白く発光する
- 魚の死骸を食糧としているが、生きた生物も好物であり、生きたイソメやゴカイを捕食しようとすることも多い
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「夜光虫」は、ウミホタルとは別物
- 夜光虫=ウミホタルと思われやすいものの、夜光虫は海洋プランクトンであり、甲殻類であるウミホタルとは別種
- 夜光虫もウミホタルと同様に、ルシフェリン-ルシフェラーゼ反応で海水中で青白く発光する
- 夜光虫が大発生すると「赤潮」という状況になり、
膨大な量の夜光虫により海の表面が赤くなり、魚介類の養殖に致命的なダメージを与えることが多い(海水中の酸素を大量消費して魚介類を酸欠状態にしてしまう)ため危険
夜光虫が、刺激で発光する様子
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