社会で「必要悪」と認定されるもの・状況の、その主なパターン・種類を解説します。
社会において「必要悪」と見なされるもの・状況の、主なパターン
1「その「小さな悪」が存在するおかげで、「大きな悪」が抑制される状況」
- その「小さな悪」があくまで合法的に、「倫理的にグレーゾーンな需要」を満たすサービス・製品を提供してくれる
- その「小さな悪」が支配的な地位に就いているおかげで、「大きな悪」が繁栄する余地が無かったり行動が大幅に制限されて、結果的に平和がもたらされる
- これらの好ましい状況がもたらされるため、「小さな悪」が抑止力として役割を任されて社会での存在を許容されるパターン
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本項目の具体例:死刑・禁固刑などの、刑罰
捕らえられて抵抗できない者に対して、死刑・監獄の中での長期的な禁固の強制といった行動を為すことは明らかに「暴力」ではあるものの、
・その「暴力」をみんなが恐れるため、大半の人が犯罪を控えるようになり、それによって社会の秩序が保たれる
・みんなが犯罪を控えているのに、犯罪者がまったくのおとがめ無しでは、示しがつかないため、みんなが納得するためにも何らかの刑罰を受けさせることが必要
これらの事情により、刑罰が必要悪として社会で許容されている。
2「平和・安全などの大事なものを実現させるために、必要な犠牲とされるもの」
- 一部の人達や動物などに苦痛・犠牲を強いるものの、その結果、非常に重要な情報・知見がもたらされる
- 倫理的・心情的な観点ではすっきりしない手段であっても、その手段を使えば大きな問題を効率的に解決できる
- これらのように、大事な目的を達成するための必要な犠牲を、必要悪と見なすパターン
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本項目の具体例:犯罪捜査における、司法取引
組織的な犯罪グループの末端構成員を逮捕し、検察と被告の間で「犯罪グループの内情を話して捜査に協力すれば、罪を軽くする」という取引(これが司法取引)を交わし、
犯罪捜査に必要な情報を効率的に得る手段。
犯罪者であるなら罪の内容に応じた刑罰を受けるべきではあるものの、巨悪を素早く潰すには司法取引はかなり効果的な手段であるため、
「小さな悪に、ある程度目をつぶること」は必要悪と見なされることが多い。
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