1990年代に日本でバブル崩壊が起こった後、日本が大量の不良債権を処理した方法・やり方を解説します。
日本でバブル崩壊が起こった後、不良債権を処理した方法
1「弱った銀行が大手銀行に吸収合併されるなど、銀行の統廃合」
- バブル崩壊によって生じた大量の不良債権を処理するために、多数の銀行が経営難におちいった
- 「貸与した資金の回収が、絶望的な融資先」はこれ以上回収のために時間と手間をかけても無駄でしかないため、銀行側の損失を確定させてそれで処理を終わらせるしかないから
- 不良債権処理によるダメージで経営破綻する銀行(北海道拓殖銀や日本長期信用銀など)と、
合併して経営統合する銀行(第一勧業銀と富士銀と日本興業銀が合併し、それが後の”みずほ銀行”)が出る
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2「政府による公的資金(税金)の注入と、大手銀行の救済」
破綻した住専に公的資金を投入し、いったんの清算をする
- 住宅金融専門会社(個人向けの住宅ローン会社のこと、通称・住専)が7社破綻し、日本政府は6850億円の公的資金を注入してひとまずの清算をした
- 破綻した住専7社が抱えていた不良債権は、住宅金融債権管理機構(1996年設立)に回され、その不良債権処理専門の機関によって時間をかけて不良債権の買い取り・融資金の回収が進められていく
大手銀に公的資金を投入して経営の救済をする
- バブル崩壊後、日本の大手銀行に合計で約10兆円の公的資金を注入し、救済する
- 2002年には、銀行が保有している株式を日本銀行が買い取る(銀行が株式を売却すると、株価が下落して株式市場に悪影響を及ぼすため)という形で銀行に対する援助がなされた
できる限り政策金利を引き下げ、お金を借りやすい状況へ誘導する
- 日本銀行が、公定歩合(一国の中央銀行が市中の金融機関への貸出に適用する金利)を0.5%という異例の低金利に設定し、それによって日本の金回りを良くしようとした
- 2013年からは日本銀行による異次元緩和がスタートし、資金供給量を大幅に増やしてデフレ状態からの脱却を目指した
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日本でのバブル崩壊による不良債権は、その大部分は各銀行が自身の財務体力を消費する形で処理されましたが、(合計約100兆円の不良債権が各銀行によって処理された)
銀行側:不良債権処理で大変であるため、貸し渋り(銀行など金融機関が貸し出しに慎重な態度をとること)の方向へかたむく
企業側:バブル崩壊後の不況下で自己の会社を存続させるため、大規模なリストラをしたり、新規採用の人数を大幅に絞る
一般国民側:銀行からお金を借りにくくなったり(起業や大きな買い物が困難になる)、就職難におちいる
これらの事情が複合して日本の景気は大きく冷え込み、長期的なデフレーション(物価水準の下落)におちいることになります。
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