人間がもつ5段階の欲求の中で、最高の段階である「自己実現の欲求」の欲求内容や、自己実現の段階へ至った人間がもつようになる特徴について調査したので分かったことを報告します。
「自己実現」の段階にある人間の行動
- 「自分の中にある可能性」を探し続ける
- 発見した「自分の中にある可能性」を拡張し続ける
- 自分がもっている、自分ならではの能力・個性・才能を実際に発揮し続ける
- 「本来の自分」になるべく、人前での演技や虚飾をしないようになる
- 勉強・仕事・趣味といった日常でのあらゆる行動が、自分の中の可能性の発見・開発・発揮のためのものになるようになる
参考:「自己実現」の語源
アメリカの心理学者・マズロー(A. Maslow1908~1970)が人間の欲求を5段階に分け、
5段階の中で最も高次元な欲求を「自己実現」と名付け、この自己実現の段階を重視した。
マズローの自己実現理論は、今日においても教育学や経営学でひんぱんに引用されている。
自己実現の段階にある人間がもつようになる特徴
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自己実現をしている最中の人間は、一言で言うと
「他人や社会の状態に一喜一憂しなくなり、超然とした態度で、黙々と自分の可能性を追求し続けている」
という状態になります。
- 「課題中心的な行動・態度・思考になる」
- 自身が取り組んでいる分野の課題をこなすことや、社会問題や倫理問題を解決しようとすることを中心に行動するようになる
- 「高度な自発性を発揮するようになる」
- 自分の頭で考え、自分から動こうとする。
他者からの人気を狙うために動くのではなく、自分自身が動きたいから動くことが特徴的。
- 自分の頭で考え、自分から動こうとする。
- 「孤独でいても平気になる」
- 他人からすれば超然とした態度を取っているように見える。孤独やプライバシーを好むようになる。
- 「現実をより正確に認識できるようになる」
- 現実を認識する際に、願望・恐怖・期待などといった認知のゆがみを引き起こす感覚を介在させないようになり、ありのままの現実を認識できる
- 「創造性を発揮するようになる」
- 小さな子どものように、独創的な考え方をするようになり、しばしば発明の才能も発現させる
- 「独特のユーモアセンスをもつようになる」
- 他人をバカにして笑いを誘うような悪意のあるユーモアではなく、哲学的で特定のテーマを含んだユーモアセンスをもつようになる
- 「既存の文化から独立しようとする」
- 自分の能力を頼りにし、既存の文化や、なれ合い目的の人間関係に依存せずに独立しようとしている
- 「既存の文化に組み込まれることに抵抗するようになる」
- 自分が自身へ課した規則に従っているため、社会の文化に迎合することを良しとしない
- 「人々への愛をもつようになる」
- 人類の愚かしさを十分に感じ取りつつも、それと同時に、人々を助けたい・良い方向へ導きたい、という愛をもつ
- 「はっきりとしていて強い倫理観をもつようになる」
- 明確な道徳観・倫理観をもつようになり、悪いことを行わないようになる
- 「自己や他者や世界の在り方について、あるがままを受け入れられるようになる」
- 自己や他者や世界がたとえ醜い部分や悪性を含んでいたとしても、それを「そういうものだ」と抵抗なく受け入れることができる
- 「神秘的な、至高の体験をすることが多くなる」
- その物事やこの世界の様相に対して、驚き・感動・畏敬の念といった至高の感覚を覚える神秘的な体験を日常で繰り返すようになる
- 「物事に対する認識が常に新鮮になる」
- その物事や世界の様相に対して、新発見や新感覚を日常の中で繰り返すようになる
- 「気が合う少数の仲間と交友を持つようになる」
- ごく少数の仲間に深い親愛の情を向けている。
多数の友人達との広く浅いという交友形態は好まないようになる。
- ごく少数の仲間に深い親愛の情を向けている。
自己実現のステージへ至るまでの、5段階
第1段階「生理的欲求」
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食事・睡眠・排泄などの生理的で原始的な欲求。欲求の5段階の中で最も低次元。
この段階の欲求が満たされると、次の第2段階へと欲求がシフトする。
第2段階「安全の欲求」
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事故に遭わないことや、他者から襲撃を受けないことや、病気にならないことや、経済的に安定していることなど、安全を求めている欲求段階。
この段階の欲求が満たされると、次の第3段階へと欲求がシフトする。
第3段階「社会へ所属することの欲求」
「社会に所属でき、社会において自分が果たせる役割があること」を求める欲求段階。
また、他者から必要とされ、愛されることをも求める。
この段階の欲求が満たされると、次の第4段階へと欲求がシフトする。
第4段階「承認欲求」
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他者からの注目・賞賛・尊敬・高い地位に就くことで満たされるレベルの承認欲求
自立性・自己信頼感・自己肯定感・自身が高度な能力や技術を保持していることなどで満たされるレベルの承認欲求
この段階の欲求が満たされると、最後の第5段階「自己実現」へと欲求がシフトする。
最後の第5段階「自己実現」へ到達するためには、
- 「自分という人間がもっている可能性」の種類を、これまでの人生での経験則や試行錯誤によって発見・把握できること
- ある程度以上まで能力を引き上げ、そのことによって多くの他者に認められて承認欲求を満たしたり、自分で自分の能力をしっかり肯定することができること
- 孤独に耐えられるように、メンタルが強い
といった要素が必要になり、ある程度の能力の高さや運の良さやメンタルの強さが要求されます。
自己実現の理論を提唱した心理学者・マズローは、晩年に、第5段階「自己実現」のさらに次の段階である「自己超越」の段階があると発表しました。
- 「在ること」 (Being) の世界について、よく知っている
- 「在ること」 (Being) のレベルにおいて生きている
- 統合された意識を持つ
- 落ち着いていて、瞑想的な認知をする
- 深い洞察を得た経験が、今までにある
- 他者の不幸に罪悪感を抱く
- 創造的である
- 謙虚である
- 聡明である
- 多視点的な思考ができる
- 外見は普通である
自己超越の段階にある人間(「超越者」と名付けられている)は、全人口の2%しかいないと言われています。
また、子どもの段階では自己超越の段階には到達できないとも言及されています。
自己超越の段階では、自身のエゴや自身のやりたいことを超えた、
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「これまで開発し続けてきた能力を自分用だけではなく、他者や社会のためにも役立てて、それらの発展に貢献したい」
という欲求に突き動かされるようになり、
哲学的・宗教的な意味合いを帯びた思想と動機にもとづいて行動するようになると言われています。
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