「魅力的な世界観」をもつゲームや漫画や小説などの作品に共通している特徴について調査したので分かったことを報告します。
世界観が良い作品の、3つの特徴
1「その世界独自のルールで、作品世界が回っていること」
- はるか天空に浮かんでいる城・国・大陸が物語の舞台
- 未来の世界であり、人間のほとんどが機械の身体になっていたり、脳の一部をコンピューターと融合させてオンラインネットワークと同期させていること
- ある特定の種族と、人間という種族の、種族間抗争が何十年間もずっと続いている
- 魔法を使える才能を生まれ持った人達と、魔法の才能が無い人達とでは、それぞれの社会的地位や経済状況がまったく違っている世界
などがその世界独自のルールの例
「その世界独自のルールで、作品世界が回っていること」は、作品の世界観が魅力的であるための最重要要素です。
多くの人達が憧れたり興味を抱くようなタイプのルールである必要があります。
2「その世界独自のルールにもとづいた、独特の文化や国の歴史があること」
- 人々の生活や考え方から生じる、人々の文化・慣習
- その社会の、経済や軍事や教育などの社会制度
- その国がたどってきた歴史
これらが、現実の世界のそれとは大きく違っていることが魅力的な世界観の条件
人々の文化や社会制度や国の歴史が現実世界のそれとほぼ同じなのに、まるで取って付けたようにその世界独自のルールが存在している、
という作品は珍しくありません。
魅力的な世界観を期待して作品を鑑賞している人達からすれば、これでは「世界観の作りが雑で手抜き」と落胆してしまいます。
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3「その作品世界の居心地が、良いこと」
- その世界の時間の流れがなんだかゆるやかな感じで、気持ちが落ち着く
- その世界の人々が善良な人間ばかりなので、その世界へ移り住みたくなる
- 恐怖と焦燥感に支配されている世界であり、そのダークな雰囲気が何とも言えずクセになる
- その世界で美しい自然風景が広がっていたり、現実世界には無いオリジナルで特殊な自然現象がある
- 街並みや人々の生活態度がおしゃれであり、その世界の雰囲気が洗練されている
などが、作品世界の居心地が良い例
残念ながら、世界観が良い作品を探し出すことはかなり困難
世界観が良い作品を探し出すことが困難である理由
- たいていの消費者達は「その作品における世界観の良さ」をあまり重視していないため、
作品上で世界観の描写に力が入れられることはレアケースだから- いちいちストーリー進行をストップさせて作品世界の様子を描写することよりも、テンポ良くストーリーが進んだりキャラ達が勢いよく動いていた方が好ましいと感じるから
- 人々の常識から大きく逸脱した特殊な世界観は、「よく分からない」とマイナス評価を受けることがほとんどだから
- 「その作品の世界構造を理解して、しみじみと世界観を味わう」という玄人好みの楽しみ方は、たいていの消費者達にはよく理解できないから
作品上で、その作品の世界観を詳細に描写することは、
例えるならば、「旅行中の人が足を止めて周りの景色を時間をかけて眺めること」です。
じっくりと景色を眺めている間はストーリー進行やキャラ達の動きが停止してしまうので、
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多くの消費者達はそのことを「つまらない」「退屈」と感じてしまいます。
週刊の漫画連載や隔週の漫画連載などでは、ストーリーの面白さ・ストーリーの勢いがその漫画の読者人気の可否(不人気状態が続くと、連載の打ち切りが決定してしまう)を大きく左右するため、
週刊連載漫画や隔週連載漫画では、じっくりと世界観を描写することは相当に困難であると考えられます。
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「世界観が良い作品」が多い作品分野
「ゲーム」
- 美しい街並み・自然風景・ダンジョンや城などの構造物をCGで表現している
- それぞれに独特の文化を備えた街
- 通常世界とはがらりと雰囲気が変わった異世界(魔界や異次元世界など)
- ゲーム世界への没入感を手助けするBGM
- その作品世界の雰囲気にフィットするようにデフォルメされた姿のキャラクター達
などが、ゲームの世界観を良いものにしている要素
ゲームの中でも特に、
RPGや、ギャルゲームを始めとしたノベルゲーム(週刊連載などと違って、長文でじっくりと世界観を描写することができる)で、世界観が良い作品が多いです。
「小説」
- もともと小説は、文字による文章で想像力をかき立てさせて作品世界を表現する作品であるので、その事情から世界観の表現に注力した作品が多い
- 文芸雑誌に連載していた小説を単行本にまとめたもの以外に、完結した作品単体を発売する小説が多いので、じっくりと世界観を描写した小説が多い傾向がある
「漫画」
- 漫画のストーリーよりも、独自の文化や自然法則による世界観の構築と描写・おしゃれさに力を入れている作品もそれなりの数が存在している
- 漫画作者の絵柄やキャラクターのセリフ回しが非常に独特な作品は「○○ワールド(○○の部分は作者の名字・名前)」と呼ばれ、魅力的な世界観の作品になっている
「アニメ」は、漫画原作であるものが大部分を占めているため、
「魅力的な世界観を備えた漫画作品」が原作のアニメ作品は、原作と同様に魅力的な世界観のアニメになります。
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「世界観が良い作品」が少ない作品分野
「映画」
1時間半程度という短い時間では、じっくりと作品世界を描写することには無理があります。
とはいえ、たとえば「ターミネーターシリーズ」のようなシリーズものになるほど人気の映画作品は、優れた世界観を備えているものが多いようです。
「音楽」
- 歌詞の言葉選びが独特の歌手
- ボイスが非常に独特だったり個性的で魅力的であるので、その歌手の楽曲にはっきりとした個性を感じる
- 特定のジャンル(たとえば、ゴスロリ風や民族音楽風など)に特化している歌手
上記のような歌手に的を絞って探せば、世界観が良い楽曲を見つけることは可能です。
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