医学部医学科において勉強している医学生達が、日々の膨大な学習量に加えて、部活動まで真剣にこなしている、という傾向について調査したので分かったことを報告します。
医学科は憶える知識量と毎日の勉強量が異常
- とにかく、暗記する量が多すぎる。あまりにも多すぎる。
- テストの回数が多すぎる
- テスト前には1日10時間以上勉強する日々が続く
- 「専門科目」の単位を1つでも落とすとそれだけで留年になってしまうので、
「専門科目」に対するプレッシャーがキツすぎる - 講義用の教科書となるテキストは非常に分厚くてしかも分かりづらい
- 講義のスケジュールが過密で、他の学部の大学生のように遊び回ることはとうていできない
年次とともに大変さが変化する医学科
1年次
ほとんどの医学科では「教養課程」なので、全然楽。教養課程では、他の学部と共通した内容(英語や経済や物理など)の講義を受ける。
2年次
スポンサーリンク
「基礎医学」を学ぶ。初見で聞き慣れない単語を大量に叩き込まれる時期なので、基礎医学を学ぶ期間が最も辛いと感じる医学生が多い。
また、「解剖実習」がスタートする。それぞれの実習内容についてレポートの作成課題がある。
3年次
「臨床科目」が始まる。だいたい2週間に1度のペースでテストがある。1つのテストにつきテスト範囲は100ページから200ページ程度となり、これを完全に暗記するのは不可能なので、過去問を入手して傾向対策をすることが肝要である。
学科での勉強の忙しさがピークに達する。
スポンサーリンク
4年次
「CBT」と「OSCE」という2つの関門のテストがある。
CBTで合格しないことには5年次へ進めない。CBTのテスト内容は「センター試験」の雰囲気と似ている。
スポンサーリンク
試験範囲は、これまでに学んだ基礎医学と臨床医学の全て。
OSCEは「針の縫い方」「聴診器の当て方」といった実技試験。
5年次と6年次
大学での講義は無くなり、代わりに病院へ移っての実地研修となる。
実際に患者を1~2人担当し、診察をしたりカルテを書いたりして、医者としての活動を始める。
病院での実習は6年次の夏まで続き、6年次の最後には「医師国家試験」が待ち構えている。
合格率は90%程度と言われているが、それはここまで耐え抜いてきた優秀な医学生達が必死に国家試験対策をするからであって、決して簡単な試験ではない。
これだけの勉強量と並行して、部活動も必須
- だいたい9割近くの医学生がなんらかの部活(サークルではない)に所属して、真剣に活動をしている
- 医学部のキャンパスは他の学部のそれとは違っているため、医学部の部活はほぼ医学生のみで構成されている
- 「医学生は志が高くて、何事も本気で取り組む」「部活に所属すると先輩から過去問や試験の傾向対策情報が得られやすい」
といった事情から、みんな部活へ所属するようになる
スポンサーリンク
医学部での部活は「サッカー」「テニス」「野球」といった運動系と、「写真部」「美術部」「軽音部」「管弦楽部」のような文化系に分かれていて、総数は30から40程度の数があり、他の学部の部活と種類はほぼ同じです。
「サークル」が軽いノリで楽しむ集団なのに対し、「部活」は週に3~5回程度行われ参加も義務であったりと、より真剣な取り組み方をします。
部活へ所属するかしないかは自由ですが、医学科の学生の9割近くが部活へ所属していることと、部活に入らないと過去問の入手が難しくなり講義の単位取得も困難になってしまうので、実質的には部活へ入るのは必須であるようです。
医学科での勉強についていけずに脱落したエリート達
- 講義の進行ペースについていけずに単位を落としまくって留年し、医学の道を諦めて退学
- 医学科の中で孤立してしまって、過去問などの入手ができずに単位を落としまくって退学。(※医学部は2留年までしか許されず、同学年での3留目は強制退学)
孤独という状況自体にメンタルをやられて退学する人も珍しくない。 - 解剖実習で、人体の生々しさに耐えきれずに退学
- 「自分は勉強はできるが、人を救いたいという精神面での医師の才能は無かった」と感じて退学
本ブログ推奨の、書籍や漫画の読み放題サービス
コメント