今の日本で、どんな種類の格差が起こっていて、そして格差が進行し続けると、最終的に社会はどうなるのかということについて調査したので分かったことを報告します。
現代社会でよく問題視される、4種類の格差
1.正規雇用と非正規雇用の格差
年収や福利厚生やキャリアの積み重ねがそれぞれ違う正社員と派遣社員・契約社員に雇用が二分化されている事が社会問題となっている。
国は正社員の給料・待遇を非正規並に落とそうとしており、企業も正社員雇用を次々と減らして非正規社員に置き換えようとしている。
2.老人と若者の経済&政策格差
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- 29歳以下…255万円
- 30~39歳…666万円
- 40~49歳…1024万円
- 50~59歳…1751万円
- 60~69歳…2402万円
- 70歳以上…2389万円
- 全年齢での平均貯蓄額は「1805万円」
(総務省による、2人以上の世帯を対象にした「2015年家計調査」)
平均貯蓄額を超えるのは「60歳~70歳以上」の年代のみで、全年齢の約2/3が平均を下回っている。高年齢者に貯蓄が集中しているという事実が明らかになった。
日本の富の大部分を老人が占有している、という貯蓄格差が問題視されている。
日本の富の総量は変わらないので、老人に独占固定された大部分の富以外の、わずかなお金を若者間で回さざるを得ないので、必然的に社会全体の経済活動が冷え込む。
さらに、少子高齢化で老人が増え続けるので、選挙で票が欲しい各種政党はこぞって老人優遇政策をアピールして、その割を食う形で若者が冷遇され続け(これを「シルバー民主主義」という)、
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長い目で見れば国が滅びの道を歩んでいるのは明らかなのに少子高齢という社会構造のせいで誰にも止められない、という現象が起こっている。
3.教育格差
裕福で高学歴な両親のもとに生まれた子どもは勉強のノウハウを心得た親の教育方針のもと、塾通いや私立学校への入学などで将来に高学歴となり、裕福になる。
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貧困層は勉強ができないことが多く、そのような親のもとに生まれた子どもは勉学について有用な教育を受けられず、教育費もかけられないため、将来に低学歴で貧困になり、親の代からの負の連鎖が続く。
4.恋愛格差
恋愛にはとにかく出費がつきまとうので、お金に余裕の無い人達は恋愛ができないし、恋愛は他の娯楽よりもずっとハードルが高いので興味も向かない。
一部の、恋の百戦錬磨の恋愛強者達が異性を独占し、彼らばかりが得をするという恋愛格差が起きている。
「格差」が極まった先に待つ3つの末路
1.初期の格差は、以後ますます格差を大きくしてしまう
「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる」という趣旨の言葉が新約聖書に記されていますが、格差の問題の本質はつまるところ、この一言に集約されます。
富める者側に資本やチャンスや情報が吸い寄せられ続け、富める者はますます裕福になっていき、貧しき者は富める者達に栄養素を奪い去られたスカスカの世界でなすすべ無くどんどんやせ細っていく。
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上記の現象が無限に繰り返されると、おのずと今の世界の状態のような富の一極集中という結果へと収束します。
2.格差は社会の治安を悪化させる
同じ人間なのに、裕福な人間と貧しい人間で天地の差が生まれるのが格差社会の特徴です。
社会の大多数を占める貧しい側の人間達に不満が蓄積し、強奪や暴行のような犯罪、革命のような反社会的運動が起こりやすくなります。
それに加えて、生まれたときからの格差に絶望して多くの人が努力を放棄する、という事も起こります。格差のせいで社会全体が不穏な雰囲気になっていきます。
3.格差が進むと最終的に金持ちも貧乏人も共に死ぬ
意外かもしれませんが、格差が煮詰まると、最終的に勝ち組も負け組も共に死にます。
社会で消費と生産をになうのは主に一般庶民なのですが、格差のせいで彼らにお金が回らず消費と生産ができなくなるのでその国の経済活動が滞り、最後に社会が破綻します。
この項目の説明を人体に例えるならば、富裕層が頭、それ以外の庶民が首から下の身体、という構造になります。
リーダーである頭ばかりに血(お金)が集まり、身体に全く血がめぐらないと、まず先に身体が壊死します。そして、残された頭だけではどうにもならず、頭の方も時間差をおいていっしょに死ぬ、という事が起こります。
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著書「21世紀の資本」で格差の危険を訴えるピケティ氏
- 現在、アメリカ・欧州各国・日本などでは、所得最上位層10%の所得額が、国民の総所得の大きな割合を占めている
- 日本では上位10%の所得額が、国民の全所得額の40%を占めている
- 国の経済成長が鈍化していると、低所得層は、格差による不平等さを実感できてしまい、社会が不穏化する
- 低所得層の税率を下げて、社会を活性化させるべき
- 資本所得の増加率は、労働所得の増加率を上回る。勤労や努力で資本家に勝つことは難しい
ピケティ氏が過去の経済動向と歴史の関係性を精査したところ、「資本主義の社会では富の一極集中が起こり、格差がますます進む」という結果が出た。
格差が一時的に壊れるのは戦争時のような社会がひっくり返る時のみであり、それ以外の平常時には、資本主義社会下では格差が広がる一方、という、それまでの「資本主義社会では平等な競争が行われる」という常識をくつがえす驚愕の事実が判明した。
なぜ金持ちがますます金持ちになるかというと、「資産を貸し出す事で、資産の所有権を保持しつつ、利潤を得られる」ため。
例えば、金持ちが1億円分の株券を購入(=1億円を会社に貸し出す)すると、1億円分の株券を保持しつつ、1億円の2~5%程度の配当金を定期的に得られるようになる。
株価の上下や配当率の上下を抜きにして単純化して解説すると、1億円という資産(1億円分の株券は売却することで現金の1億円前後に戻すことができる)に、定期的に200万円~500万円程度のお金が付加されるようになり、ますます資本金が増えるようになる。
格差社会についての、有用なコメント
教育費の高騰で、お金が無い貧困層が上の階級へ移動することが無理になりつつある。
高校までの教育の無償化などを進めていかないと格差が進む一方だよ。
そういう完璧な条件の人には、素質と環境がダメな人がいくら努力しても勝ちようがない。
東京大学の学生が「親もそのほとんどが東大卒で、高年収で、子どもを素晴らしい塾に通わせる」と明かした。
遺伝的・環境的格差が強すぎて、下の者は太刀打ちできない。
低学歴親は「勉強を頑張らなくてもこうして生きてこれたから、勉強の大切さは教えなくても良い」と考えるようになる。
育った環境が違うせいで、それぞれの親の教育意識が違いすぎる。
個人の能力差・環境差なんて全部無視して「自己責任!努力が足りない!」ばっかり。
ごく一部の資本家達が、その他大多数の労働者達を奴隷のように扱っていて、搾取し放題だった。
さすがにやりすぎだったので、20世紀になって基本的人権とか労働権という権利が作られて現代に至る。
格差社会を容認するということは、また19世紀の状況へ戻るということを意味する。
それでも、上へ上がるチャンスが用意されている分だけ日本は比較的恵まれている。
これからの世界で勝てる者は、労働以上の効率がある「投資」ができる者。
労働所得(会社やバイト先での労働)の増加率を上回っているのが資本主義の欠点であり、格差を生む元凶になっている。
この状況ではお金をたくさん持つ者にさらにお金が集まり、格差が固定されて、底辺層は犯罪やテロを起こしやすくなるので、社会が不穏なものになっていくので危険。
これが資本主義が行き着く先の末路。
日本ではちっとも問題解決が進まない。
もうこの状況下で、足を引っ張り合ってる場合じゃないだろ。
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