経済制裁の一種「半導体の輸出規制」の、主な効果・目的について解説します。
「半導体の輸出規制」という経済制裁の、主な効果
1「制裁対象国の広範な産業に、深刻なダメージを与えることができる」
- 産業用機械
- ネットワーク機器
- 家電製品
- 自動車
- スマートフォンなどのモバイル機器
- PC
- 一例として、上記のリストのような幅広い産業で半導体が生産のために使われている
- 特に、「AI」「産業用ロボット」のような先進的な分野での研究・開発には高度なタイプの半導体が絶対に必要になるため、
半導体規制で半導体が入手困難になると、規制対象国の国際競争力が低下する大きな要因になる
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本項目の具体例:中国に対する半導体規制
アメリカ主導で、中国に対する半導体輸出の規制が進められている。
経済制裁の理由は、中国の「経済スパイ活動」「一帯一路など、他国を支配下に置こうとする政策」が露骨すぎるため。
先端半導体の製造は、アメリカや台湾などの国の大企業が有している特殊技術が不可欠であり、半導体規制を受けている中国はテック企業を筆頭にして大きな打撃を受けて経済が低迷している。
2「軍拡・侵攻などをする危険な国家の、その軍事力を削ぐことができる」
- ミサイル
- 戦車
- 軍用車両
- 軍事用ドローン
- 一例として、これらの兵器・軍用品の開発には半導体が必須
(仮に半導体が使えない場合、原始的な性能しかない旧世代型兵器しか作れないようになる)- 経済制裁で半導体規制を実施すると、これらの兵器・軍用品を国内でまともに生産できなくなるため、制裁対象国の軍事力を削ぐうえで半導体規制は非常に有効
- 半導体規制を回避するためには、
「友好国から、半導体入りの家電(冷蔵庫など)を輸入して、そこから半導体を入手する」という余計な費用がかかる手段を採らざるを得ないうえに、手に入る半導体の質も制裁前よりはるかに低下することになる
- 一例として、これらの兵器・軍用品の開発には半導体が必須
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本項目の具体例:ロシアに対する半導体規制
西側諸国を中心にして、多数の国家による半導体規制がロシアにかけられている。
経済制裁の理由は、2022年2月に勃発した、ロシアのウクライナへの軍事侵攻。
半導体の輸出を大幅に規制することで、ロシアでの最新軍事兵器の生産を不可にしたりロシアの産業に大きなダメージを与えることが狙い。
ロシアでは深刻な半導体不足が起きており、一例として自動車産業用の半導体が軍事転用されているなど、ロシアの各産業は困窮へ向かっている。
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