経済制裁(条約違反や、不当な軍事侵攻を行った国家に対して、経済面での制裁を加えること)の種類と、
経済制裁をする理由を解説します。
「経済制裁」の、制裁の種類
制裁対象国との輸出入の、その制限あるいは禁止
- 石油や天然ガスなどの天然資源
- 兵器の材料になる部品や、半導体(誘導ミサイルなどの精密兵器に用いられる)
- その他、国民の生活に関わる広範な分野の製品・製品の原材料
- これらの輸出入を制限あるいは禁止する
- 輸出入の価格レートを大幅に引き下げることによって、制裁対象国を困窮させる場合もある
本項目の実例:ロシアへの経済制裁
- 2014年の、不当なクリミア併合
- 2022年の、ウクライナへの不当な軍事侵攻
- これらが原因で、それぞれの年度において、複数の先進国による大規模な経済制裁が実行された
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制裁対象国の金融システム・対外資産に、制限をかける
- 国際的な決済システムを利用できる権利を、はく奪する
- 国際銀行間通信協会(SWIFT)などが代表例
- 為替を制限し、その国の通貨を他国の通貨(米ドルなど)へ引き換えることを禁止する
- 信用供与(金融取引で、自己の財産を他人を信用して一時的に利用させること)の停止
- 制裁対象国が外国に置いてある有形無形の資産を、凍結したり差し押さえる
- 制裁対象国の主要な企業へ投資することを、法的に禁止する
本項目の実例:中国への経済制裁
- 中国当局が、新疆ウイグル自治区の人々のジェノサイド(集団殺戮)・人権侵害を継続的に行っていることを受けて、
経済制裁の一つとして、アメリカが中国のドローン製造大手「DJI」ほか多数の大企業への投資を禁止した
「経済制裁」を行う目的と、経済制裁の効果
「制裁対象の国との戦争」を回避したうえで、かなりの打撃を与えることができる
直接的な武力介入は戦争の引き金になるため、危険が大きすぎる
- 武力介入(軍隊を派遣して、兵器による攻撃を行うこと)は、いろいろと危険が大きすぎる
- 自国の軍隊の兵士の戦死が相次ぐため、人道的な問題が大きすぎる
- 仮に、制裁対象の国が核保有国であった場合、核戦争へ発展する危険性がかなり大きい
経済制裁ならば、直接的な戦争を回避できる
- 経済制裁ならば軍事介入ではないため、ならず者国家の経済と国家体制に安全にダメージを与えることかできる
- 経済制裁の対象になる国は「独裁国家」「旧共産主義圏の国」である場合が多く、
経済制裁で国民の生活を困窮させることによって革命を起こさせて、国の体制を民主化・健全化させることが期待できる
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悪質なならず者国家の反省を促すか、もしくは、長期的に弱体化させることができる
- ならず者国家に課された経済制裁を解除する条件には、「これからは条約を守るようにすること」「侵攻した国へのさまざまな賠償」がほぼ確実に含まれる
- 制裁解除と引き換えに、以後は悪質な行為をしなくなれば、国家間の問題は解決するのでOK
- 改善努力をしなかったり賠償をしない場合は、経済制裁を何年間も続行することで、悪質なならず者国家を国際社会上から追放することができるため、OK
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