努力ができず、目の前の困難からすぐに逃げ出してしまう人の原因と対策を、脳の構造や発達障害などの症状から、できる限り具体的に調べました。
努力できずに、逃げやすい原因
ADHDに代表される「発達障害」を生まれつき抱えている
発達障害の一種であるADHDは、努力できない、思考がまとまらない、あっちこっちへ考えが飛ぶ、などのような症状を呈し、
どうしようもなく努力ができない人はADHDである可能性を疑った方が良いでしょう。
病院の検査で、きちんとした「ADHDの診断書」をもらうことができれば、障がい者手帳の申請ができるようになります。
発達障害の原因はまだ特定されていませんが、「高齢出産」の可能性が高いと疑われており(母親が高齢だと子がダウン症になりやすく、父親が高齢だと子が自閉症になりやすくなるので父親側に発達障害の原因があるらしい)、
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近年の日本で珍しくなくなった「年の差婚・晩婚」の影響で発達障害の子どもが急増している、という説が有力です。
■不注意
注意力を長時間持続させることが苦手で、注意がそれてやるべき事を忘れてしまうことが多い
■多動性
その場でじっと座っていることや、黙っていることが苦手。そわそわと動いてしまう
■衝動性
順番を守れない・怒ると自分を抑えられずに手が出る・思いついたら優先順位を考えずにすぐに行動してしまうなど
その人が生まれ持った脳が「生まれつき努力の苦痛に敏感」であるから
努力ができる人は、上記のように「結果が見えてこない苦しい状況でも希望を見出しやすく、努力による苦痛に脳があまり拒絶反応を起こさない」というタイプの脳を生まれ持っている。
努力ができない人は、ちょうど反対の、「結果が見えてこない苦しい状況で不安や絶望を抱きやすく、努力による苦痛に脳がキリキリと悲鳴を上げやすい」というタイプの脳を生まれ持っている。
ヴァンダービルト大学のマイケル・トレッドウェイが率いる研究チームが、「努力できる人というのは、努力して成功する可能性から快楽を感じ、努力しても無駄だという誘惑の声に惑わされない、という脳の働きをしていること」を解き明かした。
マイケル・トレッドウェイの研究の詳細
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「努力が成功して報酬が得られるかどうか分からない」という不確実な状況下で、
- 努力できる人は、左線条体と前頭前皮質腹内側部のドーパミン活性化が確認された。この状況は、脳が快楽を覚えている状態である。
- 努力できる人は、島皮質のドーパミン活性化に脳があまり反応しないことが確認された。この状況は、脳が、不満の声に鈍感でいられる状態である。
- 努力できない人は、報酬が得られるかどうか分からない不確実な状況では、上記の努力できる人の脳よりも快感を覚えず、さらに不満の声に強く反応してしまう。
目の前の困難からすぐに逃げ出す逃げ癖は「回避性人格障害」かも
「回避性人格障害」とは、自分に自信がもてないせいで、あらゆる挑戦事や人間関係から逃げてしまう人格障害のことです。
自分に自信が無い・どうせ自分なんて…という感覚は、誰でも大なり小なりもっているものですが、「人格障害」とは問題がある性格傾向が病的に強調されたものであり、
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「自信が無い」「自分はふさわしくない」「物事全般から逃げたい」という思いに常にとらわれているタイプの人格障害が回避性人格障害です。
回避性人格障害を抱えていると、努力行為が難しくなるので、心療内科へ通院してカウンセリング治療を受けましょう。
生まれ持った性格型が、努力を嫌うタイプであるから
人間を16種類の性格型のいずれか1つに分類する性格診断テストの「MBTI診断」では、全16種類の中に、競争を好まずにおっとりした性格型、というタイプも存在している。
そのような性格型に該当した場合、生まれつき努力をしたくない性格だとすることができる。
両親の教育の方法によっては、努力できないように育ってしまう
両親が努力の大切さを教えなかったり、子どもに気まぐれな態度で接するせいで子どもが一貫した態度をしないようになったりすると、努力できない子どもが出来上がってしまう。
物心がつく前の幼児期に、育児放棄などで母親と触れ合う機会が少なかったりすると、「他人や物事を信頼して、信じた上で行動する」という行動が取りにくくなる。
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そのせいで、何事も疑う心の癖がついてしまい、努力ができない人間へと育ってしまう。
「努力できないこと」と「発達障害」の関係
近年、社会生活に支障をきたす障害の「発達障害」が広く認知され始めました。
発達障害の症状と努力できないことの間に密接な関係があるので、「異常に努力できない…。病気なの?」と疑っている方は、発達障害を抱えている可能性を考えた方が良いでしょう。
興味の対象を1つに留めておく集中力がいちじるしく欠けているので、努力行為を長時間続けることができない
興味を向ける幅が狭すぎる。ごく少数の興味のあることには異様な集中力を発揮するが、それ以外はからっきし努力できない。さらに、対人コミュニケーション能力もいちじるしく欠ける
発達障害を取り扱う心療内科も近年増加傾向にあり、発達障害の症状を緩和するためのストラテラやコンサータのような薬剤も処方してもらえます。
努力できない人達の悲しみの声
俺にはそのエネルギーが無い。
無能に努力の継続は難しい。
俺たちはその才能が決定的に欠けてるんだよ。
大人になって努力の方法が分からなくてすごく苦労している。
素質の無い人が10時間も毎日努力するのは不可能。
何か1つでも成功体験を積んでみたら。
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まずは物事の原因と結果の因果関係をよく考えよう。
なので、この前提となる努力を続ける才能が無い人は何をやってもダメ。
耐える力・飽きない力は、もうどうしようもなく脳の構造に依存する。
「努力の仕方を学ぶこと」と「集中力を維持する訓練」だったんだな…。
ただそれだけの差でもその後の人生で雲泥の差があるよね。
そこがいつの間にか自分の限界点になっている。
努力できない人が日本で生きづらい理由
忍耐と根性を美徳とする国民性
日本人は耐え忍ぶことを美徳とする国民性をもち、それから生じて「だらだら怠けている人を嫌悪し、南国のような気張らず楽観的な人生を拒絶し、真面目でどこか悲壮的なムードを無意識に好む」という特徴があります。
そういう風潮の前に、努力できない人は嘲笑や叱責の対象にどうしてもならざるを得ません。
「自己責任」という言葉の流行と定着が今の日本を物語る
なぜ日本でこれほどまでに「努力」が信仰されているかというと、
日本人はシステムの観点から問題を解決する能力に欠けるのでどうして良いのか分からず、いきおい「努力!根性!気合い!」という現状維持のまま力押しという単純作戦しか取れない、
という有力な説があります。
問題があるのならみんなで問題解決を考えて問題の根本を消すべきなのに、それができずに「お前の自己責任だ」とその人だけの問題にすり替えようとする現在の日本の風潮は、
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日本人がシステムの観点から問題解決ができない事の証拠であると言えるでしょう。
努力を嫌う若者が増えつつある現代では、以前ほど努力信仰が有効ではなくなってきているので、代わりに自己責任論が台頭してきています。
努力できない人のための救済策
生まれつきや育ちのせいで努力不可の人の場合
無理に努力をして努力の苦痛にもだえ苦しむ人生よりも、いっそ「努力しなくてもどれだけ生きていけるか」という方向を探った方が良いかもしれません。
努力しないので、必然的に上流の人生は無理ですが、日本は生活のためのセーフィーネットが充実しているので、怠け続けていても、死ぬことはあまりないと思われます。
努力できる素養はあるがなまけがちな人の場合
3つか4つ、小さな成功体験を重ねていくと「頑張って成功するのが楽しくなる」ので、それを核にして努力できる習慣を形作っていくのが良いでしょう。1ヶ月も続けられれば、もう習慣化されたといえます。
また、努力を継続するには一般には語られないコツがあるので、以下を参考にして努力を継続していきましょう。
- 目標は小さく、近くに、細かく設定する。大きすぎる目標はやる気が失われるから。
- 好きでもない分野を延々と続けられるほど人は強くない。自分に向いている、限られた分野だけに力を注いで努力しよう。
- 努力の結果はぜひ他人に見てもらおう。モチベーションの維持・増強につながるから。
- 良い道具と良い環境を整えよう。やる気の半分は、道具・環境に左右される。
- 他人に教えてみよう。自分の中で知識が整理され体系化されてより理解が深まるし、教えた人からフィードバックを得て学ぶことも多い。
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