シリア内戦や、イスラム教徒同士の衝突や、クルド人問題など、「中東」という地域で紛争や戦争が多すぎることの原因について調査したので分かったことを報告します。
中東の国々で、やたらと戦争や紛争や内戦が多い理由
予備知識:中東の位置
イランという国と、その近隣の国々を「中東」と呼びます。
中東ではイスラム教徒が「シーア派」と「スンニー派」に分裂して争っている
「シーア派」とは
イスラム教の開祖・ムハンマドの血を継承したムハンマドの子孫をイスラム教の指導者にするべきだと考えている、イスラム教の少数派の一派のこと。
- イラク
- イラン
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「スンニー派」とは
アブー=バクル(イスラム教の初代正統カリフ、カリフとはイスラム教徒の共同体(ウンマ)の政治的支配者のこと)、
ウマル(イスラム教第2代正統カリフ)、
ウスマーン(イスラム教第3代正統カリフ)、
アリー(イスラムの第4代正統カリフ)、
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の4人をムハンマドの正統後継者であると考えている、イスラム教徒の約9割を占める、イスラム教の多数派のこと。
- サウジアラビア
- アフガニスタン
- シリア
- トルコ
近年でも特に悲惨な内戦として名高い「シリア内戦」は、
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シリアの現アサド政権(アサド大統領はアラウィー派であり、アラウィー派は「シーア派」に属している)と、
現アサド政権を打倒しようとする反乱軍(反乱軍は「スンニー派」に属している)とが武力衝突している、
というのが表面上の構造であり、
イスラム教でのシーア派とスンニー派が、自分たちにとっての敵を倒すために戦い合っています。
「中東が、大国同士の代理戦争の場にされてしまっている」
紛争が多い中東の中でも、上記の「シリア内戦」は、大国同士の代理戦争の分かりやすい具体例です。
- ロシア(シリアと友好国)
- イラン
- 中国
- アメリカ(サウジアラビアと友好国)
- サウジアラビア
- イスラエル
- カタール
- トルコ
シリアでの代理戦争の内容は、その大部分がロシア(世界第二位の軍事力がある国家)&中国と、アメリカ(世界第一位の軍事力がある国家)との争いです。
これらの国家がシリアを舞台にして代理戦争を行う主な理由は、
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- 大国が自国内で直接戦争をすると自国の被害が大きすぎるし、状況によっては核戦争や第三次世界大戦へ発展しかねないから
- 代理戦争の結果、自国側が勝つことができれば、敵国への示威行為になるから
- 代理戦争の結果、自国側が勝つことができれば、自国が肩入れした国へ大きな政治的影響を及ぼすことができたり、石油などについての利権を獲得できるから
- シリアの軍隊に武器や兵器を売ればお金が儲かるから
- 大国には「どこかの国と軽く戦争をしたいという欲求」が常にあるから
(大国同士で長期間、緊張関係が高まりすぎると戦争が起きやすくなるので、それを回避するために適度なガス抜きの代理戦争が必要だったり、
実戦を通して自国軍隊の実地訓練をしたり戦場での新しい軍事データを収集したいから)
「中東の大国・イランが数々の問題の種になっている」
- イランは現在、アメリカに「テロ支援国家」の指定を受け、そのせいで世界中の多くの国からイランが敵視されている
- 「テロ支援国家」とは、国際的なテロリズム組織へ金銭や物資を支援している犯罪的国家のこと
- 「テロ支援国家」の指定を受けると、
・他国が、テロ支援国家を経済支援することを規制する
・他国が、テロ支援国家に武器と武器の関連品目を輸出入することを禁止する
・他国が、テロ支援国家の軍事力の向上につながる商品やサービスを輸出入することを禁止する
・他国の金融機関が、テロ支援国家に融資することを禁止する
などの数々の経済制裁を受けることになる
- イランが核開発を進めているので、そのことが中東紛争のさらなる泥沼化や核戦争勃発の可能性を高めてしまっている
アメリカがイランを敵視する理由は、イランの核開発を阻止する目的や、中東での代理戦争でイランが敵側であることもそうですが、
アメリカがイランと戦争をして中東の大国・イランに勝利すれば、中東におけるアメリカの影響力が一気に大きくなることや、
経済的にアメリカと敵対関係にある中国(中国はイランと協力関係にある)にイラン敗北でプレッシャーを与えることができたり、
イランを抑えることでイランから中国への石油輸出(イランはOPEC第2位の石油生産国であるほど、石油量が多い国)に大打撃を与えることができるからです。
「トルコで起こっている、クルド人問題」
- 「クルド人」とは、国を持たない2500万人~3000万人程度の民族で、トルコ・イラン・イラクなどの山岳地帯で生活している
- 歴史上、クルド人はトルコやイラクに何度も厳しい弾圧・迫害を受け、
最も多くのクルド人が住んでいるトルコでは、クルド労働者党(クルド人の独立国家建設を目指す武装組織)がトルコ政府相手に武力衝突を起こしたりして、
クルド労働者党はトルコやアメリカからテロ組織の認定を受けている
「聖地エルサレムをめぐる、イスラエルの問題」
イスラエルの中にあるエルサレム旧市街は、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教それぞれの聖地であるので、
エルサレム旧市街をめぐって宗教的な争いや武力戦争が繰り返されてきました。
- ユダヤ教にとっては、エルサレム旧市街に残されている「嘆きの壁」は、ユダヤ教の律法である旧約聖書のなかでの重大な聖地
- キリスト教にとっては、エルサレム旧市街は、
イエス・キリストが判決を受けた後に十字架を背負って歩んだ道のりである「ヴィア・ドロローサ」、処刑された「ゴルゴタの丘」、その後にキリストが復活したとされる「聖墳墓教会」がある重大な聖地 - イスラム教にとっては、イスラム教の開祖・ムハンマドが昇天の旅を体験した場所に建てられた「岩のドーム」がエルサレム旧市街にあるので、エルサレム旧市街は重大な聖地
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