公立中学や公立高校で見かけることが多かった、不良学生(ネット上では「DQN」と呼ばれることが多い)の、非行行為の理由について調査したので分かったことを報告します。
公立の中学・高校によくいた、不良学生の正体
まず最初に結論を伝えると、
不良学生になってしまう子どもは、子どもの家庭環境にいちじるしい問題を抱えているパターンが非常に多いです。
崩壊した家庭環境の悪影響を受けて、以下のような行動を取るようになります。
1「常に情緒不安定であり、自身の心を制御することが困難」
- 高い衝動性を持ち、容易にキレたりすぐに暴力を振るう
- 「休んで楽をしたい」「(困難な事柄から)逃げたい」といった、楽な方へと流れてしまう気持ちを抑え込むことが困難
- 容易に激怒したり落ち込んだりするせいで、感情の激しい揺れ動きから、精神的に疲弊しやすい
- 慢性的な精神の疲弊のせいで、何らかの建設的な行動を取ることが困難になる
2「内面に強い劣等感を持ち、強い劣等感の裏返しから虚勢を張るようになる」
- これまでの自身の人生において、成功体験が極端に少ないせいで、強い劣等感を抱いている
- 強い劣等感が原因で、
「どうせ自分の人生は、すでに終わっている」と考えて自暴自棄な行動を取るようになったり、
虚勢を張って他者を威嚇(いかく)するような言動をする - 親から虐待を受けていたり、貧困家庭での生活を強いられている場合、他者や世の中への憎悪をつのらせているパターンが多い
3「『知的能力の低さ』に端を発する、共感能力やコミュニケーション能力の低さ」
- コミュニケーション能力が低く、他者達と上手く協調できずに喧嘩などのトラブルを起こしがちになる
- 「客観的に考えて、正しいか、それとも間違っているか」をじっくりと考えることが困難であるため、自身の素行を正したり、他者からの説得を受け入れることが難しい
- 「もしも、暴力を振るわれたり持ち物を盗まれたら、相手はどう感じるだろうか?」と想像することが困難であるため、
自身の行為を反省したり、自己中心的な態度や他罰的な言動を止めることが難しい - 知的能力の低さから、学校での勉強も早々に放棄してしまうことが多い
重度の傷害事件・強盗事件・殺人事件などを起こして少年院に収容された子ども達は、その一定数が、軽度の知的障害を抱えていると言われています。
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他者とのコミュニケーションは、相手の言葉の裏や心中や触れて良いことと触れてはいけないことをリアルタイムで考えていく、高度な知的作業です。
そのため、知的能力がある基準以下であると、他者との話し合いが成り立たなくなり、相手を手っ取り早く従わせるために暴力や暴言に訴えてしまう可能性が高くなります。
子どもが不良化してしまうことの、4つの主要な原因
1「子どもの家庭が、貧困家庭であること」
- 「周りの子ども達はあれこれ買い与えられているのに、自分だけは親に何も買ってもらえない」という強いコンプレックスを形成させる
- 生活に必要な物品や食べ物が不足していることが多いので、そのせいでイライラすることが多くなる
- 「お金が無いせいで、大学へは行けないだろうから、どうせ頑張ったところで自分の人生は良いものには変わらない」と自己の人生を諦め、自暴自棄状態になりやすくなる
などが代表的なもの
家庭が貧困家庭になる原因の多くは、
「夫との離婚や死別による、母子家庭」「親が真面目に働かず、常に職を転々としてる」
といったものです。
2「子どもの家庭が、機能不全家族という状態になっている」
- ネグレクト(育児放棄)
- 親がアルコール依存症やギャンブル依存症になっている
- 家庭内暴力
- 子どもへの虐待
- 親の片方が浮気していて、親同士の仲が険悪なものになっている
- 親の再婚相手から、自身が差別的待遇をされている
- 親が低収入のせいで、生活の困窮や多額の借金
- 以上の事柄により、家庭内で親と子が対立関係になっている
などが、「機能不全家族」の主な特徴
家庭が機能不全家族状態だと、当然、子どもは荒れるので、子どもが不良化することにつながりやすくなります。
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3「生まれつきの遺伝や、精神上の障害のせい」
- 親から遺伝した、性格上の「他者に対して攻撃的な気質」「反社会的な気質」
- 親から遺伝した(もしくは偶然発現した)、発達障害(「ADHD」「自閉症スペクトラム障害」「学習障害」)
- 親からの遺伝や、問題がある家庭環境のせいで発症した人格障害(たとえば、反社会性人格障害や自己愛性人格障害)
- 生まれつき学力が低いせいで学校での勉強についていけない
上記のような性格上の気質や各種の障害や学力の低さによって、学生の集団の中で孤立しやすくなったり、早々に学業からドロップアウトしがちなので、子どもが不良化しやすくなります。
4「両親による、抑圧的で間違った教育」
- 学校の宿題以外に、親が用意した大量の問題集を解くことを子どもに強要する
- 塾通いや習い事を、子どもが求めていないのに強制する
- 子どもの趣味や交友関係を次々と禁止する
- 教育論(たとえば「人として持つべき道徳観念」など)を、過度に子どもに言い聞かせる
- 両親ともに教師というタイプの家庭では、両親は家庭内でも教師として子どもに接してしまうせいで、子どもは性格上の歪みを抱えやすいとされている
子どもの情操教育を考慮しない、過度の詰め込み教育を受けた子どもは、親に反発して不良化しやすくなります。
また、不良化せずともコミュニケーション能力や社会性にいちじるしい問題を抱えることが多くなるので、義務教育が終わった後にニート化や引きこもり化しやすくなります。
不良学生の非行の例
- 飲酒
- 喫煙
- 他者に暴力を振るう
- 他者を暴力や暴言で支配し、自身に従わせようとする
- 学校の授業を妨害する
- 他者から金銭を恐喝する
- 窃盗
- 自動車やバイクでの暴走行為
- 正当な理由なく、刃物や木刀を所持したり携帯する
- 学校への登校をしなかったり、教師に無断で早退する
- 深夜徘徊
- 無断外泊
- 薬物の乱用
- 反社会的な大人達と交友する
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不良学生の多くは、高校卒業と同時に社会へ出ることになります。
そこで何らかの仕事に就き、仕事を頑張りつつしっかりと結婚もして、意外と幸せな人生を歩むことも多いようです。
しかしその一方で、
- 生まれつき反社会的な気質が強くて、それを直すことができない
- この気質のせいで、どこの集団でもすぐにトラブルを起こしてしまう
- 「我慢すること」「こつこつと継続すること」「その場の規則に従順に従うこと」「努力すること」が極度に苦手
- 学力が低く、仕事にまつわる必要事項を覚えることができない
といったハンディキャップを抱えている人も多いため、
仕事に就けず、半グレ(暴力団に所属せずに犯罪を繰り返す集団)のような存在になってしまう人達も、それなりの数に上ると考えられます。
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