社会の弱者達が高確率でなっている、「有名人や金持ちはきっと悪人で、自分達弱者は善人だ」という思い込み状態である「ルサンチマン」について解説します。
社会の弱者達がなりやすい、ルサンチマン状態
予備知識:「ルサンチマン」とは
重度の劣等感を抱えている者や、鬱屈とした思いを抱えて生活している者が、
自分よりも恵まれていたり自分よりも華やかな生活を送っている者達へ嫉妬心を抱き、その嫉妬や逆恨みの感情を正当化させようとする現象のこと、
を指します。
「社会の強者はどうせ悪事や不正を働いている、と思い込んでいる」
- 富裕層
- 政治家
- 人々の注目・賞賛を集め、高収入の芸能人・アイドル
- 医師・弁護士・検事などの、社会的ステータスを備えた高収入の職種に就いている人達
などが、ルサンチマンに囚われた人達が目のかたきにしやすい人達の代表例
「社会での強者の立場にある人達は悪事を働く悪人であり、
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自分は悪事をしない善人であり、自分は弱者・貧乏であっても道徳面では勝っている」
という思考をもつことは、ルサンチマンの基礎です。
「劣った立場である自分達の方が善良で正しい人間である、と思い込んでいる」
- 「コミュ障で、集団に馴染めない自分」は、繊細で思慮深い精神を持っている
- 「異性にモテない自分」は、恋愛にうつつを抜かすようなチャラチャラした人間ではないので、向上心を備えた素晴らしい人間である
- 「貧乏で、贅沢な暮らしができない自分」は、欲望に流されること無く質素に生きることができる、克己心を備えた素晴らしい人間である
などが、劣った立場である自分を正当化する例
ルサンチマンでは、強者を悪人と決めつけることと同時に、弱者である自分を正当化することがいっしょに起こります。
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参考:ネット上の、電子掲示板やSNSでよく見られるルサンチマンの例
- 「上級国民と呼ばれる人々」を叩くこと
- オタク達が、リア充達を叩くこと
- 学歴至上主義者が、モテたり友人がいたり人生を楽しんでいる人達を「頭が悪い奴らだ」と叩くこと
- モテない男達が、女叩きをしたり、恋愛行為そのものを嘲笑すること
- 独身者達が、結婚している人達を「結婚は人生の墓場」などと言って嘲笑すること
- 高給の仕事や、外資系企業での労働を、「ブラックすぎるから、そんな仕事をしている奴らは馬鹿」と嘲笑すること
- 社会で現在大流行中の映画や製品などについて、それらで楽しそうに盛り上がっている人達を見て「あっさり流行に流されていて、見る目が無いダメな奴ら」と嘲笑すること
- ネットを上手く活用して人々の注目と賞賛を集めている人物やアフィリエイトなどで在宅仕事をしている人物を、叩くこと
- 「努力して上を目指す人」「頑張って働いたり、労働条件を改善して、それらによって大金を稼ぎ出す人」を、ダサい・今の時代に合っていないと嘲笑すること
人生詰み系・底辺系の人達がルサンチマンにおちいってしまう理由
ルサンチマンが発動する前段階「自身の現状に対する不満が蓄積し続けている」
自身が、経済的弱者であったり、人間関係で上手くいかずにみんなから疎外されていて、
そのせいで自身の現状について不満・鬱憤が蓄積し続けます。
この状況が、後にルサンチマンが発動することの下地となります。
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ルサンチマンが発動する段階「強者への嫉妬心や怨恨を正当化しようとする」
- 上記の前段階での不満・鬱憤が、社会での強者達への憎悪・怨恨・憤り・嫉妬心などへ転化される↓
- しかし、現実的には、社会での強者達に勝負で勝つことはほぼ無理であるし、直接的な暴力や大々的な誹謗中傷活動は犯罪と見なされて自身が逮捕されてしまう↓
- そこで、社会の強者達を「道徳的に悪である存在」と見なし、自分達である社会の弱者達を「道徳的に善である存在」と見なし、
そのことによって自分達社会の弱者の生き方を正しいと解釈し、
社会の強者達の生き方は悪であり間違っていると解釈し、
そうやって心の平穏・安心感を獲得する
上記のような思考の流れによって、
社会の弱者達が自身らを善であると見なそうとすることは「奴隷道徳(つまり、奴隷用の道徳)」という用語として定義されています。
「奴隷道徳」についての簡単な知識
- 奴隷道徳(社会の弱者達が自身らを善であると見なそうとすること)の典型例は「キリスト教」の教えであると言われている
- キリスト教での「清貧を貫く者は死後に天国へ行ける」という教えを信じ、キリスト教信者が自身らの貧しさを正当化すること
- 本記事での「ルサンチマン」「奴隷道徳」を提唱したドイツの哲学者・ニーチェは、この奴隷道徳を「良くないもの」として厳しく批判した
本記事で解説しているルサンチマンが発動し、
そこから、奴隷道徳に囚われてしまうことは、
「強者や、強いことを悪と見なすようになり、強者になること・強くなることを否定するようになるため、自身が成長できなくなってしまう」
「自身の向上を放棄し、代わりに、強者の足を引っ張ろうとする不毛な行動を開始する」
「自分達弱者は善であると考えているため、周囲の人達にも弱者になるように呼びかけ始めて、おかしな事態になる」
といった、数々の弊害が生じるようになります。
それに加えて、
「金持ちや立場が強い人達は、悪である」「弱いことは、道徳的に善であり正しい状況」
といった、社会の人々の多くが抱きやすい考え方や、上記のことを訴えるストーリー内容の創作物(人々が共感しやすくウケが良い)は、
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ルサンチマンによって生じた錯覚によるものであり、錯覚である以上、真実とは異なっています。
間違った事柄を前提に行動していると、結果的に上手くいかなかったり不幸な状況になる可能性が極めて高くなります。
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