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小説ができるまでの、プロットから最後の出版までの流れ

 

プロの小説家と出版社によって、小説ができるまで・出版されるまでの流れを解説します。

 

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ステップ1「小説作品の企画」

 

 

  • 小説家が、自身の担当編集者に「こういう内容の作品を書きたい」と作品の企画を提案する
    • 担当編集者の方から「今の時代はこういう小説の需要が高いので、こういう風な小説を書いて欲しい」と企画が提案される場合も多々ある
    • 提案された企画が、その出版社での編集会議でOKが出た場合、
      次のステップ2「小説本文の執筆作業」へ進む

 

小説の企画の善し悪しが、
・企画が編集会議を通るか通らないか
・その小説の売れ行きの可否
を大きく左右するため、
小説家のアイディアが試される『企画を作る工程』は、小説を創る全工程の中で最大級に難しいと言われています。

 

 

作品の企画で重要な役割を果たす『プロット』

プロット(小説・脚本などの筋、筋書、構想のこと)は、

小説作品の企画を提案する際や、小説を書き上げる際に、重要な役割を果たします。

物語のおおまかな流れ・登場人物の簡単な解説などを文章に起こしたものがプロットであり、

プロットは小説の設計図であり、作品の良さを編集者にアピールするための企画書となります。




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作者が、作品作りで特に力を入れるポイント

  • 小説のストーリーの「面白さ」「読者達の心をつかむものであること・心の琴線に触れるものであること」
  • 小説の題材が、現代の読者達の需要に合っているかどうか
  • 「自分という小説家が、市場の読者達から求められている要素・作風」「自分という小説家の強み」を反映させた作品を書くこと
  • なるべく早く作品を仕上げるために、毎日コツコツ本文を書くこと

 

 

プロの小説家であるため、

文章力や執筆用体力は高くて当たり前、と担当編集者に見なされます。

プロの小説家には、あの手この手を使って「売れる小説を書くこと」が出版社側から求められます。

 




ステップ2「小説本文の執筆作業」

 

 

小説本文を書く前の準備作業

取材・資料集め
  • 小説作品の時代背景や各種の事柄を描写するうえで、正確な情報を反映させるために、文献や写真集などを入手する
  • 必要ならば、業界人にインタビュー取材をしたり、小説作品の舞台の地へ行って取材をする

 

 

 

本文の執筆

  • PCあるいは肉筆で、小説作品の本文を書く
  • 初稿(最初に出来上がった小説原稿)が審査に通ることはまず無く、担当編集者との打ち合わせのもと、
    「最初から書き直し」「推敲(最適の字句や表現を求めて考え練り上げること)」が何度も繰り返される

 

小説一作分の原稿用紙が250枚~300枚程度であり、
「最初から書き直し」「推敲」の工程で書く文章量は、原稿用紙1000枚以上に上ることも決して珍しくはありません。

 

 

小説を執筆するうえで大事なことは、毎日地道にコツコツと書いていくこと
  • 毎日、コンスタントに本文を書き続けること
    • プロの小説家ならば、1日あたり原稿用紙10枚分~12枚分程度は書くことが望ましい
  • 執筆中、書くモチベーションを上手く維持し続け、必ず最後まで書き切ること

 

 

小説を書くことが遅すぎたり、いつまで経っても作品を完成させられないと、

小説を売り出せないので印税収入が途絶えたり、担当編集者に見捨てられたり、作家の心が折れて断筆する事態になるため、




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日々、一定量の文章を書き続けて担当編集者と小まめに交流することは、プロの小説家にとって非常に重要です。

 

ステップ3「デザインワーク」

小説の本文が出来上がってくると、

本のデザインを手がける工程(デザインワーク)へ移ります。




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デザインワークの工程で決めること

  • ページの字のフォント(文字の字体のこと)を、具体的にどの種類にするか
  • 小説の「表紙」「裏表紙」「背表紙」「小説に掛ける帯」などのデザイン
    • このデザインは『ブックデザイナー』という職業人が実行する
  • ライトノベルのように、表紙絵や挿絵でイラストを多用する場合、その小説の内容に合った絵を描くことができるイラストレーターの人選

 

 

編集者が中心に立ち、

「ブックデザイナー」「イラストレーター」のそれぞれの人物と協力し合いながら、本のデザインを形作っていきます。

 

ステップ4「印刷所へ入稿し、”ゲラ刷り”を作る」

  • 「いったん完成した、小説作品の原稿」「原稿の文字のレイアウト」の2つのデータを印刷所へ持ち込み、紙への印刷を行う
    • 印刷されて実際の本のページになったものを『ゲラ刷り(げらずり)』と呼ぶ

 

ステップ5「編集者による校正・校閲」

 

 

ステップ4「印刷所へ入稿し、”ゲラ刷り”を作る」の項目で出来たゲラ刷りをもとにして、

校正作業が行われます。

 

  • 度重なる書き直し・推敲の末についに小説の原稿が完成したら、複数の編集者達による「校正(こうせい)」の作業が行われる
    • 校正作業は、万全を期すために「複数の編集者達」により「複数回」行われる
    • 場合によっては、校正よりもさらに厳しい確認作業である「校閲(こうえつ)」が行われる

 

「校正(こうせい)」
とは、小説原稿に『誤字脱字』『文法上の誤り』が無いかをチェックし、
誤りを発見した場合は、適切な表現に直す作業のことを指します。

 

「校閲(こうえつ)」
とは、校正よりもさらに厳格な原稿チェックであり、
・誤字脱字の有無のチェック
・読者を不快にさせるような差別用語・差別的表現が無いかのチェック
・小説本文内での「年代」「歴史的事実」「地名」などが事実と合っているかのチェック
などを行います。

 

 

校正作業によって、ゲラ刷りには赤ペンで修正点・表現上の疑問点などが書き加えられます。

赤ペン入りのゲラ刷りは小説の著者にも回され、表現上の間違いの修正の作業に協力します。

 

ステップ6「校正が済んだ原稿を、印刷所へ再入稿する」

 

 

校了(校正が完了し、印刷しても差し支えない状態になること)した最終完成版の原稿のデータを、再び印刷所へ入稿します。




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印刷所で、オフセット印刷形式で原稿データを紙に印刷する流れ

  1. 印刷所へ入稿された最終完成版の原稿のデータをもとにして、刷版(さっぱん、インクが付く金属製の版)を製作する
    (刷版は、ハンコ・印鑑のようなものだと考えると分かりやすい)
  2. 出来上がった各種の刷版の「ページの順番は間違っていないか」「ページの抜けが無いか」などをチェックする
  3. 刷版を印刷機にセットし、印刷用紙に原稿を短時間で大量に刷る

 

 

『オフセット印刷』は、
「オンデマンド印刷」「デジタル印刷」などの他の印刷方法と較べて、
・鮮明な色合いの印刷を短時間で大量に成すことができる
・大量に印刷することを前提にした場合、単価がかなり安くなる
などの理由から、
オフセット印刷が商業用書籍の印刷方法の主流になっています。

 




ステップ7「製本と、小説の市場への流通」

 

 

製本作業

ステップ6「校正が済んだ原稿を、印刷所へ再入稿する」で出来上がった「刷本(すりほん、印刷が終わって、製本工程に入る前の紙)」と、

同じく印刷所で印刷された「本の表紙」「本のカバー」「本に掛ける帯」などの各パーツが、製本所へ届けられます。

 

 

製本の作業工程
  1. 刷本を、指定のサイズにするために紙の端を断裁機で切る
  2. 断裁された刷本を、折り機で折りたたむ(折りたたまれた刷本を、折丁と呼ぶ)
  3. 折丁(おりちょう)の束を、専用の機械で糸綴じする(糸ではなく、のりを使って綴じる場合もある)
  4. 小説の場合、「並製本」という規格の製造ラインによって、折丁の背と表紙をのり付けする
  5. 専用の機械を通して、「カバー」「帯」「本の中にはさむパンフレット・リーフレット」などを本に掛けたり入れていく
  6. 商品としての本の完成

 

 

 

市場への流通

製本所から取次会社(出版社から本を仕入れ、街の書店へ卸す役割を担っている会社)へ製品の小説が運送され、

取次会社から、全国の書店や、オンライン店舗を展開している企業などに、小説が卸されます。

この段階になって、消費者が製品の小説を購入できるようになります。

 

 



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