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漫画ができるまでの、作品の企画から雑誌掲載までの流れ

 

漫画ができるまでの、企画から雑誌掲載までの一通りの流れについて調査したので分かったことを報告します。

 

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1「漫画家が、新作のおおまかな構想を作る」

 

本項目で行われること

  • 最初の1話目から3~4話までくらいの「ネーム(漫画のコマ割り・セリフ・キャラクターの配置をおおまかに表すもの)」を作製する
  • 編集者達に見せるための、見本となる完成原稿を数枚分作製する
  • その漫画のストーリーの概要を解説する原稿を作成する

 

 

ここで作ったネーム内容や、完成原稿や、ストーリー原稿の面白さの度合いで、次の項目の「編集会議」で、新作漫画が会議を通るか否かが決まります。

 




2「編集者達による編集会議で、新作漫画が審査にかけられる」

 

本項目で行われること

  • 「漫画家が、新作のおおまかな構想を作る」の項目で作成したネーム・サンプルの完成原稿数枚・ストーリー原稿を、
    出版社に勤める編集者達が目を通し、編集会議によって「その漫画を漫画雑誌で新規連載をするか、しないか」を決定する

    • 編集会議での、編集者同士の意見交換や、それぞれの編集者のその漫画の評価(○か△か×、といった形式が多い)の集計結果で、新規連載するかしないかが決定する
  • ほとんどの場合で、他の漫画家達(過去に何作も連載経験があるベテラン漫画家や、漫画賞を受賞したばかりの新人漫画家など)の新作用ネーム・ストーリー原稿と編集会議で同時に比較され、
    漫画雑誌の連載枠を勝ち取れるのは少数の作品だけ

 

3「新作漫画の雑誌連載決定と、連載のための打ち合わせ」

 

自身の新作用ネーム・ストーリー原稿が見事に編集会議の審査に通り、漫画雑誌での作品連載が決定すると、

漫画家と編集者の作品連載のための第一の打ち合わせが行われます。




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本項目で行われること

  • 「漫画雑誌での作品連載が決定したこと」を、編集者から漫画家へ対面であらためて通達する
  • 新作漫画のストーリーの概要や魅力ポイントを、漫画家から編集者に解説する
  • 「編集部からの、その連載作品へのストーリーや売りになるポイントについての要望」を編集者から漫画家へ伝える
  • 現段階でとりあえず定められている連載期間と、連載のページ数(連載作品の人気度合いによって、期間やページ数は増減する)を、編集者から漫画家へ通達する

 

漫画家と編集者の打ち合わせは、出版社内での一室を使って行われたり、喫茶店やファミレスを利用して行われます。

 

4「連載用の漫画のストーリーやキャラクターや設定を、練り直す」

 

本項目で行われること

  • 編集部が考えている「今時の、売れるストーリー・読者にウケる設定・読者に好まれるキャラクターなど」を、連載用の漫画の構想に反映させる
  • 社会風紀に反しているのでNGな設定などを編集者が見つけ出し、漫画家がNGポイントを修正する
  • 「ストーリーの時代」「ストーリーが展開される場所・国」などが、編集者からの要望で根本的に変更されることもある

 

 

「編集会議に通った時の漫画構想」と、「練り直した漫画構想」の違い

上記の「漫画家が、新作のおおまかな構想を作る」の項目で作成した漫画構想

漫画家個人が描きたい漫画だったり、漫画家個人が世間でウケるだろうと思っている漫画の構想

 

本項目の「連載用の漫画のストーリーやキャラクターや設定を、練り直す」の項目で作成される漫画構想

編集会議の審査に通った漫画構想を、編集者のサポートによってより世間で売れやすいようにリファインさせたもの

 

5「連載用の漫画を、実際に描く作業」

 

 

1「ネームの作製」




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「ネーム(漫画のコマ割り・セリフ・キャラクターの配置をおおまかに表すもの)」を、大学ノート・裏表が白紙のコピー用紙・スケッチ帳などに描きます。

ネームの段階では、キャラクターや背景の絵は非常に簡素でラフなものです。




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  • その回の終わりのページでは、続きが気になるような展開にかならず持っていくこと
  • 読者の読みやすさ・理解のしやすさにちゃんと配慮したコマ割りや、適度な緩急をつけたストーリー展開や、情報量にすること
  • そのページにおける、各コマの物理的サイズとコマの数を調整し、シーン演出の強弱を調整すること
  • 読者にとって分かりやすく、それでいてインパクトの強いセリフやコマ内での解説文が求められる

ネームの作成では、上記の条件以外にも非常に多くの条件が求められ、

おそらく、漫画家の各種の漫画製作作業の中で、TOP3に入るほど困難な作業であると思われます。

「このネーム内容だと話が中だるみしているから、どうにかして100ページ分のネーム内容を30ページくらいのネームに圧縮して」

と編集者から無茶な要求を突きつけられることも多く、たくさんの漫画家達がネームの作製で頭を抱えてしまうようです。

 

 

 

2「下書き」

 

下書きで行われること

  • 以前に作製したネームを参照元にして、漫画専用の「原稿用紙」に、漫画の下絵を鉛筆で描き込んでいく
    • 文房具の定規を使って、各コマの枠線を原稿用紙に書く
    • ネームの時よりも数段しっかりした絵を、鉛筆でコマの中に描いていく

 

漫画専用の原稿用紙は、

「用紙の枠に1cm・2cm・3cm…という長さを表す目盛りがミリレベルで印刷してあるので、コマの枠線が非常に描きやすい」
「紙が、インクがにじみにくい材質」

といった特徴があります。

 

下書きの段階で、
「キャラクターの衣服がおかしくないか」「その漫画のもともとの設定と矛盾する表記や絵が無いか」「多くの読者がおかしいと感じる構図の絵が無いか」
などの項目を、下書きのコピー紙やデジタルデータを編集者が見て入念にチェックします。

 

 

 

3「ペン入れ」

 

下書きで描いた鉛筆の絵の上から、インクペンを使って漫画絵を清書します。

ペン入れの際、ペン先を「Gペン」「丸ペン」などの種類に交換したペンを使い分けることで、ペンで描いた線に特徴を持たせます。




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Gペン

ペン先の中央に割れ目があり、ペン先に込める力の大小によってペン先が開いたり閉じたりする機構になっている。

この機構によって、線の太さに容易に強弱をつけられるようになる。

 

 

丸ペン

細くて繊細な線を描くことに適しているペン先。丸ペンでも、ペン先に力を込めれば太い線を描くことができる。

 

 

漫画絵を描くためのインク

 

 

 

4「仕上げ」

 

仕上げで行われること

  • 下書きの鉛筆の絵を、消しゴムで消す
  • ベタ塗り(マジックペンやサインペンなどを使って、絵の特定の部分を黒く塗りつぶすこと)
  • スクリーントーンという画材を絵の輪郭に合わせて切り取り&貼り付けをして、漫画の絵に視覚的効果を付ける
  • コマ内の絵に、定規とペンを使って効果線を描く
  • 原稿用紙に絵を描く際に、コマからはみ出た線を、「ホワイト」と呼ばれる修正液で白く塗りつぶす

 

 

この項目の作業は単純作業であるため、非常に多忙な人気漫画家はアシスタントを雇用し、アシスタント達に仕上げ作業をしてもらうことが多いです。

アシスタントは本業のベタ塗りやスクリーントーン貼り以外にも、

漫画家の部屋の掃除や、ネームや漫画原稿や画材の整理整頓、ペン先やインクやスクリーントーンなどの画材の買い出し、食材を買い出して漫画家用の食事や夜食を作ること、出版社へ漫画原稿を送るための郵便局での郵送作業など、

そのアシスタント作業は多岐に渡ります。

また、実力がある漫画アシスタントは、コマの背景絵を描くことを任されたり、漫画家が忙しすぎて手が回らない場合にキャラクター絵のペン入れを担当することもあります。

 

6「完成した漫画原稿を、編集者が加工する」

 

 

1「漫画家側によって仕上げられた原稿の、絵のチェック」

本項目で行われること

  • 「漫画原稿のコマ内の、漫画家の手描きの文字(演出効果を狙ったもの)」に誤字・脱字が無いかのチェック
  • コマ内の絵に、ベタ塗りやスクリーントーン貼りのモレが無いかのチェック

 

 

 

2「コマ内の、キャラクターのセリフや解説文の文字データを作成する」

本項目で行われること

  • 文字の大きさの指定
  • 文字の書体の指定
  • その回の最終ページに載せる煽り文(読者の次回への期待感を煽るための短いフレーズ)を編集者が考案し、決定する
  • 上記の決定事項による文字データを製版所へ送り、製版所が作製した文字の出力紙を、編集者が繰り返しチェックする

 

 




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3「文字を入れた漫画原稿の最終チェック」

本項目で行われること

  • 「文字がまだ入っていない漫画原稿」と「完成した文字データ」を出版社から製版所へ送り、
    製版所の社員達がPC上の専用システムを使って、
    「文字がまだ入っていない漫画原稿」と「完成した文字データ」を丁寧に統合していく
  • 上記の作業によってひとまず完成した「校正紙」が製版所から出版社へ送られる
  • 編集者が校正紙を入念に確認し、校正(校正刷を原稿と引き合わせて、文字の誤りや不備を調べ正すこと)を完了させれば、
    その回の漫画については「校了(校正が完了すること)」になる

 

7「印刷所での漫画の大量印刷と、店頭での発売」

 

本項目で行われること

  • 校了した漫画のデータを元にして、製版所が樹脂版(大量印刷のための絵が彫られている、ハンコのようなもの)を作製する
  • 製版所から印刷所(場所も会社も別)へ樹脂版が送られ、
    印刷所で「樹脂版」「大量の印刷用紙」「大量のインク」「印刷機」を使って漫画のページを大量印刷し、
    「製本機」を使って、漫画のページを順番通りに並べて、ノリで漫画ページと表紙を貼り付ける
  • 製本した漫画雑誌あるいは漫画本が、印刷所から取次会社(出版社から本を仕入れ、街の書店へ卸す役割を担っている会社)へ運送される
  • 取次会社から、街の書店やオンライン販売店などへ漫画雑誌あるいは漫画本が卸され、
    消費者が本を買えるようになる

 




番外編「雑誌で連載していた漫画の、単行本化作業」

 

本項目で行われること

  • 漫画の内容の加筆修正
  • 単行本のカバーイラストを描く
  • カバーの下の表表紙・裏表紙にもおまけ漫画を描くタイプの漫画の場合は、カバー下の漫画も描く
  • 場合によっては、巻末のおまけ漫画も数ページ描き下ろす
  • たとえば、「とらのあな限定特典」のような、販売店ごとの特典(描き下ろしイラストやリーフレットなど)を描く

 

多くの場合で、単行本化作業は、雑誌での漫画連載作業と並行して行われます。

そのため、漫画家のもともとの激務によりいっそうの拍車がかかる事態になります。

 

 

 

 

参考:PCと漫画作製ソフトとペンタブレットを使った作業

5「連載用の漫画を、実際に描く作業」の段階で、手描きよりもずっと作業負担が小さくなることから、

PCと漫画作製ソフトとペンタブレットを使ったデジタル環境で漫画を描くことが、現代の漫画家達の間で主流になっています。

 

 

漫画作製ソフトを使うことの主なメリット

  1. 「漫画を描く原稿用紙に、コマ割りの枠線を描く作業」が、手描きよりも格段に早く楽にできるようになる
  2. 「ベタ塗り」「スクリーントーンを貼ること」「効果線を加えること」がソフト上で瞬時にできるようになる
  3. 「ペン入れの際に、うっかり原稿用紙にインクの飛沫をつけてしまったりインクの液をこぼしてしまって、それらを修正する作業」がゼロになる
  4. テキスト形式のファイルから、キャラクターのセリフの文章を読み込んで、それを漫画原稿に反映することができる
    (このことで、以前にPC上で作った漫画のプロットの文章をコピー&ペーストで使い回すことができたり、
    漫画原稿の字がPCテキストになるので格段に読みやすくなり誤植が起きにくくなる)
  5. ソフト上で絵の拡大・縮小ができるので、描き直しや構図を考える際に便利
  6. カラーイラストを描くための、漫画絵の彩色がソフト上で簡単にできるようになる

代表的な漫画作製ソフト「セルシス CLIP STUDIO PAINT EX」↓

 

 

 

 

漫画絵を描く際にペンタブレットを使うことの主なメリット

  1. ペンの筆圧の強弱が線の太い・細いに反映されるため、原稿用紙にペンで漫画を描く要領で絵を描くことができる
  2. ペンタブレットはPCと連動しているため、線の描き直しが容易にできる(消しゴムや修正液が不要になる)
  3. ペンタブレットはPCと連動しているため、今描いている絵の拡大や縮小ができ、絵が描きやすくなる
  4. 「描き直しのせいで、高価な漫画用原稿用紙を何枚も無駄にすること」が起こらなくなる

液晶ペンタブレットの中で特に人気が高い「Wacom Cintiq16」↓



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