就職氷河期(1993年から2005年まで)で大変な就職難に遭ってしまった「就職氷河期世代」の悲惨さについて調査したので分かったことを報告します。
「就職氷河期世代」の3つの悲惨さ
1「就職氷河期当時は求人数が少なすぎて、企業就職が極めて困難だった」
- 就職氷河期とされる1993年~2005年前後までは、日本企業の有効求人倍率がのきなみ1倍を下回っていて、
0.5倍~0.8倍という低水準だった - 大学卒業見込みの新卒者の有効求人倍率ですら、1993年~2005年前後は1.3倍程度(最も低い2000年は0.99倍)しかなく、
大卒の新卒者でさえも企業就職できない人が大勢出た - 2003年には、大卒者の就職率が55.1%という、過去最低の数字を記録した
就職氷河期当時の就職難の酷さは、
- 有名な国公立大の卒業者や、早慶上智などの名門私立大の卒業者ですら、企業就職できずにフリーターにならざるを得ない人が続出した
- 民間企業への就職を諦めて公務員就職に切り替えても、公務員の職種によっては採用倍率が100倍以上に達していた
- 就職活動で、50社から100社以上に採用試験で落とされることがザラ
など、伝説的なものとして現代に語り継がれています。
大卒者の求人倍率の推移グラフ
2「非常に有能な人達以外は、そろって悲惨な人生状況になる」
- 有名大学卒で、コミュニケーション能力が高かったり卓越したスキルがあった人
- 優れた商才をもっていて、企業就職せずに自営業などで生計を立てることができた人
などが、就職氷河期世代でも助かった人達
日本企業側が採用人数を絞っていたせいで、就職氷河期でも企業就職できたのは、
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氷河期世代の中でも特に有能だったり、有名大学卒のような、同世代の中での上位者だけでした。
(就職氷河期であっても就職できて現在も企業に身を置いている人達は、他の世代から見てもかなり有能な人物、という評価が多いようです)
就職氷河期当時に、折り悪く「フリーターという生き方はかっこいい・素晴らしい」という社会風潮が生まれていたため、
その風潮に流されてフリーターになってしまったり、氷河期時に早々に就職活動を諦めてしまった人達は、今現在、
「高齢フリーター」「日雇い派遣バイト」「実家での引きこもり状態(=無職)」
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といった悲惨な状況になってしまっています。
3「政府からも、就職氷河期世代へはこれといった支援はほどこされず」
- 就職氷河期当時から、学校を卒業しても仕事に就けない若者達の将来を危惧する声は上がっていたが、政府からの具体的な就職支援は皆無に近かった
- このことが、就職氷河期世代が「見捨てられた世代」とよく表現される理由
- ようやく2019年5月に「就職氷河期世代支援プログラム」が内閣府から発表されたが、その内容は
「長期無職者やひきこもり状態にある人達の、社会参加の促進」
「就職氷河期世代のうちの30万人程度を、3年間かけて正規雇用者へ転換させる」
というもので、その施策の具体的効力には疑問の声が相次いでいる
行政による就職氷河期世代の支援が上手く行っていないことの顕著な例が、
2019年8月に兵庫県宝塚市の市役所が氷河期世代の就職支援の一環として正規職員の募集をかけたところ、応募が殺到して採用倍率が600倍を超えてしまったことです。
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就職氷河期世代をダイレクトに救済しようとするならば、
「就職氷河期世代の人々へ支援金を直接給付する」「就職氷河期世代の人々を公務員として直接採用する」
といった方法があるにもかかわらず、
行政からの氷河期世代への支援ははっきりとした意味を成さない的外れなものばかりと言わざるを得ません。
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就職氷河期世代が現代社会に及ぼす影響
「会社で、30代後半から40代前半の年齢層の社員が少ない」
2019年現在、30代後半から40代前半の年齢の社員層が薄い、という現象が色々な企業で起きています。
- 就職氷河期世代の人達が企業就職できなかった
- 1999年に、「派遣労働」が製造業以外の分野で自由化されたため、正社員を採らずに派遣社員で業務をまかなう企業が増大した
などが、30代後半から40代前半の年齢の社員層が薄いことの主な原因
この年齢層の社員は、中間管理職として社内の上の層と下の層を支える重要な役割を果たすため、
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この年齢層が薄いと企業の内部構造がいびつなものになりやすくなります。
「日本社会の少子化に拍車がかかるようになった」
他の世代と比較すると、就職氷河期世代の非正規率は際だって高く、同時に、氷河期世代が生活が不安定などの理由から婚姻率が低いことも、各方面から指摘されています。
氷河期世代があまり結婚せず、子どもも作らないため、この現象が日本の少子化問題をより悪化させてしまったと考えられます。
「氷河期世代が高齢化すると、社会への悪影響が強まる可能性が高い」
- 氷河期世代のうちの、企業勤務できずに収入が得られない人達がいっせいに「生活保護」を受給しようとした場合、
日本の社会保障費(国民から徴収した税金が財源)がすさまじい金額になってしまう - 路頭に迷った氷河期世代の人間が、社会への恨みから続々と「無敵の人」と化してテロ的犯罪に及ぶ可能性が高くなる
行政からの就職氷河期世代へのろくな支援が無いこと、それに加えて、若いニートや引きこもりを正社員や公務員として労働力にしようとする支援活動も無く、
移民の外国人労働者で日本の労働力不足を解消する動きが盛んなことから、
残念ながら日本政府が氷河期世代を積極的に支援することは起こりにくい、と考えられます。
- 最悪のパターンは、就職氷河期世代は最初から無いものとされて、今後何十年先までこれといった支援をされない
- 準生活保護のような生活支援制度(たとえば「シェアハウスを用意し、そこで氷河期世代の人達に一人当たり1ヶ月5万円程度の生活費で暮らしてもらう」など)がほどこされる
といった、氷河期世代への行政対応が予想されます。
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