希少価値という点ではダイヤモンドをも上回る宝石が存在しており、市場価格がダイヤを上回るものもあります。
ダイヤモンドよりも貴重で稀少な幻の宝石を調査したので、分かったことを報告します。
宝石の王様「アレキサンドライト」
宝石「アレキサンドライト」の希少性
- アレキサンドライトはダイヤモンドよりもはるかに稀少であり、アレキサンドライトの最初の鉱山であったロシアのウラル鉱ではすでに枯渇。
ロシア産のアレキサンドライトは優れた変色性を有することと、すでに産出が枯渇したこともあり、相場よりも高値が付く。 - アレキサンドライトの別名は「宝石の王様」
- 四大宝石(ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド)にアレキサンドライトを加えて「五大宝石」と定義される
- もともと稀少なアレキサンドライトの中でも、「青緑色」から「赤紫色」へはっきりと変化するタイプのアレキサンドライトはほとんど存在せず、そのタイプは市場でとんでもない高値が付く
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宝石「アレキサンドライト」の特性
- アレキサンドライトは、太陽光の下では「青緑色」に発色し、人工照明である白熱灯やろうそくの明かりの下では「赤紫色」に発色し、このように光源の種類によって色合いが変わる「カラーチェンジ」の特性は他の宝石には見られない
- アレキサンドライトで上記のようなカラーチェンジが起きる理由は、アレキサンドライトは反射する光の種類で「赤色」と「緑色」をほぼ等しい割合で備えているという性質があるため
- 白から青色の光(色温度が5000K以上)の自然光の下では、その光の中に多く含まれている青色が反射され「青緑色」にアレキサンドライトが見える
- 白から赤色の光(色温度が5000K以下)の人工照明やろうそくの明かりの下では、その光の中に多く含まれている赤色が反射され「赤紫色」にアレキサンドライトが見える
採れる鉱山が全て閉鎖されてしまった「レッド・ベリル」
宝石「レッド・ベリル」の希少性
- 世界の中でも、ユタ州とニューメキシコ州の一部でしか採掘されない
- 1カラットの大きさを超えるレッド・ベリルがほとんど産出しないため、採掘にかける金額と得られる利益額が釣り合わず、
レッド・ベリルが採れていたアメリカの鉱山はすべて閉鎖されてしまった - 現在は新たなレッド・ベリルは産出されず、市場に出回っているレッド・ベリルは過去に採掘された天然のレッド・ベリルであるか、もしくは、人工合成されたレッド・ベリルである
宝石「レッド・ベリル」の特性
- レッド・ベリルは「マンガンを含むベリル」であり、このマンガンが赤色を呈する要因となる。
ベリルにマンガンが含まれることは極めてまれなので、レッド・ベリルがほとんど産出されない原因となっている。 - レッド・ベリルは、エメラルドが属する「緑柱石(ベリリウムを含む六角柱状の鉱物)」に分類されるので、「赤いエメラルド」と呼ばれる
あまりにも稀少すぎる「エレーメージェバイト」
宝石「エレーメージェバイト」の希少性
- エレーメージェバイトは、そのほとんどが極小で粒状のものしか産出しないので、装飾用の宝石として加工できるほどの大きさの石がめったに発掘されない
- 1970年代半ば、ナミビアで粒状ではなく柱状のエレーメージェバイトが発見され、
その後は「稀少鉱石」から「稀少宝石」へとカテゴリーが変更され、カットされたエレーメージェバイトがごく少量だけ市場へ出回るようになった - ダイヤモンドよりもはるかに産出量が少ないので、市場では高額で取引されている
- エレーメージェバイトは極めて希少性が高いことから、装飾用の宝石というよりも、宝石・鉱石コレクター達のコレクション用として買い求められることが多い
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宝石「エレーメージェバイト」の特性
- 照射する光の角度によって「青色」「黄色」「だいだい色」へと宝石の色合いが変わって見える
ダイヤの中で最も価値が高い「レッド・ダイヤモンド」
宝石「レッド・ダイヤモンド」の希少性
- 「レッド・ダイヤモンド」はダイヤモンドの一種であり、複数の色があるダイヤモンドの中で最も稀少な色が赤色であるレッド・ダイヤモンド
- 希少性の順に、イエロー(イエローが最もありふれている)、ブラウン、無色、ブルー、グリーン、ブラック、ピンク、オレンジ、パープル、レッド(レッドが最も稀少)
- 市場で最高級の需要があるダイヤモンドの色は「レッド」と「ブルー」。これらの色のダイヤモンドは、無色のダイヤモンドの数倍の価格が付く。
宝石「レッド・ダイヤモンド」の特性
- ダイヤモンドという鉱石が形成される過程で、ダイヤモンドの結晶格子中に「窒素原子」が取り込まれ、「その窒素原子の隣接場所に、炭素原子が無い」という状況でダイヤモンドがピンク色~赤色を呈するようになる
- レッド・ダイヤモンドは、ごく少量しか産出しないピンク色のダイヤモンド(ピンク・ダイヤモンドは年間で数十個しか産出しない)の中でより赤色が強いものが「レッド・ダイヤモンド」と見なされるので、極めて数が少ない
希少価値がギネス認定もされた「ペイナイト」
宝石「ペイナイト」の希少性
- 2005年に、ペイナイトは「世界で最も稀少な鉱石」としてギネスブックに認定された
- 2005年の時点で、ペイナイトは25個以下しか発見されていなかった
- 色合いはそれほど美しくはない宝石だが、ペイナイトの希少性はダイヤモンドよりもはるかに上のため、市場では高値が付く
宝石「ペイナイト」の特性
- 色は「透明感がある、赤いバラ色」
- ペイナイトの純粋な結晶は無色透明なものになる。宝石用に加工されるペイナイトは赤みがかったものがほとんどで、
それらの有色のペイナイトは微量の「クロム」「ヴァナジウム」などの不純物を含んでいる
稀少でもろくはかない「フォスフォフィライト」
宝石「フォスフォフィライト」の希少性
- 「フォスフォフィライト」はほぼボリビアでしか産出されないため、採掘量が非常に少ない
- アメリカ合衆国やドイツでもフォスフォフィライトは産出されるが、装飾用の宝石としてカットするに値する質のものはボリビアでしか採れない
- フォスフォフィライトは「モース硬度が低い(3~3.5程度)」&「劈開性(特定の方向に割れやすい性質)が強いせいで、どの方向にも割れやすい」、というやっかいな性質があるせいで、加工しようとするとあっさり砕け散ってしまう
- 非常に加工しにくいせいで、フォスフォフィライトがルース(完成品の宝石)として市場に出回ることはほとんど無い
- 宝石コレクター達には、フォスフォフィライトの希少性の高さと、青みがかった繊細な色合いが高く評価されていて、収集対象として人気が高い
宝石「フォスフォフィライト」の特性
- 透明薄緑色から青緑色の美しい色を示す
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おまけ:漫画の中に登場する特別な宝石たち
漫画「宝石の国」
鉱物である宝石達が人間の姿をとって活躍する珍しい設定の漫画。身体の中身は全て宝石で出来ている。
主人公は、当記事でも出ている「フォスフォフィライト」。宝石の性質上、主人公のフォスフォフィライトも非常に砕けやすく、しかも不器用で、作中では何も取り柄がない。
フォスフォフィライト(アニメ版)
またフォスフォフィライトの他にも、当記事で紹介している稀少な宝石の「アレキサンドライト」と「レッド・ベリル」も「宝石の国」の中にキャラクターとして登場する。
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