アメリカでは収入額の上位1%の人達ばかりが金額がどんどん伸びていき、それ以外の99%の人達の収入はずっと停滞しているという、超格差社会のアメリカの格差事情について調査したので分かったことを報告します。
上位1%の超富裕層ばかりが異常に収入が増えていく状況
トップ1%の富裕層の富は急増
アメリカで、収入がトップ1%の超富裕層は、1990年ごろから現在にかけて急激に収入額が増大しています。上記のグラフを見れば、トップ1%の収入は1980年から2000年にかけて200%(3倍)に増加していることが分かります。
極端な例として、1965年時点での企業の最高経営責任者(CEO)と平均的な労働者の賃金格差は24倍でしたが、2003年には185倍にまで差が開いています。
その一方で、トップ1%以外の、全体の99%の人達の収入額は非常にゆるやかな上昇具合で、トップ1%の上昇具合にはまったくかなわない状況です。
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アメリカの貧困層の実態
- 8人に1人のアメリカ人が貧困状態にあり、人口の12.7%にあたる約4000万人が貧困層(2017年9月にアメリカ合衆国国勢調査局が発表)
- アメリカに住む黒人とヒスパニック系は4人に1人以上が貧困層という高い割合
- 貧困層に、「ジカ熱」のような寄生虫由来の熱帯病が蔓延している
- アメリカは肥満の罹患率が世界一であり、安価で高カロリーのジャンクフードに依存して肥満に陥っている貧困層が非常に多い
- 2012年にフードスタンプ(食糧品向けのみに絞った生活保護費)を受給したのは、6500万人(アメリカ国民の1/5)にも上った
中流階級に貧困者が増えて中間層が貧困層へ落ちつつある
- 年間家計収入:7.3万ドル(2000年)→6.95万ドル(2010年)
- 純資産:約13万ドル(2001年)→約9.3万ドル(2010年)
- 本調査で行われた中間層へのアンケートで、回答者の85%が「今の生活水準を維持することがより困難になった」と回答
2012年、ピュー・リサーチセンターが発表した「中流の失われた10年」より
アメリカでそれなりに良い暮らしをしていた中間層(白人や高学歴な人で構成される)の年収や純資産が約10年でかなり目減りしています。
このまま時間が経てば、中間層が中間層でいられなくなって貧困層へと落ち、アメリカの社会は富裕層と貧困層の完全二極分化する可能性が高いと考えられます。
アメリカで富裕層と貧困層の格差が大きすぎる原因
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富裕層と貧困層の分離・断絶が起きている
富裕層は富裕層同士のコミュニティーを作り、経済や教育に関する貴重な情報を共有し合ったり、優れた知能をもつ富裕層同士で子どもを作って頭の良い子どもが生まれます。
富裕層はわざわざ貧困層が集まるコミュニティーや地域へ近寄ろうとはしないため、富裕層のもつお金・情報・遺伝情報などは貧困層と共有がなされず、貧困層の生活水準が引き上げられることは起こりにくくなります。
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アメリカは完全実力主義であるため貧困層には冷たい
アメリカ企業には、日本企業のように労働者を手厚く保護するような雇用文化がありません。
企業への就職活動で売りになるスキルが無ければそもそも採用すらされず、採用された後も継続的に利益を出せなければ簡単に解雇されます。
また、有能な管理職には、一般社員とは比較にならないほど高額の報酬が支払われるのもアメリカ企業の特色です。
このようなアメリカの企業文化のせいで、有能な人物は多額の報酬を手にし、これといったスキルを持たない貧困層はそもそも企業で働くことさえ許されず、人間同士の経済格差が拡大していくことになります。
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