怨念が込められた「呪いのビデオ」を見てしまった者は、1週間以内にビデオの秘密を解かないと死ぬ---。
大人気ホラー小説・リングシリーズの呪いのビデオと、呪いのビデオの中核人物である「貞子」は、近年ではなぜか萌えの対象になっています。
貞子の萌え化現象の理由について調査したので、分かったことを報告します。
現代社会で貞子が萌えキャラとして扱われる理由
原作の外見設定が美少女であること
原作小説では、貞子は美人であると明記されている。
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怨霊化する前の生前の貞子は、女優を志していて、見た目麗しい姿であったようだ。
鈴木光司による小説「バースデイ」での短編「レモンハート」は、小説「リング」の序章に当たり、劇団飛翔に所属していた頃の人間の貞子が描写されている。
舞台で緊張するなど、可愛い要素が文章で綴られている。
「リング」の続編小説「らせん」で人間として復活を遂げた貞子は、本小説の男主人公とデートを楽しんだり、雑誌を平然と万引きしようとしたり、お気に入りの映画の登場人物のセリフをマネて見せたりと、数十年ぶりの現世を謳歌している描写がある。
テレビから這い出してくるので貞子と共同生活ができるのでは…という妄想
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映画で貞子がテレビから這い出してくる演出を受けて、女性に縁が無いオタクの方達が「これで貞子といっしょに暮らせる!」と歓喜。
それに加えて、どうすればテレビから出てくる貞子を撃退・封印できるかという議論が尽きないのも貞子がいつまでも人気である理由の一つ。
しかし、貞子がテレビから出てくるのは映画版だけの演出であり、原作ではそのような描写は無い。
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原作で呪いのビデオを見てしまった者達は、テレビが無い屋外で、心筋梗塞により死亡している。一様に恐怖で引きつった表情のまま死んでいることから、貞子の恐ろしい幻影が目前に出現したと考えられる。
IT世界のめまぐるしい変化に貞子自身が困っていること
映画「貞子3D」完成試写会に登場した貞子の発言
- 「ビデオテープが売っていない」
- 「IT革命…」
- 享年17歳で、だいたい高校2年生
- 井戸の中での生活は狭い・湿気が多くて大変
- ルームシェアがしたい
本映画にて、貞子はYouTubeやニコニコ動画のような動画配信サイトを使って呪いの動画を全世界配信できるように進化したようだ。
だんだんタレントになってきた貞子
貞子のタレント活動例
- リング関係の映画の試写会に、ゲストとして登場する貞子
- 日本ハムVSロッテの試合(2012年4月25日)の始球式に登場し、野球ボールをノーバウンドで立派に投げる貞子
- twitterの貞子公式アカウントで、貞子本人として全世界へ、年相応の少女らしい明るいメッセージを発信し続ける貞子
- 数量限定版「貞子3D」に付属する特典・貞子写真集「貞子の休日」で、「美容院で髪の手入れをしてもらう貞子」「散歩中の犬とたわむれる貞子」などの写真を見ることができる
貞子という存在の能力・特徴
- 人間だったころは超能力者であり、念じるだけで他人を殺せるほどのすさまじい能力をもっていた
- 上記の超能力のほか、予知能力や念写の能力ももっていた
- 殺されて井戸の中に遺棄された貞子の怨念が、たまたま近くにあったビデオテープへと念写され、「呪いのビデオ」が世の中に生まれた。
呪いのビデオを見てしまった者は一週間後に心筋梗塞で死亡する。 - 小説「リング」の続編小説「らせん」では人間として現世へ復活し、自己のクローンを際限なく作り出せるという自己増殖能力を得た。
貞子のクローンは1週間で母胎から出産され、その後1週間で成人に成長する。
- 殺された貞子の怨念と、人類に根絶されかけていた天然痘ウイルスが偶然接触してしまったため、両者は融合し、
ウイルスの存在原理である「自身のコピーを増やして拡散させる」というルールに基づいて、貞子の怨念は自身の複製を全世界へ拡散させるために行動する - 貞子が起こす怪現象に触れた者・貞子に遭遇した者は、「柑橘類の香り」「レモンの香り」を感じ取ると小説で描写されている
- 生前は、生まれ持った超能力のせいで周囲に気味悪がられ、不遇な人生を送っていた
- 顔は美しく、声は低くて魅力がある。大人しくてあまり仲間と交流しようとせず、不気味がられていたと、劇団員時代の仲間が人間の貞子を回想している。
貞子が生み出した「呪いのビデオ」の内容
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原作の呪いのビデオの内容と映画の呪いのビデオはそれぞれかなり異なっている。
原作小説の呪いのビデオの内容
- ビデオを最後まで見るよう強要する文字メッセージからスタート↓
- 貞子の故郷である伊豆大島の三原山とその噴火に関する抽象的・具体的な映像↓
- 超能力実験に関連した念写による文字と、繰り返し特定の目を示し続けるサイコロの映像↓
- 伊豆大島の古い方言で「水遊びばかりしていると化け物が来る」「お前は来年に子供を産む」という意味のメッセージ↓
- 超能力実験を非難する大勢の人々↓
- 古いテレビを用いた念写実験↓
- 貞子が殺害される間際に見た光景↓
- 映像を見た者が1週間後に死ぬことを警告するメッセージ↓
- 「死にたくなければビデオをダビングし、まだ見ていない他者に見せる」よう強要する旨のメッセージ(以前にビデオを観た者のいたずらで、このメッセージは録画CMで上書き消去されている)で終わり
生前の貞子が見た風景と、貞子の心象風景が入り交じったビデオ内容になっていて、映像は約20分程度の長さとされる。
ビデオを観た直後に無言電話がかかってくる場合があり、受話器からは、地の底から響くような気味の悪い音が聞こえてくる。
映画の呪いのビデオの内容
- 井戸の底から見上げた空と覗き込む伊熊からスタート↓
- 鏡に映る髪を梳く女性(志津子)と貞子↓
- 貞子によって三原山の噴火が警告されたという新聞記事(文字が蠢く)↓
- 這いずる人々↓
- 白い布を被って何かを指差す男↓
- 反転した(貞)の字が映った女性の瞳のアップ↓
- 貞子が殺された井戸で終わり
全体の長さは1分程度。映画の呪いのビデオは、貞子の見た風景のものも含まれていれば、原作に無い映画オリジナルの描写(「這いずる人々」や「白い布を被って何かを指差す男」)も含まれていて、このオリジナル描写の意味合いが何なのかは映画の最後まで明らかにされていない。
映画版のビデオも、視聴後に気味の悪い無言電話がかかってくることがある。
映画版では、呪いのビデオを観た者を写真撮影すると、顔がゆがんで写真に写る、というホラー演出が加えられた。
原作の「呪いのビデオ」の謎解きの面白さに加えて、
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映画版の作品中へ引き込まれるような雰囲気や不気味すぎる効果音、意味深でやたらと恐怖感をあおるビデオの映像内容、死人の顔が突然映るどきっとする演出や貞子がテレビから這い出してくるシーンなど、
原作と映画のそれぞれの質の高さが「リング」という作品が大ヒットした最大の理由で、これらが無ければ貞子が流行することも無かったかも知れません。
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