弁護士や検事になるために、超難関の司法試験に挑戦し続け、多くの場合で人生の状況が悪化している「司法浪人」について調査したので分かったことを報告します。
新司法試験の受験資格を得るだけでも長い年月が必要
「新司法試験の受験資格」を得るための、2種類のルート
- 四年制大学を卒業し、「学士」の学位を得る↓
- 法科大学院(別名、ロー・スクール)の入試に合格する↓
- 法科大学院で、原則3年間勉強をし、修了すると、「新司法試験の受験資格」と「法務博士の学位」を手にすることができる
まず、はじめの法科大学院の入試に合格する段階から、専門の予備校に通ったり、試験に不合格で浪人する人が続出します。
法科大学院に入った後でも、講義の難しさゆえに単位を落としたり、留年する人が後を絶ちません。
3年間でストレートで修了できる人は全体の一握り、1割程度といった具合のようです。
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- 「短答式試験」を受験する。合格したら、次の「論文式試験」を受ける権利を得る↓
- 「論文式試験」を受験する。合格したら、「新司法試験の受験資格」を手にすることができる
「短答式試験」の合格率は例年で約20%程度であり、
「論文式試験」の合格率は、例年で受験者の約20%となっていて、
予備試験の合格率は4%前後とされています。(平成25年度の合格率が3.8%、平成26年度の合格率が3.4%、平成27年度の合格率が3.8%、平成28年度の合格率が3.8%)
予備試験を通して「新司法試験の受験資格」を得るルートは、法科大学院に入る必要がありませんが、合格率が非常に低い超難関試験に合格しなくてはなりません。
極めて難しい、新司法試験
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- 「短答式試験」で7科目の試験がある(憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法の7科目)
- 「論文式試験」で8科目の試験がある(上記の7科目に加えて、倒産法・経済法・知的財産法などの中から1科目を選択する、8科目)
- 新司法試験はそれぞれの問題文章が非常に長いことが特徴的で、問題を解いていてイライラ・くらくらするのは必至
- 「短答式試験」で合格点を取れなかった場合、次の「論文式試験」の答案はそもそも採点されない
- 「論文式試験」では「足切り」の制度があり、仮に8科目のうちどれか1科目でも合格基準点(満点の25%)を下回ってしまうと、ただそれだけで「論文式試験」が不合格にされてしまう
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新司法試験の合格率は、おおむね23%程度です。(平成25年度の合格率が26%、平成26年度の合格率が23%、平成27年度の合格率が23%、平成28年度の合格率が23%)
法律の条文や条例を取り扱う試験だけに、膨大な暗記量が必要なので、もともと試験問題自体が非常に難しいといえます。
そのうえ、科目数が多く、そのせいで得意不得意が生じやすいのがネックです。不得意科目からあると、その科目の得点が低くなるせいで総合得点が低くなり、危険です。
さらに、「論文式試験」で、8科目のうちただの1科目も足切りされるわけにはいかないので、相当のプレッシャーと戦うことになります。
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以上の事柄から判明する、司法浪人が長期化&泥沼化しやすい理由
「新司法試験の受験資格」を得るまでに時間がかかる
法科大学院の入試に合格するまでに、長期的に予備校に通ったり、不合格になったらまた来年受け直しと、すでにこの段階で長い時間がかかります。
法科大学院も3年間でストレートで修了するのは困難で、ここでも3~5年程度がかかるようです。
新司法試験の受験にはとにかくお金がかかりまくる
国立大学の法科大学院でも、年間に80万円程度の学費が必要です。大学院の場所によっては年間200万円もかかるところもあります。
新司法試験に合格するには法科大学院の講義だけでは不十分なので(法科大学院では「論文式試験」の対策講義はなされないため)、予備校にも並行して通い、予備校の学費も別途にかかります。大手法曹予備校の学費は、年間で100万円程度です。
法科大学院で留年したり、予備試験に合格できずに予備校に通い続けると、多額のお金が飛んでいき、どんどん経済的に追いつめられていきます。
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新司法試験の高難易度と、五振制という制度
上の項目で解説した通り、新司法試験の試験問題はすさまじい難易度です。合格率は23%程度で、法科大学院を修了したり予備試験に合格したエリートでさえ、3/4程度の割合は不合格となります。
さらに、新司法試験には「五振制」という制度があり、新司法試験を受けられる回数が5回まで、と制限されています。
このため、「今年は合格する自信が無いし、下手に受験して、不合格になって、無駄に受験限度回数を減らすのはまずい」という考えから、新司法試験の受験を見送る人がかなり多いそうです。(たとえば、2010年度では、司法試験出願者が11000人、試験当日に受験をしなかった人が3000人)
この、新司法試験の難易度の高さと、五振制という制度が組み合わさって、何年も合格できずに司法試験浪人を続ける人が続出する事態となります。
22歳で4年制大学を卒業、↓
5年をかけて法科大学院を修了(この時点で27才)、↓
そこから3年連続で新司法試験に不合格となる(この時点で30才)、
という「30歳で無職かつ職歴なし&法科大学院や法曹予備校の学費で数百万円のお金を費やしてしまった」状況が容易に実現するのです。
新司法試験への挑戦から撤退しようにも、新卒資格も職歴も無い30歳が、まっとうな企業に就職するのはほぼ無理なので、司法試験へ挑戦すると、かなり高い確率で人生が詰みます。
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ネット上で語られる司法浪人の末路
かなり勉強はできるんだろうとは思う。
ただし、勉強ができることと、商才や世渡りの才能は無関係だから、
「司法試験浪人でも、頭が良いんだから、起業なりなんなりすれば良い」
というアドバイスは間違っている。
もしもいつまでも合格できないでいると、以後は生涯フリーターみたいな、
有名大卒業→新卒で大企業入社、という本来の人生ルートよりもよほど悲惨なことになる。
高いプライドをこじらせて、低学歴の人でもできる仕事はお断り!状態になってしまうらしい。
警備の世界には、司法試験撤退組&公務員試験撤退組の職員がめちゃくちゃ多い。
2年続けてダメだったら、その道はすっぱり諦めた方が良い。
そうしないと、浪人5年・10年ということになりかねなくなるし、気持ちもダレて余計に合格できない。
司法試験に一発合格できなかった有能以外には、まともな就職先や仕事がない。
「高学歴の人が、司法試験に突っ込んで、合格できずに人生が破壊される」
っていうのは、高学歴の一番ダメな失敗パターンって言われているんだよな。
それ以外の、生半可な職業に就くのはプライドが許さない。
なので、医者になるために「医学部再受験」とか、
公務員になるために「公務員試験」とか、
さらなる地獄の人生を継続させてしまう元司法浪人が続出する。
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「塾講師」。
勉強の出来ない子ども達を、一段高い教壇の上から見下していく人生を送る。
もはや弁護士が左うちわでいられる時代は終わった!!
近年、弁護士の仕事ががくっと減ってしまっています。
- 2000年:約553万7千件↓
- 2013年:約361万4千件
新受件数が大幅に減っているのに、新人弁護士の市場供給が過多になってしまっているので、新人弁護士の多くが仕事にありつけない無職同然の状況になっています。
弁護士事務所の打つ「消費者金融への過払い金の請求をします!」というCMが増え、依頼者にとっては救いのお金となる過払い金の半分程度を報酬としてふんだくるなど、えげつないと思われる弁護士の仕事も増えてきています。
さらに弁護士と活動分野が被っていて、仕事のパイを奪い合う「司法書士(※不動産や法人の登記の代理や、裁判所・法務局へ提出する書類を作成する国家資格職)」との戦いで互いに消耗してしまっています。
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