「逃げ」というと悪いイメージが抱かれてばかりですが、危険の前兆を感じ取って損害を受ける前に上手く脱出する、というのはじつは高等技術。
逃げの技術の解説です。
逃げの技術
上手く逃げるためには時間的・状況的ゆとりが絶対必要
何かをやっていたり、組織に所属していて、「どうも雲行きが怪しい…」と感じ始めたら、その時点でスパッと見切って逃げることが超重要。
とまどって、その場でまごまごしたままだと、向こう側からどんどん「破滅」が自分の方へと近づいてくる。判断が遅れて「もう逃げられない!」という状況に陥る人は多い。それを回避するには、追い詰められる前に、余裕をもってさっさと逃げるに限る。
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「今後、持ち直すかもしれない可能性」や「これまでにかけた時間的・金銭的コスト」への未練をいかに早く断ち切れるか。そして、いかに早く逃げて「破滅」から十分に距離を取るか。それが逃げの奥義。
「危険な世界」と距離を取る
海外には、傭兵(ようへい)という職業が本当にある。軍隊や民間軍事会社に雇われて、武器を持って戦闘行為を行う兵士を務める仕事だ。
銃器による実戦をする仕事なわけだから、当然、戦場で敵対勢力に無惨に殺されることもありうる。「殺すか、殺されるか、という世界」に身を置くと死が極めて身近になってしまうので、そういう「危険な世界」とは状況的にも物理的にも距離を取ることが大事。
命に関わる危険に限らず、何かのめんどうな負担を負いそうな世界や、負のオーラをまとった人ばかりで構成されたコミュニティーなど、「危険な世界」はそこかしこにある。その世界の性質と方向性を的確に見抜いて、近づくか、距離を取るか、ちゃんと考えて選ぼう。
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「身軽」な方が逃げやすい
商売で、銀行から借金をして高額な機材を購入してしまうと、その後に業績不振で商売をたたみたくても借金返済のためにやめるにやめられなくなる。そのせいで商売の赤字が拡大して、余計に借金が増大してどんどん状況が悪くなっていく。
このように、何かを背負ってしまった人は逃げ足が遅くなっていざという時に困る。高学歴でエリートの誇りをもった人が、大企業での激務で過労死したり自殺したりするのも、背負ったモノが重すぎて逃げられなかった結果といえる。
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「再起のための資本」をいかに傷つけずに逃げられるか
ここで言う「再起のための資本」とはお金・身体の健康・心の健康・自信など。この資本が大きく損なわれたりすると、再起が困難になる。場合によっては再起不能となる。
劣勢において意固地になって踏みとどまっていても、大事な資本がどんどん削られていくばかり。長期的視点で見て最後に勝ちたければ、いかに素早く逃げて、資本を無傷で守り抜くかが大事だ。
「良い逃げ」と「悪い逃げ」の区別
「良い逃げ」の種類
- 何らかのダメージを受ける「悪い状況」へ突入する前に離脱する種類の逃げ。ダメージゼロで逃げられたら理想的。
- 状況が劣勢へと傾いてきたら、以後のダメージをカットするために戦線離脱する種類の逃げ
- 自分の所属している組織や他人から「不当な負担」を押しつけられようとしている状況を回避する種類の逃げ
- 直感的に「やるべきではない」と判断して回避する種類の逃げ
「悪い逃げ」の種類
- なまけたい・楽をしたい・頑張りたくない・恐い、といった感情が原因で逃げてしまう種類。
そういう種類の逃げはクセとなってやめられなくなる。 - 目を覆いたくなる現実から逃げるためにお酒・睡眠・ゲーム・やけ食いのような現実逃避に走る種類
- 総じて言って「戦略的撤退とは無縁の逃げ」
最重要なのは「次へとつなげるために、今は逃げろ」
何かに挑戦していたり、リスクのある物事と向き合っている人が、ほぼ確実に出くわすことになる危機・ピンチ。
こういうとき、次へとつなげるために、いさぎよく逃げることを強く推奨する。
その物事を長く続ける以上、山あり谷ありの状態が当たり前。谷の期間の、一時的な不調時は必ず出くわすので、さっさと逃げて命を次へとつなげるべきだ。長く続けてこそ初めてたどり着けるステージがあるので、そこを目指すための一時的な戦略的撤退は必須。
長期的視野をもてずに、「逃げることは恥!」とか「逃げたら他の人に悪い…」といった風に評価を他人の目に依存している人ほど、劣勢の状況でも逃げずに踏みとどまって壊滅的にやられる。
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財産を根こそぎ持って行かれてビジネスの立ち直りが絶望的になったり、病気のせいで心身に重度の後遺症を負ったり、最悪の場合は死ぬこと(日本の場合、主に自殺が原因)もある。
日本に住んでいると「逃げは軽蔑の対象」なので要注意
日本は伝統的に、耐え忍ぶこと・努力すること・楽をせずに汗を流すことを美徳とする文化がある。そのせいで、自分自身も、周りのみんなも、逃げることに否定的になってしまっている傾向がある。それをはっきり自覚しよう。
この傾向に毒されて、逃げるべき状況でも踏みとどまって、そのまま潰れていく日本人が後を絶たない。近年、ブラック企業での過労被害が問題視されているのも、元をたどれば「逃げを恥だととらえる日本の文化」が大きな原因だといえる。
命あっての物種。逃げを、数ある戦略の1種類としてドライに解釈し、恥とか、楽をして申し訳ないといった日本人的な感情とは切り離そう。
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