幼虫が超高速で生ゴミを分解し、しかも家畜のエサとして有用な、
持続可能な開発に必要な存在として注目を集めている「アメリカミズアブ」という昆虫について解説します。
アメリカミズアブという、持続可能な開発に適した昆虫
アメリカミズアブの、生ゴミ処理役としての価値
幼虫はとにかく生ゴミを食べまくることが、この昆虫の特性
- 1日につき、幼虫の体重の約2倍の重量の生ゴミを食べるという研究結果がある
- 上記の生ゴミの消費ペースを、アメリカミズアブ(ハエの一種)の幼虫は約14日~18日間も続ける
- 「野菜くず(野菜の皮の部分のような食用には使えない部分)」「腐敗した肉や魚や野菜」など、有機物ならたいていは食べる
生ゴミが幼虫によって消費され、良質の堆肥(たいひ)が出来上がる
- 生ゴミが幼虫に食べられて分解された結果、堆肥(自然に発酵・腐熟させて作った肥料)ができる
- 堆肥は、野菜の栽培のための土壌に加える栄養剤として利用することができる
- 生ゴミが土中の微生物によって分解されるスピードの、数倍~数十倍の速度で分解する
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アメリカミズアブの、家畜用の飼料としての価値
アメリカミズアブの幼虫は、タンパク質を豊富に含む優秀な飼料
- 生ゴミを分解して成長した幼虫は、家畜や魚類の飼料として優秀な働きをする
- 「養鶏」「養豚」「養殖漁業」などに用いられる
タンパク質源として、アメリカミズアブの育成は費用対効果が非常に大きい
- 10kgの重量の飼料で家畜を育てた場合、可食タンパク質量は牛→約1kg・豚→約3kg・鶏→約5kg
- これに対して、アメリカミズアブの幼虫は10kgの重量の飼料で約9kgの可食タンパク質量を得ることができる
アメリカミズアブの有効活用によって、ゴミ問題と飼料不足の問題が解決か
生ゴミを高速で分解できて、肥料まで得られる
- 生ゴミを微生物で分解するよりも、アメリカミズアブの幼虫に分解させた方が圧倒的に早い
- 分解によって有用な肥料が早めに得られるうえに、アメリカミズアブを繁殖させることで「家畜や家禽の飼料用のタンパク質」も次々と得られる
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食糧不足を招いている「飼料不足」も問題解決に向かう
- 家畜・家禽を育てるためには、
大量の飼料・栄養源としてのタンパク質が必要であり、その確保が困難であるせいで、「畜産は高コスト」という問題が昔から存在している- アメリカミズアブの幼虫なら、生ゴミ処理の過程を経た蛹化前の幼虫を飼料として利用できるので、飼料不足の問題の解決の糸口になりうる存在
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