頭脳流出(専門的な知識や技術を持つ人が、条件のよい海外に移住すること)という現象で国が受ける悪影響と、
頭脳流出が起こる原因について解説します。
「頭脳流出」という現象による、国が受ける2つの悪影響
1「優秀な人材達がいなくなることで、国家の力が減退する」
- 研究者
- 技術者
- ビジネス分野において、優れた経営手腕や秀逸なビジネスアイデアをもつ人材
- 上記のリストのような優秀な人材達が海外へ流出してしまうことで、国の技術力・経済力が停滞あるいは減退してしまう
2「ライバル国の人材が充実することで、自国が競争で不利になってしまう」
- 頭脳流出現象で国外へ出て行った有能な人材達が、ライバル国(技術力・経済力において、自国よりもやや上の国である場合が多い)で能力を発揮してしまう
- ライバル国の技術力・経済力の成長が加速することによって、自国が競争で負ける可能性が高くなっていく
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技術力・経済力における競争に勝っている国は、国際的な注目度が高くなることで、
・他の国々から、ますます有能な人材達が移住するようになる
・その国の成長性・将来性に目を付けた国家群が、あれこれと投資をするようになったり技術提携・資本提携を持ちかけるようになり、国の発展が加速する
というように、
勝っているからその後もますます勝つようになるという『正のループ状態』に突入するようになります。
「頭脳流出」が起こる原因と、頭脳流出の実例
自国の政治体制に希望が持てないので、外国へ移住したくなった
- 「独裁国家」であり、国民の権利が大幅に制限されている
- 「旧共産主義国」であり、現代でも昔の体制を引きずっていて社会主義が国にまん延している(国家側の都合で、国民達を弾圧することや国民の私財を一方的に徴収することが起こる)
- 政府側の人間達の間に汚職・腐敗がまん延していて、そのせいで国が良くなる見込みが無い
本項目の具体例:冷戦時代のソビエト社会主義共和国連邦
- 国が共産主義であったため、いくら優れた才覚・技術があったとしても、それが自身の報酬に反映されない
- 冷戦体制のせいで西側(欧米の資本主義諸国のこと)との交流がほぼ断絶しており、情報が遮断されているせいでソ連の研究・技術の発展がいちじるしく滞っていた
- これらの理由から、ソ連の有能な研究者達・技術者達が大量に欧米へ頭脳流出した
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「より良い待遇や報酬」を求めて、大国へ移住したくなった
- 高額の労働報酬
- 世界最先端の研究・開発ができる環境
- 研究やビジネスの世界でトップクラスの国であるため、その国で名前を上げれば世界中に自分の名前が知れ渡る、という魅力的な状況
本項目の具体例:アメリカに、世界中の有能な人材達が集まってくること
- EU
- 中国
- 韓国
- 日本
- ロシア
- アフリカ大陸の国々
- 上記のリストのような国・地域の、最上級の才能・頭脳をもつ人材達が、高額報酬や先進的な仕事環境や社会的ステータスを求めてアメリカへ移住することが非常に多い
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