「産油国(石油を産出し、輸出する国)」の強みと弱みをそれぞれ解説します。
「産油国」の、主な2つの強み
1「地面を掘れば、大金で売れる原油が採れる」という美味しすぎる状況
- 本項目が、産油国を特別な強国たらしめている最たる理由
- 数ある産油国の中でも世界への影響力が大きい国では、栄華を極めているかのような贅沢な暮らしを続けている国も存在している(ドバイなど)
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2「主要なエネルギーの生産量を左右できることを背景にして、大国に圧力をかけることができる」
- OPEC(石油輸出国機構)は、その時々の世界情勢・原油の需要状況に応じて、石油量の増産あるいは減産を決定している
- 上記の決定には大国(アメリカ合衆国が筆頭)と、OPECに加盟している国々との政治的駆け引きが含まれることが多く、OPEC側が有利な条件を引き出すために産油量を調整する
- 原油を原料にして、
「灯油・ガソリン(エネルギーとして極めて重要)」「プラスチック」「合成繊維」「合成ゴム」などが作られ、いずれも人々の生活と産業に不可欠であるため、原油を産出できる産油国に頭が上がらない輸入国が多い
「産油国」の、主な2つの弱み
1「いつの日か、国内の原油が枯渇する日がやってくる」
- 本項目が、産油国が最も懸念すべき弱み
- 原油(海のプランクトンの死骸が数千万年かけて変質したものであるという説が有力)が生まれる速度よりも、人間によって採掘されて消費される速度の方が明らかに大きいため、たとえ油田を新規開拓し続けてもいつの日か原油が無くなってしまう
- 資源ビジネスにあぐらをかいて技術の新規開発や研究をおろそかにしていた場合、原油が枯渇した元産油国はどん詰まりになってしまう
(ただし、アラブ首長国連邦などは、原油で儲けたお金を元手にして国内のリゾート開発を進めたり金融業を成長させたりと、原油枯渇後を視野に入れた対策を取っている)
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2「資源の価値」は不安定であり、ある日無価値になる危険性がある
「石油以上に効率的な新エネルギー」が開発される可能性が高い
- たとえば、将来的に「核融合反応」を低コストで安定的に起こせるようになればエネルギー革命が起こり、エネルギーとしての石油の価値は暴落すると言われている
その時々の世界情勢によって原油の価格が変動しているため、資源価格が安定しない
- たとえば、2020年4月20日に、
新型コロナウイルスの世界的流行のせいで、米国産WTI原油の先物価格(5月物)が1バレル=マイナス37.63ドルを記録するなど、原油価格は安定しない- 新型コロナウイルスの世界的流行により、世界の経済活動が停滞・縮小し、それによって原油の需要が大幅に低下したことが上記の事件の引き金になった
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