現代で本が売れていない状況と、本が売れない原因を調査したので、分かったことを報告します。
新刊の発行数は上がっているが出版の市場規模は縮小中
紙の本の販売総額は右肩下がりになっている
販売額のピークは1996年の2兆6564円で、2013年時の売上は96年比で37%減
その一方で、書籍の新刊発行数は上昇傾向にある
新刊発行数まで減っていたら本好きとしては絶望でしかないのですが、一安心です。
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しかし、
- 本が売れないから(それをカバーするために)たくさん作る、典型的な自転車操業
- 本が増えると書店に並びきらない、並ぶ時間も短くなる、返品、品切れ絶版も増える
- 出版社は資金繰りのために、返品を上回る納品(本)を作らなければならない
というような、まるで重病人に点滴や投薬をしまくって少しでも長く生き続けさせる、というような延命措置的な出版社側の事情もあり、出版業界は苦しい状況にあると言わざるを得ません。
本が売れない現象の、出版社側の原因
本の刊行点数の「ノルマ」がある
ほとんどの出版社には、「毎月○日に、4点の書籍を出版しなければならない」といったノルマがあります。
このノルマをクリアするためだけに、売れるわけがないようなつまらない本も次々と出版せざるを得ず、本の売上不振と、出版費用の赤字が積み重なっていきます。
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本の再版では「定価販売」が義務づけられている
出版業界では、本を再版する場合には「定価販売」をすることが義務づけられています。
そのせいで、話題性が落ちて売れなくなった本を書店側の判断で割り引きする、といったことが不可能であり、本が売れなくなります。
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書籍の粗製濫造のせいで出版社自身がダメージを受ける
新刊を出しまくる自転車操業を続けていても、本の返品率が40%と非常に高いので、売れなかったせいで赤字になったり、書店から本を返品する際の送料を出版社側が負担することで、出版社側が受けるダメージが増え続けていきます。
本が売れない現象の、消費者側や社会変化での原因
現代で本が売れない理由
- 消費者が「スマートフォンによる動画視聴」「スマートフォンによるソーシャルゲームのプレイ」といったことにお金と時間を費やすようになり、本の価値が相対的に落ちた
- 消費者が情報源としてインターネットを活用するようになり、本の必要性が低下した
- 少子化による日本の人口減少で、本を買う人間の数自体が減ってきている
- インターネットと連携するようになった図書館で、本を手軽に検索&予約して取り寄せ&無料貸し出しできるようになり、わざわざ本を買わなくても済むようになった
- 「ブックオフオンライン」「駿河屋」「amazonのマーケットプレイス」といった通販サイトで古本が格安で購入できるようになったので、本を新品で買わないようになった人が増加した
安くて便利な古本通販サイトも出版不況に一役買っている
古本を格安で買えるブックオフのネット店版の「ブックオフオンライン」
古本はもちろんゲームやフィギュアや同人誌など何でも安い「駿河屋」
これらの中古本通販サイトの台頭で本が新品で買ってもらえない状況も、出版不況の原因の一つです。
「電子書籍」ってどうなの?
- 電子書籍の市場規模は、年々順調に拡大している
- しかし、売れている電子書籍は「コミック」が大部分で、文字がメインの書籍はそれほど売れていない
- 電子書籍の市場規模は、紙媒体の書籍の市場規模の約10分の1程度しかない
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紙の本の市場規模と電子書籍の市場規模の比較グラフ
「amazon」では、電子書籍の販売と、電子書籍を読むための端末「Kindle」の販売に意欲的です。
amazonをリーダーにして、日本の各種の電子書籍サイトが努力し続ければ、日本での電子書籍市場はこのまま拡大を続けていけると考えられます。
これからは町の本屋ではなく、ネット上で本を買う時代へ
- 1992年にあった書店の数は、約2万2500店
- 2002年にあった書店の数は、1万9946店
- 2012年にあった書店の数は、1万4696店
アルメディアの調査結果より
- 実店舗にはベストセラー本や直近に発売された本しか置いていないが、通販サイトは絶版本以外はほぼ全て取り扱っている
- 実店舗に置いていない本を取り寄せる場合には1週間~1ヶ月程度かかるが、通販サイトなら即日発送・翌日発送が当たり前
- 本の名称で検索をかけるだけで簡単に見つかるなど、書店で本を探すよりも圧倒的に手軽
- わざわざ店まで徒歩や車で移動する必要が無い
- 電子書籍の場合、サイト上で最初の十数ページを試し読みすることができ、カバーがかけられて閲覧不能の本よりも中身を知りやすい
- 本をまとめ買いしても、本の重さに悩まされることなく、自宅へとすぐに配送される
- 店員がいるレジへ出すのが恥ずかしいと感じる種類の本も、誰にも知られることなく購入できる
- 金銭損害によって実店舗が閉店する大きな原因となる、「万引き」の被害とは無縁でいられる
- 値段が安い中古本や、絶版本を取り扱っている通販サイトも多数存在している
配送が早く、しかもほとんどが配送料無料、欲しい本をキーワード検索してすぐに見つけ出せる便利さから、現代の若者はネット通販で本を買うのが主流になっています。
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