動物の猫は、そのとびっきりの可愛さと、家の中でネズミをとってくれるという役割から、人間とともにずっと暮らしてきました。
長く人間と生活に共にしてきたせいで、猫にはさまざまな不思議な言い伝えがあります。
可愛い猫に隠された、ちょっと恐くて魅力的な猫のオカルト話を解説します。
1.「猫には9つの命がある」
- 「猫には9つの命がある」という言葉は、「猫はたくさんの命を持っていて、9回も生まれ変わることができる」という意味の迷信
- この迷信の元ネタは「A cat has nine lives.」という英語のことわざで、直訳すると「猫は9つの命を持つ」。livesはlife(命)の複数形。
- このことわざは「しぶとい奴」「執念深くて、殺しても死なないような奴」などのような意味合いで使われる
- 「A cat has nine lives.」のことわざの発生源は諸説あるが、
有力な説は、古代エジプトで「高いところから落ちても死なない猫には魔力が宿っている」と考えられ、
古代エジプトで神聖な数字とされた「9」が使われた、というもの
「猫はたくさんの命を持っていて、9回も生まれ変わることができる」という迷信にも説得力があるほど、猫という動物は生命力が強いです。
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高所から落下しても身体を上手くひねって足から着地し、多くの場合は無傷で済みます。
2.「猫を殺した人間は猫にたたられる」
猫は執念深く、しかも魔性の動物なので、猫を殺すと子々孫々まで殺した猫に呪われる、という意味。
「猫が執念深い」とされる理由ですが、猫は犬よりも脳の記憶中枢が発達していて、記憶力に優れることが執念深いと解釈されているようです。
危険な物・危険な場所を長く憶えていて危険を回避している猫の様子が、「猫は昔のことをよく憶えているから、執念深いに違いない」と人々に恐れられたと考えられます。
3.「黒猫は不幸を運んでくる」
「黒猫が自分の前を通りすぎると、不幸な事が起こる」という迷信が昔から語り継がれていますが、黒猫を不吉な存在と見なす文化と、黒猫を幸運の象徴と見なす文化に分かれています。
- ヨーロッパで魔女狩りが行われていた時代に「黒猫は魔女の使い魔」という迷信が広まって、
魔女疑惑をかけられた女性といっしょに、街に棲息する黒猫も狩られてしまった - 16世紀のイタリアでは、病人のベッドに黒猫が寝そべると、その病人は死ぬと信じられていた
- 黒猫を不吉と見なすのは「月夜に黒猫が横切ぎると、横切られた者が流行病で死ぬ」というアイルランドの迷信が起源
- 西欧の文化影響を受けにくかった島国の日本では、黒猫は「魔除け」「商売繁盛」「幸運」の効果がある縁起の良い動物とされた
- イギリスでは黒猫を幸運の象徴とし、黒猫を飼っていると海難事故を避けられると信じられていた
- フランスでは黒猫を大事に世話をすると、飼い主に富をもたらすと信じられていた
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黒猫が不吉な動物とされたのは、全身が真っ黒なので闇にまぎれやすく、暗闇の中で目だけが光を反射して光っていたり、その状態で口を開けると赤い口腔内と白い牙が見える様子が怪物的であったので、不幸の象徴と見なされてしまったと考えられます。
4.「長生きした猫は妖怪化する」
「10年間生きた猫は化け猫になり、20年間生きた猫は猫又になって人間を化かす」という迷信。
「化け猫」と「猫又」の区別はあいまいです。
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- 「20年間生きた猫」が猫又になるといわれる
- 「しっぽが二股に分かれている」「人語を理解して人語を話す」「大きな身体をもっている」「人間に化ける能力をもつ」などといった特徴がある
- 人に害を及ぼす猫又もいれば、元の飼い主に恩返しをする猫又もいる
猫という動物がなにかと「魔性をもつ」と見なされやすいのは、犬よりも気まぐれで行動を制御しづらい・時刻によって瞳の大きさが変わる・なついていたかと思うと急に爪で引っ掻くなど気性の荒さを発露することがあるなど、数々の「得体の知れ無さ」が原因です。
5.「死期を悟った猫は姿を消す」
昔から「死期を悟った猫は、飼い主の前から姿を消す」と言い伝えられ、実際にそのような事も起こるようです。
「死期を悟った猫は、飼い主の前から姿を消す」ことの理由は、複数の仮説があります。
- 怪我・病気・老衰などで弱った猫は、「自身が弱った姿を外敵に見せるのは優先的に狙われてしまうので危険」と本能的に屋外に身を隠してしまい、そのまま死んでしまうという説
- 猫が外を散歩している時に交通事故に遭って死んでしまったので、帰ってこない飼い猫を「死期が近いのを悟ったから、姿を隠してしまった」と飼い主が解釈する
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