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手塚治虫作「ブッダ」のトラウマシーン&印象的なシーン

 

手塚治虫作の漫画「ブッダ」の、

トラウマシーンと、心に残る印象的なシーンのそれぞれを解説します。

 

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手塚治虫作「ブッダ」の、トラウマシーン&印象的なシーン

未来を見通す能力があるアッサジが、
自身が死ぬ運命を予知していたうえで、その運命通りに獣に自身を喰わせるストーリーがトラウマであり、印象深い。

 

作中でトップレベルに可愛くて、陰鬱なストーリーでの清涼剤だったユーデリカが処刑されて、
ユーデリカのことが好きだったアジャセ王子がそのことに激怒して、
父親である国王への復讐・報復を決意する展開。
この展開を境界にして、だんだん運命がアッサジの予言(国王は、息子の王子に殺される)の通りに傾いていくことが印象的。




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ナラダッタが、動物を酷使した罪で、アシタ聖者に畜生道に堕とされて、一生野山で生きるはめになったこと。
ナラダッタは人命救助のために動物に動いてもらっただけで、ナラダッタより罪深い人間がいくらでもいるのに…。

 

苦行林で、修行僧達が宗教の方向性の違いから内乱状態になって人間の愚かさが顕在化した展開は、
苦行≠救い・悟り、というシッダルタの結論と一致していて心に残った。

 

ダイバダッタが幼児の頃に、飲み水を独占しようとして石を凶器にして級友を皆殺しにしたこと。
極めて野蛮なバンダカの息子だけあって、すでに幼児の時から強い暴力性を備えていて、それがトラウマだった。

 

幼児のダイバダッタとナラダッタが山の中で、大きいハチの群れと小さいハチの群れの戦争に立ち会うシーンが印象的。
小さいハチの群れが敗れて巣の女王バチも幼虫も皆殺しにされて、
「強い方が生き残り、栄える」
という自然の原則をダイバダッタが胸に刻み込むシーンが記憶に残る。




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断食の苦行で全身が干からびて死の寸前だったシッダルタに、
子どものスジャータが乳粥をあわてて食べさせて救ったシーンが印象的。
コーヒー用フレッシュミルクで有名なブランド・スジャータの名前は、上記の仏教のエピソードがモデル。

 

コーサラ国王・パセーナディが、自身の子どものルリ王子に王位を奪われて山奥に幽閉される展開がトラウマであり印象的。
筋肉でたくましかった身体も痩せ衰えてヨボヨボの老人になってしまい、最後は他国の王に頼る希望も潰えてのたれ死ぬ展開が、諸行無常を感じる。

 

私怨でシャカ族を奴隷化していたルリ王子が、
ブッダとの何日にもわたる問答の末に自身の過ちを悟り、シャカ族を奴隷の身から解放したシーンが心に残る。
解放されて歓喜するシャカ族と、憑き物が落ちたように楽な表情になったルリ王子のそれぞれが印象的。

 

愛の無い結婚のせいで薬物に頼っていたヴィサーカーが、
後年にブッダと再会した時に、薬物中毒のせいですっかり廃人になっていたことがトラウマ。

 

アヒンサーの最後(地割れの底で、酸欠で死亡)が印象的。
アヒンサーが連続殺人犯になった原因は同情の余地があるものの、
それでもやっぱり悪行を重ねてきた彼自身の責任も消えるはずはなく、ブッダの説法で最後には少しだけ救われて穴の底で死ぬのが心に残る。

 

ダイバダッタの生涯そのものが心に残る。
どん底の境遇が這い上がって、一国の王の側近にまで成り上がり、知恵にも美貌にも恵まれて成功者そのものという人生だったのに、
ブッダへの嫉妬と権力欲のせいで、ブッダの毒殺に失敗して毒で自滅する最後が、なんとも言えず切ない。




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タッタが、ブッダに師事して心が穏やかになっていっても、
・幼少の頃から胸に抱いていた復讐心
・タッタの、生まれつきの粗暴な気質
には逆らえずに、コーサラ国への復讐のために戦争に参加して戦死したこと。
宗教の力の限界を感じさせる展開。

 

弱小民族でプライドだけは高いシャカ族が、強大なコーサラ国にせこい嫌がらせをしては踏みつけにされて、
ブッダ(シャカ族出身)の尽力のおかげでいったんは許されても、懲りずにコーサラ国へ戦争を仕掛けて、結局あっさりとコーサラ国に滅亡させられたことは、
ブッダの「これがシャカ族の運命なのでしょうな…」というセリフもあいまってずっと記憶に残っている。

 

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