21世紀の現代の世界で、戦争の原因パターンを解説します。
現代世界での、主な戦争の原因
1「内戦」
- 現代世界では、本項目のタイプの戦争が最も起こりやすい
- だいたいの場合で、「独裁政権(正規の軍隊を抱えている)」と「反政府組織」との武力衝突というのが内戦の原因
本項目の具体例:シリア内戦
・現アサド政権(アサド大統領はイスラム教におけるアラウィー派(シーア派(イスラム教の二大分派の一)の中の一派がアラウィー派))
・反乱軍(反乱軍は「スンニー派(イスラム教の二大分派の一であり、シーア派と対立している)」に属している)
シリアでは、現政権(大別すると、シーア派)と反乱軍(スンニー派)が対立し、長期間、国が内戦状態になっている。
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2「代理戦争」
- 代理戦争(戦争や内乱に際して、当事国以外の大国がいずれかの側を支援し、あたかも大国の代理で当事国が戦っているかのように見えるもの)という戦争の原因パターンも、現代世界では内戦に次いで多い
- 「地政学的に重要度が高い国で、内戦・民族紛争・他国との戦争が始まった」という状況を、複数の大国に利用されることで代理戦争が開始する
- 「その国を軍事支援して恩を売ることで、将来的に、支援国に従順な政権を樹立させたい」「戦争兵器の実験場にしたり、兵器を使った実戦データの収集」「戦争兵器を売りつけて、自国の軍需産業をうるおさせる」などが主な目的
本項目の具体例:シリア内戦を裏側から支援する、複数の大国
・現アサド政権側には、ロシア・イラン・中国が付いて軍事支援している
・反乱軍側には、アメリカ・サウジアラビア・イスラエル・カタール・トルコが付いて軍事支援している
本記事のシリア内戦は、「シリアに政治的影響を及ぼして、自国にとって有利にシリアを動かしたい」「シリアでの、石油などの利権を得たい」などの複数の大国の思惑から、代理戦争の場になってしまっている。
(代理戦争の場にされた場合、戦争中の両陣営に延々と兵器・物資が供給され続けて戦争が長引くため、戦争当事国は地獄の様相を呈することになる)
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3「自国の経済状態がめちゃくちゃになったから」
- 経済政策について失政が連続し、国内の経済状態がめちゃくちゃになった
- その国が国際法の違反を繰り返したせいで、諸国から経済制裁を科せられて、国内の産業がとどこおり経済状態がめちゃくちゃになった
- 上記のリストのような状況になり、「国民の不満のほこ先を、侵攻先の国へ向けるため」「他国を併合して多大な経済的利益を獲得し、国内の経済を立て直すため」といった目的で戦争を起こす
本項目の具体例:ロシアの、ウクライナ侵攻
・以前から、「あれこれの国際法違反」「クリミア(ウクライナの領土)を強引に併合したこと」というロシアの所業のせいで各国から厳しい経済制裁が科され、その影響で国内産業が行き詰まっていた
・そのうえさらに、コロナ禍(2019年~2022年)のせいでロシア経済が停滞してしまった
ロシアが隣国のウクライナへ軍事侵攻を開始した理由は諸説あるが、
「ロシアの深刻な経済苦が背景にあり、起死回生策としてウクライナを併合して経済力を吸収するため」という説が有力なものの1つ。
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過去世界では「他国を傘下におさめるため、他国へ侵攻する」といった単純な理由で国同士の戦争が起きていましたが、
現代世界では、
・兵器が高度化したため、核戦争(さらに、それを起点とした第三次世界大戦)へ発展する危険性が高くなった
・国同士が経済的に相互依存することが当たり前となったため、うかつに戦争ができなくなった
・「国際秩序を保つこと」が何よりも重視されるようになったため、先に戦争を仕掛けた国は、世界各国から何重にも経済制裁を科せられて経済的に干上がる運命
このような事情からストレートに戦争を仕掛けることがほぼ不可能となり、
戦争が勃発したとしても、開戦理由が傍目には分かりにくくなっている場合が多いです。
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