独裁国家が国民を統制・支配するために用いる、主な方法を解説します。
独裁国家が国民を統制する、主な3つの方法・手段
1「反乱分子を、反乱前に見つけ出して潰す」
- 反政府デモを起こしている人々を、警察隊が連行して処罰を加える
- 反体制的な思想をもつ人物を、他の国民達に密告させて発見する（密告者には何かしらの報酬が与えられる場合が多い）
- 国内でのインターネットを検閲し、体制にとって不都合な書き込み・コンテンツは、強制的に削除したり投稿者を逮捕する
- 「反体制をかかげる活動家」は、放っておくとのちのち革命運動の中核的人物になりかねないため、特に念入りに探し出して潰す
本項目の具体例：ソ連で実行された大粛清
1930年代にソ連で為された極めて大規模な粛清であり、革命・国家への反逆をもくろむ者と見なされたり疑われた一般国民・ソ連共産党内の党員が銃殺刑・強制収容所送りにされた。
粛清された人々の中には、無実の国民・党員も多く含まれていた。
一連の大粛清によって死亡した人数は約68万人にも上る。
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2「思想統制」
- 自国の偉大さ・素晴らしさを繰り返しアピールし、
国民に国粋主義（自国民および自国の文化・伝統を他国より優れたものとして、排外的にそれを守り広げようとする考え方）を根付かせようとする - その国家とは違う自由主義の国・文化をことあるごとに否定し、それらの国・文化は間違ったものであると繰り返しアピールする
- 上記のリストの物事を、「TV番組などのマス・メディア」「子ども達の教育」などを通して実施し、国家体制への忠誠心を高めようとする
本項目の具体例：現代の中国における思想統制・言論統制
・中国におけるマス･メディアでの報道内容
・書籍内での言論
・中国国内におけるインターネット上での言論
現代の中国ではこれらに厳しい規制が設けられており、
同時に、マス･メディアや教育分野を利用して、中国の社会主義的体制の正当性を繰り返し国民にアピールしている。
3「国民に利益をもたらし、それによって国家体制への支持を強固にする」
- 独裁体制による強権を活かして計画経済（政府のつくる計画に従って生産および分配が行われる経済制度）を実施し、それによってハイペースで国の経済力を向上させていく
- 「食料」「燃料」に多額の補助金を出すことで市場価格を低くし、国民の生活費を低く抑えることで暮らしやすくする
- 上記のリストのような、「アメとムチ」のアメを与えることで、国民達が国家体制を支持するように仕向ける
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本項目の具体例：ロシアでのプーチン政権による、国内経済の安定化と発展
1991年のソ連崩壊後が原因でどん底状態にあったロシアの経済状態を、
第1次プーチン政権期（2000年-2008年）はロシア国内の石油・天然ガスの輸出産業をベースにすることで急速に経済を立て直し、
この政権期においてロシアの名目GDPは倍増（2000年-2008年の実質GDP成長率は年平均で7%）という快挙を遂げる。
この実績が、現代でもロシア国内でプーチン政権が国民に支持される大きな要因になっている。
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