「若者のお金離れ」という状況が長期的に続いた結果、その状況に適応した若者達が身につけた新しい価値観や新しい消費スタイルについて調査したので、分かったことを報告します。
お金が無い生活環境で若者に定着した、新しい価値観
貯蓄にはげむ
将来的に年金がもらえなくなる可能性が高いことや、自分の雇用状況や、日本の未来そのものが不安であることから、仕事で稼いだお金の大部分を貯蓄へ回して将来へ備えています。
スマフォであれこれ完結させる
スマートフォンをいじって知識欲を満たしたり暇つぶしをする若者が非常に多い状況です。
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スマフォで遊べるソーシャルゲームは無課金プレイでもそれなりに楽しめるなど、スマフォを通して味わえるコンテンツは無料のものが多く、無料ゆえに若者に好まれています。
「無料」への強い執着
ソーシャルゲームの多くが基本無料でプレイできることからソーシャルゲームを好んで遊ぶことに見られるように、無料で利用できるサービスに強い執着をもっています。
無料であるのが当たり前、という意識が先行するあまり、たとえばネット上でプロのイラストレーターがお金を取って仕事をしようとするとそのことへ嫌悪感を抱く、といったこともよく起こります。
健康に悪い娯楽をわざわざやろうとしない
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- たばこは身体に悪いし、社会からのイメージも悪くなってきているから、やらない
- 酒は身体に悪いしトラブルの元だから、ほとんど飲まない。飲んでも、居酒屋ではなく安上がりの宅飲みを選ぶ。
ブランドへの信仰が消え去った
- 有名なブランドというだけでは、むやみやたらに購入しなくなった
- ブランドものを好んで買っている人達を軽蔑する若者も多い
- 低価格のわりには高品質な海外製品を「良い」と評価するようになった
「安いこと」に価値がある
高額で高品質な商品よりも、安くてそこそこの品質の商品を好んで購入する傾向が強いです。
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日本でも格差社会化が進行し、若者を含む低所得層が増えてきているので、安さを売りにした商品やサービスがメインになりつつあり、若者がそれを享受するうちに「安いこと」に価値を見出すようになりました。
恋愛は、単なる趣味の一種まで価値が下落
お金が無いから恋愛ができないと言うよりも、そもそも最初から恋愛行為や異性への興味が薄いという若者が多くなっています。
恋愛は、一部の恋愛行為が好きな人達だけが楽しむものであり、若者達にとって恋愛とはただの趣味の一種という価値観が支配的です。
あまり外出をしない
自宅でスマートフォンをいじってソーシャルゲームやネット閲覧やSNSをやることが増え、そのことで外出する機会が大幅に減っています。
外を出歩かないので、飲食店や洋服店やカラオケのような娯楽施設へお金を落とすこともあまり起こりません。
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「べつに、豊かでなくてもかまわない」という価値観の定着
ゆったり働けて労働環境が良い企業の正社員や、派遣社員や、フリーターのような働き方で、そこそこ稼いで無理をせずに生きるのが一番、という価値観が若者の間に定着しつつあります。
必死に働いてがっつり稼いで贅沢するのが最高の幸福、という高度成長期からバブル期の間までの価値観とは対照的です。
最初からある程度満たされているせいで、低欲望
現代の若者は、生まれた時から自宅にエアコン・各種家電・自家用車があるのが当たり前。最高の暇つぶしツールであるスマートフォンも親から買い与えられます。
生まれた時からある程度満たされているせいで、必死に働いて必要な物を買うということをしなくなり、自然体で低欲望状態でいます。
バブルの異常時から、適正値へ戻っただけなのかも
- バブル経済は、1985年の「プラザ合意」によって急激に円高ドル安になり、そのことへの対策として日本銀行が借金金利を大幅に下げたことが発端
- 借金金利が下がったことでお金が借りやすくなり、土地や株式を購入しやすくなったことで、地価や株価が異常に高騰した(この状態がバブル経済)
- 地価や株価の異常な高騰が起こった原因は「もっともっと価格が上がるに違いない!」という国民達の勘違いによる部分が大きく、
バブル経済はただの病的な経済過熱で、日本本来の実力からはかけ離れている
「バブルの時は良かった…」という声をよく聞きますが、バブルとはその名の通り泡(あわ)のように中身が空洞のまま経済が病的に膨らんでいく状態であり、その国の経済の実態からはかけ離れた状況です。
なので、「バブルの頃は良かったのに、それに較べて今は…」というバブルの再来を願う考え方はズレています。
バブルがはじけて国民みんながらんちき騒ぎを止め、日本本来の経済レベル・価値観という適正値へ戻った状態が現代の若者である可能性が高いと思われます。
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