現代の若者達が、根性論・精神論をほとんど信じない理由について調査したので分かったことを報告します。
現代の若者が根性論・精神論を信じない、4つの理由
1「現代の若者は、性格が冷めているから」(これが最大の理由)
- 「物事へ傾ける、情熱そのもの」を失っている若者が多い傾向にある
- 「がむしゃらに頑張ること」よりも、「情報検索などの手段によって事前に正解を知り、労せずに良い結果を得るべき」という考え方をしている
2「現代の日本は、根性論や精神論を正当化できる状況ではないから」
過去の日本と、現在の日本の、各種の状況の違い
戦後~バブル経済期まで | 現代 | |
---|---|---|
国の経済成長 | 右肩上がりの成長だった | 約30年間、経済が停滞している |
国民の人数 | 戦争で人が減った反動で、出生数が急増し、国に活気があった | 少子化によって子どもの数が減少し、国から活気が失われている |
国民の雇用状況 | 終身雇用制度が存在し、生活が安定的でみんな安心できた | 終身雇用制度が崩壊し、生活が不安定でみんな不安になった |
「経済格差」の有無 | 戦争によって、既存の経済格差の多くがリセットされた | 戦後から時間が経ち、経済格差が固定化されつつある |
「戦後~バブル経済期の期間」と比較すると、現代の日本は色々な意味で閉塞感が強い状況になっています。
根性論・精神論で頑張れば頑張っただけ見返りがあった「戦後~バブル経済期の期間」と違って、
現代では努力が報われにくい状況になっているため、現代の若者達は根性論・精神論をあまり信用しません。
スポンサーリンク
3「ネット由来の豊富な情報によって、若者達が色々と悟っているから」
- たとえば、
「職場において、上司が部下に根性論・精神論を説いて、とうてい達成不可能の目標を達成させようとしたり、労力を不当に搾取しようとしていること」を、
現職者達がネット上へリークし、若者達がそのリーク情報をスマートフォンなどを介して知っている - 根性論・精神論にのっとってオーバーワーク状態になっても、
オーバーワーク状態ではかえって作業の効率が低下する研究結果がいくつも存在し、そのことをネット由来で若者達が知っている
生まれた時から社会にインターネットが普及し、子どもの頃からスマートフォンを所持している「デジタルネイティブ世代は」、
ネットを介して得られる数々の情報によって、ある種の達観状態になっている傾向があります。
そのため、実際には効果が低い根性論・精神論、悪意をもって利用されることが多い根性論・精神論を拒絶しやすいと考えられます。
4「最初からある程度満たされているせいで、根性で頑張る必要性を感じないから」
- 若者が生まれた時から、両親が用意してくれたTV・クーラー・PCなどの便利な道具が自宅に一通りそろっている
- 両親から買い与えられたり自分で買ったスマートフォンがあれば、ネット閲覧などで際限なく暇つぶしができたり、ソーシャルゲームなどで遊ぶことができる
- 月額定額で映画やドラマやアニメを見放題の安価なネットサービスなども、現代では充実している
戦後の日本国民が精力的に仕事を続けることが出来た理由は、
自身の生活を改善するためのテレビ・洗濯機・冷蔵庫といった家電や、自動車を、仕事でお金を稼いで購入するため、という働く動機がはっきりと存在していた部分が大きいです。
スポンサーリンク
現代の若者は生まれた時点から生活が豊かであり持ち物が充実しているため、そもそも根性論・精神論にのっとって頑張って働く必要性が無い、という側面があります。
現代の若者の努力についての考え方と、根性論が有効な場面
現代の若者の努力についての考え方
- ネット検索などを活用することによって、
「事前調査により、最も効果的な方法を選択することで、最小の労力で最大の効果を得る事ができる」
と信じている - 「前例の、失敗に関する情報」「努力を成功させるための、ヒントになる情報」がネット上に大量にあるのに、それでもなお努力が失敗することは恥ずかしすぎる、という認識が若者間に存在している
- このせいで、「失敗する可能性がある、努力行為」自体を避けてしまう傾向もある
- 「今の時代で頑張ること」「今の時代で努力をすること」自体を、ダサい・無駄ととらえている若者も、それなりの数が存在している
根性論・精神論が有効な場面
- そのやり方が明らかに正解であり、根性・精神力でそのやり方を長期的に継続して問題を解決する必要がある場面
- 「まだ答えが不明であり、答えを模索するために長期的な試行錯誤が必要」なので、忍耐力と精神力をもって試行錯誤し続けるべき場面
- たとえば「明日の締め切りまでに、どうしても課題を仕上げなくてはならない」というような差し迫った事態で、根性と精神力によって長時間作業をし続ける必要がある場面
- 「大きな夢を叶える」など、他者達よりも抜きん出て成功するために、年単位での努力の継続が必要になる場面
「方法論が誤っているので、事実としてやるだけ無駄という場面」全般では、根性論・精神論は無意味です。
それに対して、
スポンサーリンク
上記のような「根性論・精神論が有効な場面」においては、根性論・精神論が功を奏したり、そもそも根性・精神力が無ければ成功しない場合が多くなるので、根性論・精神論が有効です。
現代の若者はネット検索によって「最小の労力で努力を成功させるための、最適解」を得ようとする傾向が強くありますが、
若者のその目論見(もくろみ)が上手くいくのは、
- 「世の中にありふれていて、なおかつ、ごく簡単で小規模な問題」を解決しようとする場合
- つまり、問題解決用のテンプレートがネット上に掲載されるほど、メジャーかつ誰にでも解決できる簡単な問題だということ
のみです。
特殊事例でマイナーな問題であったり、難易度が高いせいで長期的努力を要する問題であればあるほど、ネット上をいくら検索しても解決方法は見つからなくなっていくため、
問題の解決方法をネット検索に依存している若者達はどうにもならなくなります。
本ブログ推奨の、書籍や漫画の読み放題サービス
コメント