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社会での少子化の本質的原因を示す、ネズミのユートピア実験

 

理想的な環境下でネズミを繁殖させると、やがてネズミの群れが少子化へ向かい最後は絶滅する、

というネズミのユートピア実験について解説します。

 

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『ネズミのユートピア実験』の概要と、実験結果

本実験の、前提となる実験環境

ネズミの「生存」「繁殖」に必要な要素が全て十分に満たされているという、ネズミにとってのユートピア(理想郷)
  • ネズミのための「エサ」「水」の量は十分であり、減ればその都度追加される
  • ケージの広さは、ネズミの生活・繁殖のために十分なスペースがある(ネズミの繁殖に必要な巣材も、十分にケージに投入されている)
    • 理論上は、最大9500匹のネズミが不自由(ストレス)なく生活できるケージの広さ
  • ケージの温度・湿度の設定は、ネズミの生存に適したものに保たれている

 

 

病気・外敵による捕食の心配も無い
  • ケージは2週間ごとに清掃され、ケージ内に病気がまん延する可能性はゼロに近い
  • ケージの中にはネズミを捕食する外敵生物がおらず、ネズミの安全は保たれている

 

本実験の正式名称は「Universe25」であり、
アメリカのジョン・B・カルホーンという動物行動学者が1960年代に行った実験です。

 

 

 

 

実験の結果

途中までは、ネズミは順調に繁殖していった
  • 実験の開始時には8匹(オス4匹&メス4匹)だったネズミは、実験開始後315日目には620匹にまで繁殖した

 

 

実験開始後560日目から、ネズミの繁殖の勢いが停止する
  • さらに、600日目からは、「ネズミの死亡率」が「ネズミの出生率」を上回るようになり、ケージ内のネズミの個体数が減少へ転じるようになった
    • 本実験でのネズミの個体数のピークは、約2200匹

 

このあたりの段階から、
・交尾をしようとしないネズミ
・子育てをせず、エサを食べることや身づくろいしかしないネズミ
このような、異質な行動を取るネズミ個体が増え始めます。




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実験開始後1780日目に、ケージ内の最後のオスネズミが死亡し、絶滅が確定
  • ケージ内のネズミがメスのみとなり、繁殖が不可能になったため、ケージ内のネズミ達が絶滅

 

 

 

 

同様の実験を繰り返しても、毎回、ケージ内のネズミが絶滅した

  • 実験環境のスケールを変えて、同じ趣旨の実験を25回繰り返したが、25回とも「最終的には、ケージ内のネズミ達は絶滅した」という同じ結果になった

 




本実験・Universe25から得られる、少子化の重要ヒント

 

 

たとえ理想的な環境に置かれていたとしても、少子化は発動してしまう

  • Universe25では、
    ネズミの生存・繁殖について何不自由無い環境を与えていたにもかかわらず、ネズミの少子化と最終的な絶滅は必ず起きてしまった
    • 人間社会で言えば、「十分な経済的収入」「安全な生活環境」「子育てのハードルが低い、社会制度」がそれぞれ用意されていたとしてもそれでもなお少子化が発動する、という実験結果




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安定しすぎていて安全すぎる環境は、種の繁殖本能を殺してしまう可能性が高い

  • ケージ内のネズミの個体数が増えていくにつれて、ネズミの繁殖の勢いは落ちてゆき、交尾をしようとしないネズミ個体が増えていくことが本実験で確認されている
    • 上記の実験結果から、「死の危険が無い安全・安定な環境下で仲間が増えていくと、ある時点から繁殖本能が失われた個体が増加していく」と考えられる

 

人間世界の先進国においても、
・戦争や飢饉や疫病などとは無縁の、安全で安定した環境の国
・娯楽が非常に充実していて、「異性恋愛」の娯楽としての相対的価値が低下している国
では、ほとんどの場合で少子化が起こっています。

 

 

人間よりもはるかに知能が低いネズミでさえ繁殖本能が大きく低下するため、

もともと動物的本能が薄れていて、しかも知能が高くて打算で動きがちな人間ならば、安定的で安全な環境下ではより顕著に少子化が進む、と考えられます。

 

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