PR
スポンサーリンク

孤独なネズミが薬物依存症になる事を示す、ラットパーク実験

 

「ネズミを孤独な環境に置くと、モルヒネ(麻薬)に依存するようになる」という実験の、

『ラットパーク実験』の内容・実験結果を解説します。

 

スポンサーリンク

『ラットパーク実験』の概要と、実験結果

 

 

本実験の条件

「楽園ネズミ」のグループの条件

  • 「モルヒネ」を含む水を自由に飲めるようになっている
    • 上記に加えて、「モルヒネが入っていない、普通の水」も自由に飲めるようになっていて、ネズミは2種類の水のうちのどちらでも自由に選択できるようになっている
  • 「広い空間の中に複数のネズミ(16-20匹の雌雄のネズミ)が居る」という環境
  • ネズミが遊んだり隠れたりするための「箱」「缶(かん)」などの小道具が、ケージ内に設置されている

 

「モルヒネ」は極めて強い鎮痛作用をもつ麻薬の一種であり、
使用者に強い多幸感ももたらし、モルヒネの多用によって容易に依存症になります。

 

 

 

「植民地ネズミ」のグループの条件

  • 「モルヒネ」を含む水を自由に飲めるようになっている
    • 上記に加えて、「モルヒネが入っていない、普通の水」も自由に飲めるようになっていて、ネズミは2種類の水のうちのどちらでも自由に選択できるようになっている
  • 「通常の広さの実験ケージの中に、ネズミが1匹だけ」という環境

 

『ラットパーク実験』とは、
カナダのサイモン・フレーザー大学の研究者ブルース・アレグサンダー博士によって、
1970年代後半に行われた本記事で解説している実験の名称です。




スポンサーリンク




実験結果

「楽園ネズミ」のグループは、モルヒネ水を飲もうとしなかった

  • 他のネズミ達と「じゃれ合う」「オスとメスが交尾する」などの行為を繰り返すだけで、自由に飲めるはずのモルヒネ水はほとんど飲もうとしなかった

 

 

 

「植民地ネズミ」のグループは、明らかにモルヒネ水に依存していた

  • 2種類のうちの水のうち、モルヒネ水の方を好んで飲むことが確認され、モルヒネの効果で一日中酩酊し続けるネズミが多かった
    • 上記のようにモルヒネに依存するようになった植民地ネズミを、「楽園ネズミ(16-20匹の雌雄のネズミが居る)」のグループへ移動させてみると、
      移動直後は禁断症状(慢性中毒状態となった者が、その摂取の中断によって起こす精神的・身体的症状)のせいでけいれんが確認されたものの、普通の水を飲むようになり、行動スタイルが変化した

 




薬物依存症は「孤独」が原因である可能性が高い

「孤独」「状況によって生じる精神的な辛さ」が薬物依存症を招く可能性が高い

  • 麻薬・覚せい剤などの薬物に依存する原因は、
    「他者達との関係が断絶した、孤独な状況・環境」に置かれることだと、『ラットパーク実験』の実験結果が示唆している




スポンサーリンク




その人自身の生まれつきの資質よりも、その人を取り巻く環境に注意するべき
  • その人が薬物依存症になる原因は、その人自身の「意志の弱さ」「快楽を好む性格」などが原因だと一般に思われやすい
    • 『ラットパーク実験』の実験結果で、「孤独」「その人が置かれた状況によって生じる精神的な辛さ」が薬物依存へ走らせるという因果関係が示唆されたため、
      「その人を取り巻く、悪い環境(孤独な環境など)」の防止&改善に努めた方が、薬物依存症問題を解決しやすい

 

本ブログ推奨の、書籍や漫画の読み放題サービス

kindle unlimited(キンドル アンリミテッド)

200万冊以上のビジネス書・実用書・漫画・小説が読み放題になる
・30日間の無料体験登録ができて、いつでもキャンセルOK
・月額980円という定額で大量の書籍・漫画・雑誌が読み放題になるのでコスパが非常に高い

 

 



この記事の関連記事一覧

コメント

タイトルとURLをコピーしました