うつ病を回避するために知っておきたい、「うつ病の前兆・サイン」を調査したので分かったことを報告します。
心と体それぞれの、うつ病の前兆
うつ前兆…心編
- 「ゆううつな気分がする」
- 自分に自信が無い・悲観的な気分・自分はダメな人間だと思う・自虐的な事を人前で言う・笑わなくなった など
- 「強い不安や焦りを感じる」
- 常にばくぜんとした大きな不安を抱えていて心が落ち着かない・常にイライラしていて心に余裕が無くささいなことで感情が爆発する など
- 「めんどうだという強い気持ち」
- 自分から何かをしたいと思えなくなった・他人と話すのがめんどう・無気力感がずっと続く・外出、趣味、仕事などあらゆる行動についてやる気が失われた・めんどうだという強い気持ちのせいで遅刻や欠勤が増えた など
うつ前兆…体編
- 「強い疲労感」
- 朝起きた直後なのにもう身体がだるい・常に疲れている感じがする など
- 「よく眠れない」
- 寝付きが悪い・眠れない・途中で何度も目が覚める など
- 「身体に不調が起きる」
- 肩や首がこっている・円形脱毛症が起きる・腕などにじんましんが起きる・下痢や便秘が続く(これらはうつ病により「自律神経失調症」の症状が起こっているからである)・頭が重い感じがする など
- 「食欲・体重の変化」
- 食欲が無い・食べても美味しいと感じられずひどくなると味が判らなくなる・体重の急激な増減
うつ病の始まりはこんな現象が起こる
うつ病にかかってしまった人達の、うつ病の前兆の体験談を要約しました。
布団からどうしても出られない日の割合がだんだん増えていく。
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ちょっとした判断をするのにも通常時の何倍も時間がかかり、短期記憶もできなくなるので、
今聞いたことを数秒後に忘れる、などのようなことが頻発します。
そして休日は何もする気がせずにずっと寝ているだけでした。
不眠や身体の痛みなどの症状が出てきたので心療内科へ行ったところ、うつ病と診断されました。
これまで問題なくこなしていた仕事が急にできなくなったので、認知症になったのかと疑ったほどでした。
罵倒してくる上司が恐くなり、そのうち会社へ出社することができないようになりました。
仕事以外でも、日常生活の中にうつになる原因はある
うつ病は、過度なストレスで引き起こされます。そして、「え?こんな軽いことでも?」というようなささいなきっかけでも、人によっては非常にストレスを覚えるので、うつ病の引き金になりやすい現象には注意が必要です。
うつ病を起こしやすい「人間関係のストレス」
- 家族関係(結婚・育児・家庭内環境が悪い・家族との死別)
- 恋愛関係(失恋・恋人と上手くいかない・婚約・離婚)
- 仕事関係(上司や同僚や部下との不和・昇進や降格でのプレッシャー・仕事を失敗したことで叱責を受ける)
うつ病を引き起こしやすい「環境の変化のストレス」
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- 住む場所の変化(引っ越し・転勤)
- 健康関係(病気・事故・出産)
- 生活関係(失業して無職状態化・貧困状態化・定年を迎える)
うつ病の主な症状
基本的に、前述したうつ病の前兆の「憂うつ感」「無気力感」「記憶力の減退や思考力の低下など、頭が働かない」「食欲の減退」「身体が重い」「死への願望」などの症状がそのままより重いものへと強化された症状となる。
重度のうつ病患者は、部屋で横になったままろくに身動きも取れず、食事と風呂の回数も減って「廃人そのもの」といった状態になるので、こうなる前に、うつ病になる環境からすぐさま逃げ出すことを推奨する。
うつ病は「甘え」ではない
うつ病に対して無理解な人達から「うつ病は甘え」などと言われることが多いのですが、うつ病は身体の病的異変をともなう、れっきとした病気です。
根性論を好む人が多い日本人には、「はた目にはただ落ち込んでいるだけのように見えるうつ病」を甘え・努力が足りない・根性が足りないと根性論で片付けようとする人ばかりです。
現代でのうつ病発症の理由の有力な仮説は
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- ストレスを受ける↓
- 副腎から、血糖・血圧を上げる効果がある「コルチゾール」というホルモンが分泌されてストレスへの耐性が得られる↓
- 過労や異常なプレッシャーのような、過度なストレスを受け続ける↓
- コルチゾールの分泌がずっと止まらなくなり、コルチゾールが脳の「海馬」という記憶をつかさどる領域へ悪影響をおよぼして海馬を萎縮させ、意欲の劇的な低下&記憶力の劇的な低下が起こる(この状態がうつ病)
というものです。
うつ病が発症してしまった場合の、3大恐怖
1.「うつ病による人生損失度は、失明や下半身麻痺と同等だと評価されている」
WHO報告の「病気のグローバルな損失」に含まれるデータ
各疾患 | 疾患によってもたらされた損失 (DALYsを用いて測定 単位:100万) | トータルに対する割合 |
虚血性心疾患 | 8.9 | 9.0% |
うつ病 | 6.7 | 6.8% |
循環器疾患 | 5.0 | 5.0% |
飲酒 | 4.7 | 4.7% |
交通事故 | 4.3 | 4.4% |
肺癌&上気道の癌 | 3.0 | 3.0% |
痴呆&中枢神経系の変性疾患 | 2.9 | 2.9% |
変形性関節症 | 2.7 | 2.7% |
糖尿病 | 2.4 | 2.4% |
慢性閉塞性肺疾患 | 2.3 | 2.3% |
DALYs(Disability Adjusted Life Years:障害を調整した人生の年数)という指標があり、WHOの評価ではうつ病のDALYsは6.7とされていて、非常に高い数値となっています。
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うつ病による経済損失は全疾患中で第二位の評価であり、WHOの評価基準では「失明」や「下半身麻痺」と同等とされています。
2.「発病すると、再発しやすい状態までしか回復しない」
- うつ病を発症した人の約60%の割合が、2度目のうつ病を経験すると言われている
- 再発すると、その次にまた再発する確率がさらに上がってしまう
- うつ病が寛解(病状がいったんはおさまったが、再燃しやすい状態のこと)した後、抗うつ剤の投与を続けることで、再燃のリスクを低下させることができる
現代医学では、うつ病が発症するメカニズムを完全解明するには至っていません。現在の医学界で言われているうつ病の仕組みは、仮説の域を出ない段階です。
うつ病のメカニズムが不明なせいで、うつ病の治療はどうしても対症療法になってしまうので、寛解(病状がいったんはおさまったが、再燃しやすい状態のこと)まで持って行けるうつ病患者が約70%、残りの30%の患者は難治性のうつ病におちいってしまうと言われています。
3.「日本という国ではうつ病患者は最悪的に生きづらい」
- うつ病やパニック障害をはじめとした精神疾患を「根性が足りない」「甘え」と見なして片付けようとする日本人がかなり多い
- そもそも精神疾患に限らず、日本人は問題が解決しない理由を「根性が足りない」「気力が足りない」「勝とうとする意思が足りていない」と精神論で片付けがちで、問題の構造に目を向けることが少ない
日本人は根性論が好きで、「うつ病なんて存在しない、全部甘え」ととんちんかんな事を言う人も少なくありません。
医学的側面からうつ病を理解しようとしない日本人に囲まれていては大変なハンデになります。
セロトニンの合成でうつ病の予防と回復を
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心を落ち着ける効果がある「神経伝達物質・セロトニン」の分泌量が減ってしまっていることがうつ病の発症をうながし、さらにはうつ病からの回復を遅らせていると現代では考えられています。
セロトニンは心を落ち着ける効果以外にも、人間の意欲の源となる神経伝達物質「ドーパミン」「ノルアドレナリン」の2つを制御する効果があり、セロトニンの分泌量が減るとドーパミン・ノルアドレナリンのコントロールが効かなくなるため意欲が消えてしまいます。
セロトニンの分泌量を増やすには、
- セロトニンを合成するための「トリプトファン」を含む食べ物を優先的に摂取する
- 「日光」を浴びるとセロトニンを分泌するトリガーとなるので日光の下で軽い運動をする
ことの2つが極めて有効です。
セロトニンを効率よく体内合成するために、「トリプトファン」と「ビタミンB6」を専門的に摂れるサプリメント↓を飲むのがおすすめです。
- 早寝早起きという規則正しい生活(夜型の生活になると自律神経失調症にかかり、精神が不安定になる)
- 朝日や、日光を浴びることで、安心感をもたらす神経伝達物質「セロトニン」の分泌を促す
- セロトニンの合成に必要な「トリプトファン」という必須アミノ酸を優先的に摂取する
- トリプトファンは肉類・牛乳やチーズのような乳製品・たらこ・納豆に多く含まれている
- 強いストレス負荷を受ける職場や人間関係からは、心身に深刻な損害を受ける前に早めに逃げる
- 毎日十分睡眠を取る
- 日頃から湯船に浸かって、心身をリラックスさせる
うつ病の前兆を感じ取ったらとにかく休養を
うつ病の予防&治療で最も大事なことは「休養」です。自分を苦しめている仕事・課題・環境から離れて、心と体を十分に休ませましょう。
自分に負担がかかりすぎる環境に身を起き続けるせいで、エネルギーが枯渇し、ついにはうつ病を発症してしまいます。
休学する・休職する・仕事が自分に合わないようなら思い切って退職するなど、気休め程度に休むのではなく、十分に時間をかけて休養することが絶対不可欠です。
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