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「戦闘狂キャラ」の問題点と、キャラの株を落とさない扱い方

 

漫画やアニメにおける「戦闘狂キャラ」が抱えている構造的な問題点や、

その問題点を克服した魅力的な戦闘狂キャラの特徴を解説します。

 

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「戦闘狂キャラ」が、扱いづらかったり大成しにくい理由

 

 

戦闘狂キャラの、構造的な問題点・課題点

  • 「強い敵と闘うことが大好き」なのに、作中で最強のキャラにはなぜか挑戦しようとしない
    • このせいで、「みょうに理性的・打算的であるから、根っから狂っているわけではない」と思われやすい
  • 主人公とバトルをさせる展開へ持って行くと、
    「戦闘狂なので、主人公を殺すもしくは再起不能へ追いやってしまう」「主人公に負けて、戦闘狂キャラの株が暴落する」という、どちらも望ましくない結果になりやすい
  • 戦闘狂キャラは組織に属さずに単独で行動していることが多く、味方グループVS敵組織という王道のストーリーパターンになかなか噛み合わない
    • ストーリーの後半になって味方グループも敵組織も強さがインフレしてくると、単独行動している戦闘狂キャラは戦力不足のせいで敵味方にちょっかいを出すくらいしかできなくなる




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創作物の作者にとってかなり扱いづらいキャラであるため、
・雑魚狩り描写で戦闘狂キャラの強さや存在感をアピールしてみるものの、小物臭が露呈して余計に株を落とす
・扱いづらいキャラであるため作品のストーリーに組み込みにくく、出番が少ないまま強さのインフレに追いつけずに、いつの間にか空気キャラと化す
このような状況になりやすくなります。

 




「戦闘狂キャラ」の、ベターな扱い方

なるべく株を落とさない、戦闘狂キャラの扱い方

  • 自身より格上の強キャラと闘って、死ぬ瞬間まで戦闘を楽しむスタイルをいっさい崩さない
    • 「後悔する」「これまでの人生で、もう十分に戦闘を楽しんだ」「もしかしたら死に場所を求めていたのかもしれない」といった、常識人的な思考や達観的な思考を浮かべないことが重要
  • 真の実力を発揮する前に、
    事故的な原因(めったに当たらない即死系魔法が、複数の偶然が重なって運悪く直撃してしまったなど)で早期にストーリー上から退場し、その後、故人となった戦闘狂キャラの凄さ・世界への影響力の大きさが折に触れて明らかになる
  • 「そのキャラクターの立場上、無茶苦茶な行動は取りづらい」
    「そのキャラクターの主義上、闘うことが好きなのであってわざわざ殺すことは好まず、相手を殺すことまではしない」
    などの制約をあえて設けることで、戦闘狂キャラの株を落とす行為は最初からできないようにする

 

 

戦闘狂キャラを上手く扱っている具体例:ラノベ・魔法少女育成計画の「森の音楽家クラムベリー」





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魔法少女候補生時代の戦闘テスト中に事故が起こり、同期の候補生達と試験官が次々と凶悪な敵モンスターに殺される中、突出した実力で敵を倒してただ一人だけ生還する、
という衝撃的な体験を経て、ショックで精神の一部が破綻し、強敵との戦闘にのみ生き甲斐を見出す完全な戦闘狂となる。
クラムベリーが魔法少女の選抜試験の試験官に就いたため、
試験官の立場上、必ず試験の合格者を出す必要があり無茶な殺戮はできなくなったが、代わりに見込みのある魔法少女候補生とひそかに闘いやすい立場を得る。
「たいていの魔法少女を瞬殺できるうえに、戦闘をあれこれと有利に運べる”音を操る魔法(クラムベリーの固有魔法)”」は自ら禁じ手とし、肉弾戦のみで軽々と魔法少女を殺害できるほどの異常な強さがある。
ザコの魔法少女候補生の即死系魔法が奇跡的に決まり、クラムベリーは死亡したが、
複数の陰惨な事件の元凶・あるいは後世で凶悪事件の発生の大きな要因になったのがクラムベリーであり、
死してなお作中世界への影響力は大きい。

 

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