過去に「独身税」を導入した国の結果と、
独身税の導入が現実的には難しい理由を解説します。
過去にブルガリアが「独身税」を導入した結果
ブルガリアで、少子化対策のために「独身税」が導入された
- 「25歳以上の成人独身者」に対して、収入の5~10%を税金として微収する税制(これがいわゆる”独身税”)が導入された
- 独身者に対してペナルティー的効果をもたらす税制を導入することで、国民達が独身状態を辞めて結婚することを促そうとする狙いがあった
- 独身税の導入期間は、1968~1989年まで
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導入の結果、かえって少子化が悪化してしまった
- 独身税を導入した結果、
ブルガリアの出生率は2.18から1.86へ低下し、導入前よりも少子化が悪化してしまった
「独身税」という税制の、3つの問題点
1「独身者達を税金で締め上げたところで、結婚へ向かうわけではない」
- 税金の負担のせいで独身者の生活に余裕が無くなり、経済的余裕が失われたせいで結婚の可能性を摘んでしまう結果になりやすくなる
2「既婚者を優遇する税制がすでに導入されており、それが実質的な独身税になっている」
- 配偶者控除(一定以下の所得金額の配偶者がいる納税義務者が受けられる所得控除のこと)
- 第3号被保険者(年収が130万円未満でかつ夫の年収の半分未満の場合、配偶者は国民年金保険料を完全に支払ったことになる制度)
- 上記のような既婚者を優遇する税制(独身者はこの税制の恩恵を受けることができず、しかも、独身者の納税分の一部がこの税制を支える財源になっている)が存在することが、実質的な『独身税』として機能している
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3「現代世界では、独身税という政策は国民の支持を得にくい」
「事実上、国民に結婚を強要している政策」が、現代の権利意識と反している
- 現代の権利意識では「恋愛および結婚は、個人の自由意志によってする・しないを選択されるべき」という考え方が主流
- 上記の事情により、「事実上、国民に結婚を強要している独身税政策」は国民達の反感を買いやすく支持されにくい
現代では独身者も多いため、独身税の導入が支持多数とはなりにくい
- 独身者の割合が多く、そのせいで独身税の導入政策が支持されにくいため、独身税は実現しにくい傾向がある
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